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元・人事システム(HRIT)コンサルタント、苦難の末61歳で転職に成功!

元・人事システム(HRIT)コンサルタント、苦難の末61歳で転職に成功!

No.1544
  • 現職

    財閥系 不動産デベロッパーのグループ会社 人事総務・機関運営・経営企画・内部統制管理

  • 前職

    【情報出版企業(現 IT企業)】

    【外資系 コンサルティング会社】

    【東証一部上場企業】
    人事・内部監査担当

下澤 淳 氏 61歳 / 男性

学歴:福岡県立 朝倉高等学校 卒
国立大学 理学部 物性物理学科  卒
SAP認定コンサルタント(人事、会計)
総合IT企業の認定資格 プロジェクトマネージャー及びコンサルタント
高校・中学の教員免許
第二種情報処理技術者試験
TOEIC560点

はじめに

今回の転職に際しては、(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの高橋様をはじめエリートネットワークの皆様に大変お世話になりました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

本題に入る前に、簡単にプロフィールとスキルについてご紹介します。
現在61歳、男性。
1986年 国立大学の理学部を卒業し、情報出版企業(現在はIT企業)で会計システム構築やお客様のSAPシステム導入プロジェクトに従事しました。
2000年 コンサルティング会社に転職、この時にもエリートネットワーク高橋様に大変お世話になりました。
その後、同社が米国IT企業に買収されたため、米国IT企業日本法人のコンサルティング部門に移籍。人事の制度、プロセス、システムの専門家として約15年に渡り、お客様にサービスを提供。最後の5年は、志願して人事部門に異動し、インターンシップ、大学との関係強化、新卒採用などの業務に従事しました。
65歳まで働きたいとの思いで、定年退職前に転職したものの、企業業績の急激な悪化により会社都合で退職、再度就職活動をすることにしました。

キャリアは、人事とシステム(約30年)、内部統制・内部監査(約2年)を中心に形成しました。
認定資格として、SAPの会計と人事のアプリ導入の認定資格、勤務した米国IT企業のプロジェクトマネージャーとコンサルタントの認定資格、TOEICのスコア、高校・中学の教員免許を保持しています。

この転職体験記では、以下の3つのテーマについて述べたいと思います。
1.61歳の転職は、自己理解の絶好のチャンス
2.情緒不安定は、ワーストシナリオを描くことで解消
3.救世主、エリートネットワーク高橋様 登場

1.61歳の転職は、自己理解の絶好のチャンス

(1) 転職の背景
私は定年退職前の59歳で転職しました。
それは、健康で就業意欲が高いので65歳まで働きたいとの思いと、どうせ働くなら年齢に関係なく適切な報酬が得られる会社があるはずとの思いからでした。
そして、縁あって上場企業の人事担当の職に着任。65歳まで勤め上げようとの決意のもと、仕事に精を出していました。
ところが、あろうことか、会社のゴタゴタでお客様にもご迷惑をかける状況になり、業績は悪化の一途を辿ることになりました。
その中で、私も微力ながら会社の再建に尽力したい旨を会社に申し出たものの、固定費である人件費を削るところまで追い込まれている旨を役員から説明を受け、やむなく会社都合で退職になり、61歳で再度就職活動をすることにしました。

(2) 自分を知らない自分
退職直後は、この2年間を悔やみ、面倒な転職活動を最初からやり直すのかと思うと、ひどい脱力感と倦怠感を感じ、1週間くらい何もできない状態でした。
しかし、1週間本当に何もしないと、逆に無性に何かしたい、また、仕事をしたいとの気持ちが沸々と湧き上がり、転職についての情報収集を開始しました。

手元にあった転職のガイドブックを開くと、気になる言葉が書かれていました。
そもそも、「あなたは、何を実現したいのか?」「あなたは何かできるか?」「いくら稼げばいいのか?」などの問いかけです。
これらの言葉を見て、即答できない自分に気づきました。
人生100年時代、65歳までに何をしたいのか?、さらにその先に何をしたいのか? 自分の仕事の強みや大切にしていることは何か? そして、65歳までにいくら稼げばいいのか??何も定まっていない自分でした。

(3) 自己理解の絶好のチャンス
すぐに求人応募をしたいとの気持ちをぐっと抑え、今こそ自己理解の絶好のチャンスだと考えを改め、これまでのキャリアの棚卸、そして今後のライフスタイルをデザインした上で、転職活動に着手するようにしました。
今思うとオーソドックスな転職プロセス(事前準備、自己理解、転職活動)であるものの、とても貴重な時間であり、思考の過程だったと思います。

(4) 事前準備
事前準備としては、まずは当面の生活費を確保するために、ハローワークに出向き、雇用保険の基本手当の給付申請をしました。これで、転職活動に専念できる環境が整いました。
2つ目は、いわゆる「家計のキャッシュフロー表」の作成です。
向こう30年の時間軸に家族のライフイベント、家計としての収支、公的年金受給などを大雑把に記入してゆきます。
その結果、これまで漠然と不安に感じていた老後の生活費、子どもの学費などの見える化ができました。
そして、少なくとも65歳までは、子どもの学費の捻出のためにも頑張る必要があることが明確になったことは大きな収穫でした。
資料の作成には手間と時間がかかりますが、家計の将来について数字で語ることができるメリットは大きいと感じました。
(日本FP協会の書式を利用:https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet/files/11_cashflow.xls)

(5) 自己理解
自己理解の目的や方法は多種多様ですが、私の目的は、残りの人生で何を実現したいのか、自分の仕事の強みや大切にしていることは何かを確認して、今回の転職に活かすことです。

いきなり、残りの人生で何を実現したいかを考えようと机に向かっても無理な話なので、webに掲載されている色々な記事に目を通して参考にすることから始めます。
自分の夢の実現のために海外移住した人、Iターン、Uターンで田舎暮らしを始めた人、自分の店を開業した人、コアスキルを活かし別の世界に飛び込んだ人、様々なセカンドライフの事例を目にしました。
一方で、地域コミュニティーでの活動、NPOのボランティア活動を通じて社会貢献されている人、ありきたりではあるものの旅行、趣味など自分の好きなことに時間を割き、精神的に豊かな人生を送っている人が多くおられることを知りました。

ここで、海外移住や田舎暮らしなどは、ストーリー性があり羨ましく思えるものの、自分にはしっくりきませんでした。
さらに「残りの人生で何を実現」と大上段に構えても、答えは見つかりそうにありませんし、私が答えを持っているのであれば、とうの昔に行動を起こしていた筈だと考え、無理をしてライフワークの取組みを探すのではなく、今やりたいこと100個をリストアップして優先度をつけて実行することにしました。

次は自分の強みの再認識です。
世界で約3千万人が利用している「ストレングス・ファインダー・テスト」を活用しました。
オンラインで検査を受け、検査結果から34種類の強みの要素のうち、私固有の上位5つの強みの要素が明らかになりました。
結果は、これまで自分でも得意分野と薄々感じていたことと同じであり、要素毎の行動特性やその強みをさらに発揮する方法の解説を読むと納得できる内容でしたので、転職先でも意識して活用したいと考えました。
(クリフトン・ストレングス:https://www.gallup.com/cliftonstrengths/ja/253796/CliftonStrengths-%E7%A7%91%E5%AD%A6.aspx)

最後に自分の大切にしていることが何かの認識です。
MITの組織心理学者であるエドガー博士によって提唱されたキャリア理論「キャリア・アンカー」を活用しました。
これもオンラインで簡単に診断を受けることができます。結果、無意識に仕事でこだわっていたことが見える化でき、納得がゆく結果でした。
(キャリア・アンカー診断:https://career-anchors.rere.page/#google_vignette)

これらの自己理解を踏まえ、自律的に活動できる職場、専門性を活かし社会貢献できる職務、そして強みである戦略思考・分析思考を活かせる仕事、目標達成力が評価される職場を探したいと確信しました。
また、報酬も子どもの学費を考慮した金額も理解しました。

(6) 転職活動
前回2021年の転職で作成していた履歴書、職務経歴書を事前準備と自己理解の結果を踏まえ更新しました。
さらに、キャリアカウンセラーの資格を持つ友人に転職の作戦を相談しました。
友人からは、60歳を超えての転職はハードルが非常に高く、転職サイトからの一般応募だと書類選考を通過し面接に進めるのは数%、さらに選考に合格する確率は1%未満だから、覚悟して焦らず気長に取り組むこと、知人友人ルート・転職サイト・就職エージェントなど、様々なルートを並行で活用して転職活動をすることをアドバイスされました。

2.情緒不安定は、ワーストシナリオを描くことで解消

友人のアドバイスに従い、まずは、知人友人ルートに着手。
これまでにご縁があった知人友人をリストアップして、仕事紹介のお願いをしました。
この初期段階で数十人に依頼したものの、今は求人ニーズがない、年齢的に厳しい、希望報酬に程遠いなど理由は様々ですが、全滅の状況でした。

並行して、ダイレクトスカウト、転職サイトに会員登録を済ませ、目ぼしい案件を見つけては、ひたすら応募をしました。
何せ書類選考通過は数%と友人から聞いていたので、まずは、100件を目標に応募しました。

しかし、通称「お祈りメール」(不合格通知の文末にある「貴殿の活躍をお祈り申し上げます」に由来)が来る日も来る日も届きます。
最近は、募集企業の業務代行として転職サイトのスタッフが事前スクリーニングしていることが多いらしく、その代行スタッフが機械的に応募書類をチェックし、書類選考合否判断をしているようです。
早いものだと、応募申請をして1時間も経たないうちにお祈りメールが届きます。
想像の域を出ませんが、自分のキャリアを理解してもらうことなく、年齢で即時に判断されているなと思わざるを得ない対応の速さです。
メールに不合格理由が書かれているものの、依頼企業からお預かりしている人材像や要件を鑑み総合的に判断して不合格というもので、年齢なのか、本当に要件のミスマッチなのかわかりません。
明確な理由がわからないなどのストレスで、悶々とした日々を過ごしました。

とはいえ、手を緩めるわけにもいかず、報酬などの条件を度外視して、定年が65歳または60歳で再雇用ありの募集、あるいは高年齢者歓迎の募集を探して応募したものの、状況は好転せず、八方塞がりの状況に。
そして、お祈りメールが100通に近づくと、気丈分に振る舞っていたつもりだったのですが、気分の浮き沈みが激しくなり、家族から心配される有様でした。

そこで、戦術を変更し、再度知人友人ルートに注力すること、新たに転職エージェントを活用することにしました。
また、派遣社員としての働き方も視野に入れて検討することにしました。

この戦術変更で大きな気づきがありました。
それは「派遣社員の働き方も有力な選択肢になる」ことです。
ただし、これは私のように、高年齢者であと4~5年働きたいと考える人にとっての選択肢だと思います。

派遣会社のカウンセラーによると、確かに登録者は女性が多数ですが、男性かつ高年齢者も登録されており活躍しているので問題ないとのこと。しかも、自分のスキルを活かし正社員と同等の仕事ができる案件が相当数存在し、数ヶ月程度の仕事を繋いで行くことを厭わなければ(実際はそれが面倒なのですが)、それなりの報酬を得られることがわかりました。
決して満足ゆく報酬ではないので、子どもの学費については、奨学金での借り入れなど子ども本人が負債を負うことになるものの、ある程度の経済的支援はできることがわかりました。
また、公的年金の受給時期の前提を変更するなどの工夫をすると、老後もなんとか生活できることもわかりました。

このように、私の情緒不安定は、ワーストシナリオを描き、それでも何とかなることを認識することで解消に向かい、再度、転職に専念できるようになりました。

第二段階の知人友人ルートの開拓は、連絡相手の幅を広げ、高校時代の友人、人事部門に勤務しているこれまで疎遠だった友人、間接的に存じ上げており人事権を持っていそうな方に直接連絡しました。
結果、複数案件で面談の実施に成功し、さらに1社は選考を合格しオファーまでいただきました。
従って、この時点でワーストシナリオは回避されました。

3.救世主、エリートネットワーク高橋様 登場

転職エージェントで最初に頭に浮かんだのが、2000年に情報出版企業(現在はIT企業)からコンサルティング会社への転職でお世話になったエリートネットワークの高橋様でした。
早々に会員登録を済ませると、間髪を容れず当日の夜、高橋様とwebでの面談のお約束が入りました。
私にとっての救世主、高橋様の登場です。

実は高橋様と私は、同じ会社の出身です。
なので、高橋様には勤務していた会社の社風、社員の気質・行動様式など、私のバックボーンをよく理解いただいているため、
面談冒頭から、転職理由、希望職種・業界・勤務地・報酬、そして、この1ヶ月の転職活動の話をさせていただきました。

高橋様の開口一番のコメントで「失礼ながら、そのご年齢では一般応募を100件やっても無駄ですよ。」とズバッと指摘されました。
えっ、無駄だった??正直動揺を隠しきれません。
この2週間の応募とお祈りメールによる落胆は何だったのでしょうか。
そして、前回2000年の転職時のアドバイスを思い出しました。
当時、私が2つのコンサル会社を迷っていた時「下澤さんの性格から、A社でなく、B社に行くべきです。理由は・・・・だから」との一刀両断のアドバイス。
ここまで自信を持って言い切れること、理由もよく分析されており納得感あることに感心したこと、同時に、私の高橋様への信頼が醸成されたことを思い出しました。
そんな信頼できる高橋様に、真っ先に相談すべきだったと反省です。

「知人友人ルートと、弊社(エリートネットワーク)で行きましょう。ご支援しますよ。」
心底信頼できる高橋様を頼りに次の連絡を待つことになりました。
ここでも、「いつまでに連絡をします」と自ら期限を切ってお約束をいただき大変好感を持ちました。

時間を空けることなく、適切な案件の紹介をいただき、応募する中で、面接に進む案件が出てきました。
1次面接、2次面接と選考が進む中でも、都度、フォローやアドバイスをいただきました。
特に、募集企業から私の前職退職理由について追加確認があった際も、しっかり私から情報収集の上、募集企業に出向いて説明・説得のために動いていただき、大変心強かったです。

また、選考合格後には、雇用条件や報酬について、しっかり確認や交渉いただき、私の希望通りの条件で2023年秋に入社することになりました。
高橋様、そしてエリートネットワーク様のクライアント満足度200%のサービスに大変満足をしています。

希望職種・年収・勤務地だけの機械的なマッチングではなく、私のキャリア・強み・性格・行動様式など十分に理解いただき、依頼企業からエリートネットワーク様への信頼を前提とした有機的なマッチングだからこそ、成し得た転職だと考えています。

私の後輩もそろそろセカンドキャリアを考える時期にあり、転職で迷っている後輩には、自信を持ってエリートネットワーク様を紹介したいと考えています。

高橋様、そしてエリートネットワーク様の益々の発展と活躍をお祈りしております。
ありがとうございました。

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