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大学院での研究内容(無機化学)を活かすため、鉄鋼メーカー生産技術から、化学メーカー研究開発職に

大学院での研究内容(無機化学)を活かすため、鉄鋼メーカー生産技術から、化学メーカー研究開発職に

No.1436
  • 現職

    東証プライム上場 グローバルトップの名門化学メーカー R&D統括本部 研究開発職

  • 前職

    東証プライム上場 創業100年超 売上数兆円の高炉メーカー 鋼管部 操業技術職

寺内 慶人 氏 27歳 / 男性

学歴:埼玉県立 浦和高等学校 卒
早稲田大学 先進理工学部 応用化学科 卒
早稲田大学大学院 先進理工学研究科 応用化学専攻 修了
甲種危険物取扱者免状

新卒時の就活

私の大学での専攻は化学であり、その中でも無機化学をメインに扱う研究室に所属していました。
所属していた研究室は、所属学生数が50人近い大所帯且つ使えるものは何でも使うという方針だったこともあり、研究領域が広がり続け、なんとか「無機化学」という範囲で括るのが精一杯というような、良い意味で好き勝手できる研究室でした。
1人1テーマを基本として、こんなことができたらいいね、あんなことができるんじゃないか、と自由に議論を重ねながら、各々テーマに沿って実験や分析を進めていました。

人によって得意な実験・分析が違いますから、いつもと違う実験手法にトライしたり、この操作を改良したいなという場合も、大抵は50人の中に詳しい人がいるので聞きに行っては取り入れたり、実際に操作を見せてもらうということをしていました。
この時の、自分の研究テーマを中心軸に置いて、周りから広く知識を吸収していくというスタンスは、自分の知的好奇心が満たされるものでしたし、就職活動でも引き継がれていたように思います。

新卒での就職活動は、大学での専攻であった化学の知見を活かせること、大きなものづくりに携われることの2つを軸として、メーカーを中心に進めました。
化学系の学科ですから、もちろん化学メーカーに就職した先輩は大勢いました。しかし自分は、はっきりと形になっているものを作りたいという気持ちがあったので、化学メーカーに絞ることなく就職活動を進めました。

化学メーカーの工場見学や社員座談会に参加しつつ、大きなものづくりに携われる重工メーカーや鉄鋼メーカーも合わせてエントリーしていました。
重工メーカーや鉄鋼メーカーの工場見学はスケールが大きく迫力があり、社会を支える大きなものづくりであることが実感できました。これらの業界で化学の知見が必要とされるのかといった点については疑問が生じましたが、企業説明会や社員座談会を通して、化学系出身の社員が一定数いることを知り、自分の希望条件を満たす業界であると知りました。

就職活動の終盤では、大手鉄鋼メーカーと大手重工メーカーのうちどちらかを選ぶことになりました。
鉄鋼メーカーは所属していた学科からの就職実績が多くあり、重工メーカーはインターンシップでお世話になっていた為、双方の社員から何度も対話の機会を得ることができました。
最終的には、化学系の社員が活躍できるフィールドがより明確であった大手鉄鋼メーカーへの入社を決めました。
この企業は入社後に配属先が決定するタイプの企業でしたが、就職活動をする中で面識のあった化学系出身の社員のほぼ全員が、化学の知見が必要とされる部署に配属されていたので、配属先について心配することはないだろうと考えていました。

入社した会社・部門での担当業務

配属先は研究職を希望しました。
学生時代の研究室生活から、自分の得意分野となる軸を持って周りから知識を得るスタイルが自分に合っていると実感した為です。
同期入社の社員名簿を見ると、材料系や機械系の出身が大勢いる中で化学系出身者もそれなりの人数を占めていたので、社内で化学の知識が必要とされていることを改めて感じました。
ここまでは想定通りでしたが、希望していた研究職の倍率が例年よりも高く競争が激しい旨を入社後の面談で人事部から伝えられ、希望部署へ配属されるかが唯一の、そして最大の懸念点となりました。

配属先の内示では、まず研究職ではないことを告げられました。内心がっかりしましたが、まだ化学系部署へ配属される可能性は十分にあったので、人生なんでもうまくいくものではないしあまり気落ちすることはない、と自らを鼓舞していました。
しかしその後の2回目の内示にて、事前に想定していた部署とは異なる部署に配属されることを知りました。
ほとんどの化学系出身者の同期は化学系の部署に配属されたこともあり、これには流石に戸惑いました。
いざ配属部署に赴くと、部署内の化学系チームがあることを知り、自分はおそらくここの要員なのだろうと一旦は安堵しましたが、ここでも別チームに入ることになりました。
いつになったら化学系の業務に関われるのだろうかと、しこりを残したまま実務を開始することになりました。

石の上にも三年、置かれた場所で咲きなさい、とはよく言ったものですから、こうなった以上はもうやるしかないと思い、実務が始まった後は気持ちを切り替えて業務に当たりました。
当然のことではありますが、分からないことは質問し、メモを取り、少しずつ知識を増やしては、担当製品の品質向上や不良原因の究明、製造方法の改善などを行ってきました。

社会人1年目の冬には収益アップに直接繋がる案件の担当になり、自分の行動で収益が増え、それが数字として表れることで、会社に貢献できた実感を得ることができました。
また、製品設計の改善にも携わり、自分が手を加えたものが製品となって世の中に出ていくという、社会貢献の経験もできました。
工場に直接関与する部署であった為、工場の稼働状況によっては突然の深夜勤務や休日出勤が発生することもありましたが、働くとはこういうものなのだ、と自分自身を納得させていました。

転職に至った理由

業務上で少しずつできることが増えるにつれて、部署内外の周りの情報を取り入れていく余裕が出てきました。
先輩や上司の話、他の事業所の動向、本社・事業部の方針などが少しずつ耳に入ってくるにつれて、自分のやりたかった化学の仕事は、配属された事業部ではほんの一握りしかないことが分かってきました。
更に、事業部を超えた異動はほぼ無く、今の担当製品を何十年にも渡って担当する可能性すらあることも判明しました。
元々の自分の希望であった、化学をやりたいという道筋は暗雲が立ち込め、人生こんなものかな、と落胆するようになっていました。

社会人2年目になってすぐ、上司との面談の機会がありました。
それまでにも事あるごとに化学系のチームに移りたいとの希望をやんわりと伝えていましたが、この時初めてはっきりと希望を伝えました。
前々から上司にも私の意向は伝わっていたようでしたが、「君の成長のためにもチームを変えるつもりはなく、管理職になってからそのチームに関わるのでも遅くない」とはっきりと言われてしまいました。

管理職になってから。
どんなに早くても、10年は待つことになる。そんな後になってようやく化学の仕事を始めても、もう巻き返すのは難しい。しかもその更に後は事業部の状況からして化学の仕事はできないだろう。
今思えば10年もの長期に亘って上司や自分が今の部署に残り続けることはおそらく無いのですが、当時の「今のチームに残った方が今後の為になる」という上司の発言には自分としても納得できる面があり、そのことが余計に現行チーム残留の可能性を補強していました。
この辺りから、そもそも何のために仕事をしているのかを考え始めるようになりました。

上司との面談後すぐ、研究室の同期と集まる機会がありました。これが大きな転機となりました。
私はてっきり同期もみな社会の荒波に揉まれ困惑し、事によってはすっかり疲弊した顔で現れるのではないかと思っていました。私自身がそうだったからです。
予想は大いに裏切られました。集まったのは10人くらいで、進んだ業界・職種はバラバラでしたが、みな社会人生活を謳歌しているようで、表情にそのことが現れていました。
1人くらい暗い顔をして現れるのでは、ひょっとしたらみなそんな顔をしているのではないか、と内心どこかで妙な期待をしていたのでしょう。そうすれば自分が置かれている状況も決して珍しいものではなく、人生においてはよくあるどうしようもないことに過ぎないと納得できるから。
しかし現れたのは不満など何一つなさそうな同期ばかり。
よくよく話を聞いてみると、全く不満がないわけではなさそうでしたが、それが逆にリアリティを生み、自分の置かれた環境に疑問を持つには十分な出来事となりました。

自分自身、厳しい環境で自分を鍛えることには賛成でした。そこで得るものもあると考えていましたし、これまでの人生を振り返ってもそういった出来事が自分の糧や自信となっていました。
しかし今の自分には、今の仕事で苦労した先に何が待っているのかを見出すことができませんでした。
生きるために仕事をする。では何のために生きるのか。この命が終わりを迎える時に良い人生であったと思うためにも、自分の人生、やりたいことがあるならやってみるべきなのではないか。
異動は難しいということも分かっていたので、残された道は、今の環境のままでいるか、転職するかのどちらかでした。

実際に転職に踏み切るかどうかはそう簡単に決められないものかもしれませんが、転職活動自体はノーリスクで進めることができます。
登録などには基本お金が掛かることもないですし、勤務している会社に気づかれることもまずありません。
企業との面接もオンラインでの実施がほとんどだったので面接のための移動も必要なく、地方勤務である上に基本テレワークができない自分にも進めやすいものでした。
実際に転職するかどうかは企業からの内定が出た後でも決められるのだから、とにかく始めることが重要だと考え、ひとまず転職サイトに登録しました。

初めはテレビCMでよく見かける転職サイトで進めていましたが、求人案件の種類がまちまちな上に1日に届く求人数が数十件ととても多く、送られてくる求人票全てに目を通して自分の条件に合っているかを判断するだけで大変な労力となりました。
更に、量が多い割には自分に合った求人票は少なく感じ、やや飽きっぽい自分にはなかなかにハードな作業が続きました。

(株)エリートネットワークでの転職活動

エリートネットワーク様とは学生時代の知人から紹介してもらったのがご縁となり、登録後、早速面談をセットしていただきました。
面談では転職理由や自身の希望条件から、転職活動の方向性を具体化していただきました。
私はやはり化学系の業務に就きたいとの気持ちがあったので、新卒で希望していた大きなものづくりについては、今回は優先順位を下げ、化学メーカーの研究開発職にフォーカスして進めることにしました。
また、可能であれば出身で地縁のある関東での勤務も希望しました。
今思えば欲張りセットみたいな条件で依頼していました。

これが最も驚いた点でしたが、求人案件の紹介の方法が、1社目の転職サイトとは全く異なったことでした。
てっきり、1社目のサイトと同様に、送られてくる求人票を自分自身が確認して捌いていくものだと思っていましたが、エリートネットワーク様では希望条件に合う候補企業を、私の意見も入れつつリストアップしていただき、現時点での企業からの求人案件の有無に関わらずリストの企業全てに声を掛けて下さったのでした。
リストアップされた企業はどこも名の知れた大企業で、新卒の時に検討していたような企業ばかりだったので、私としてはこんな企業に行けるなら何も文句はないとの喜ばしい気持ちと、本当に面接依頼が来るのだろうかという不安な気持ちが相半ばでした。

鉄鋼メーカーの生産技術職を、研究開発職として採用したいという化学メーカーなんてあるのだろうか?
そんな不安をよそに早々に会ってみたいとの返事が届きました。
返事を下さった化学メーカーは様々な製品を世に送り出しており、分野を跨いで多様な知見・技術を持っていることは容易に想像できました。自分が学生時代から持っていた、1つの軸を据えて周辺分野に触れていくスタンスがここなら実現できるのではないかと考えました。
そうして私の最初の面接がセッティングされました。

1次面接は短時間で済み、無事通過しました。
2次面接は、自身の学生時代の研究テーマを紹介するという内容でした。
新卒の就職活動から3年近く経ち、久々の発表でうまく説明できるのか、そもそも研究内容自体の記憶が曖昧になってないか、といった不安がありましたが、資料を見返すとブワッと瞬時に当時の記憶が蘇り、やはり自分は化学をやりたいんだな、と気持ちを再確認することができました。
万全を期して迎えた2次面接は大変盛り上がり、研究内容に関する質問が止まらずに予定時間を延長していただきました。
こういったことができるのではないか、ここをこう工夫できたらもっと面白いものができるのではないか。
頂いた質問の数々は学生時代の研究室での議論を思い出すものでした。途中からは面接の場であることを忘れ、討論会で説明しているかのようでした。

また、エリートネットワーク様のオフィスでの面接練習も大変心強い味方でした。
模擬面接や予想される質問リストとその回答を一緒になって考えていただきました。
当日の面接の場では事前に予想していた質問も実際に数多くされ、余裕を持って答えることができました。

その後大変ありがたいことに、この化学メーカーから内定を頂くことができました。
職種は希望していた研究開発職で、勤務地も希望通りでした。担当分野も大学時代と同じ無機化学関連であり、この上ないポジションを用意していただきました。更に約1年半と短いながらも前職での経験も評価していただき、大変な好待遇を提示していただきました。
何一つケチのつけようのない、私にとっては最高と言っても差し支えない、全ての条件を満たした満足のいく転職活動となりました。

転職を通じて気づいた点

転職活動を進めていく中で、自分では気が付かなかった視点からの評価や、ステップアップのために必要となる点を実感することができました。
特に面接中での質問にはハッとさせられることも多くありました。
社内では遅々として進まない業務だと感じていたことでも、社外からはこういった点を評価してもらえるのか、と自信になる面もありました。採用するかを決定する面接の最中ではありましたが、社会人として今後のキャリアを考える上で大変勉強になりました。
これは社内で業務に当たっているだけではなかなか気づけない部分であると思います。
例え転職せずに残る選択をした場合であっても、新たな視点を持って業務に当たることができ、決して無駄な経験にはならなかったことでしょう。

終わりに

今回の転職活動は3カ月足らずの大変短い期間の出来事でした。1つとして欠かすことのできない、素晴らしいご縁、巡り合わせの連続があってこその今回の転職活動であったと思っています。
エリートネットワーク様でなければ、今回の企業との巡り合わせはなかったことでしょう。
次の企業での新たなご縁も大切にして、精一杯頑張ろうと思います。

この『転職体験記』をお読みになっているのも何かのご縁でしょうから、ここで転職活動へ向けて一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

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