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モノづくりのスキルを活かし、自動車部品メーカーから電子部品メーカーへ転職

モノづくりのスキルを活かし、自動車部品メーカーから電子部品メーカーへ転職

No.1361
  • 現職

    東証プライム上場 総合電子部品メーカー 通信機器事業本部 CAE解析

  • 前職

    大手自動車部品メーカー CAE推進部 CAEエンジニア

池内 信弥 氏 30歳 / 男性

学歴:私立 修道高等学校 卒
東北大学 工学部 情報知能システム総合学科 卒
東北大学大学院 工学研究科 応用物理専攻 修了
小型船舶免許2級

新卒時の就職活動に対する考え

私は学生時代に生物物理学を専攻し、主に生物の実験観察の日々を送っていました。新卒時の就職活動では、自分の専攻からは少し外れていましたが、元々モノづくりに興味があったことでメーカーへの就職を希望していました。加えて、学生時代に研究で関わった先生がシミュレーション技術を用いた生物研究をされており、物理現象を論理的に解明する様子に憧れを抱いた経験から、「シミュレーション技術を活かした製品開発」を仕事にしたいと思うようになりました。そういった希望から、新卒採用では主に自動車・タイヤなどの業界をはじめとした材料・部品メーカーにエントリーしていました。

その後、前職である自動車部品メーカーから内定を頂き、入社に至りました。入社の一番の決め手としては、面接の段階から自分のシミュレーション業務への希望を伝えることができ、また、面接官からもポジティブなフィードバックがもらえたため、入社後もやりたい仕事ができそうだと感じたことでした。

前職での担当業務、実務体験

入社後は就職活動時の希望通り、社内製品のシミュレーション解析業務を担当する部署の配属となりました。入社当初は、学生時代の経験から「シミュレーション」と聞くと、CADデータなどをもとにした三次元シミュレーションのイメージが強かったのですが、実際に自動車業界で求められるシミュレーションについて理解が進んでいくと、イメージしていたような三次元シミュレーションだけでなく、実験式や古典的な物理式を組み合わせたプラントモデルを用いたシミュレーションのニーズも多くあることに気づかされました。むしろ、最近の自動車業界ではシミュレーションを用いたデジタル開発は当然として、より効率的な計算手法の確立や大規模なプラントモデルを使った計算、緻密な制御の提案などが大きなトレンドであることを知ることができました。

私の配属された部署は、社内のシミュレーション技術開発を一挙に担う部署だったので、入社3年目までは、当初イメージしていたような三次元シミュレーションをはじめとして、社内でニーズの増加していたプラントモデル開発やプラントモデルを使った社内製品のシミュレーションにも携わることができました。加えて、入社3年目からは、社内ではまだまだ新しい領域だった製品設計の最適化業務や海外拠点への解析業務の移管など、これまでの開発・解析業務をより効率的に解決するための取り組みにも挑戦することができました。

転職に至ったきっかけ・理由

社内のシミュレーション業務にも一通り携わることができたこともあり、これからは、社内で試作試験や制御の組み込みなど実際のモノづくりに関連した業務にも挑戦していきたいと考えるようになりました。しかし、会社は新型コロナウイルスと半導体不足の影響を受け業績が大きく悪化し、大規模な開発費削減が掲げられたことにより、社内で新しい業務に挑戦することが一気に難しくなりました。
このとき、私はまだ30歳を迎えたばかりで、今後も変化が求められるモノづくりの業界で生き残っていくために、新しい知識やスキルを身に付けることを第一にしたいと考えていました。そのため、社内で「新しい業務に挑戦する環境がなくなった」と感じたことが、一番の転職を考えるきっかけだったと思います。加えて、今後の生活面を考えても、業績の安定しない前職の会社に残り続けることは、やはりリスクが大きいと感じたことも転職に踏み切った理由でした。

転職活動でこだわった点、こだわりを捨てた点

転職活動を進めるにあたり、こだわったのは以下の3点です。
① これまでのシミュレーション業務経験を活かした仕事ができる
② シミュレーションだけでなく実際の製品に近い環境で働ける
③ 年収は現状より落とさない

私は、将来的にモノづくりの企画から試作までを一手にこなせるエンジニアになりたいと考えていたので、特に①と②の業務内容・環境についての項目に最も重点を置いていました。年収面については、それほど重要視していませんでしたが、将来のことも考え、現状より落とさないことは最低限のこだわりとしていました。
一方で、私の前職は自動車業界でしたが、どの業界で仕事をするかよりも、製造業を支える技術や知識を身に付けることに重点を置いていたので、業界に対する大きなこだわりはありませんでした。

転職活動で感じたこと・反省点など

転職活動をして良かったと感じた点は、自分のやりたいことや強み・弱みについて再認識できたことです。私の場合は新卒採用から5年ほど経っていたので、この5年間で身に付けた専門性やスキルを改めて振り返ることで、自分の強みがどこにあるのか、どんな仕事に向いているかなど、改めてじっくりと考えることができました。また、転職活動はこれから先の人生でどういうキャリアを積んでいきたいかについても考えるきっかけになると思うので、そのような点を意識して面接に織り込めば、単に職場を変えるだけでなく、良い節目を迎えられるのではないかと感じました。

逆に、反省点としては、はじめの頃はどうしても求人票だけで自分に合っているかを判断してしまい、なかなかエントリーに踏み切れない時期があったのですが、企業によっては面接中や内定後にフランクに会話する時間も取れたりするので、エントリーはもっと積極的に出しても良かったのかなと感じました。また、転職活動を始めたころは、他社の転職エージェントも同時に利用していましたが、複数エージェントから同じ求人を紹介されることも多く、エージェントとの面談回数だけ増えてしまったので、早い段階で1社に絞ったほうが負担も少なかったかなと思いました。

転職活動の進め方

私が(株)エリートネットワークを知ることになったのは、たまたま転職サイトを通じてメッセージを頂いたのがきっかけです。そのメッセージを通じて、転職カウンセラーの山本さんと面談することになりました。この時、私は他にも数社の転職エージェントとやり取りをしていましたが、その中でも特に親身になって話を聞いて頂いたと印象に残っています。他社エージェントの場合は、最初に電話面談を済ませてしまえば、あとは応募サイトなどに案内され気になる求人があれば連絡するだけ、といったところがほとんどでしたが、エリートネットワークさんの場合は、一回目の面談が終わった以降も、求人の詳細や何故その求人を自分に勧めているのかまで電話面談で伝えて頂きました。お陰で、求人票を読んだ時点では「自分にマッチしないんじゃないか」と思っていた企業でも、考えが変わってエントリーさせて頂いたこともありました。

エントリーシートや面接については、エリートネットワークさんではシート提出や面接前のタイミングで、書き方チェックや面接練習も対応してくださったので、安心して面接に臨むことができました。印象に残っているのは、面接練習なども含め、山本さんとの面談は毎回web会議で行われたことです。他社のサービスでは、お互い顔を合わせることなく電話だけで面談することがほとんどでしたが、山本さんとはweb会議で顔を見ながら相談できたので、相手をより身近に感じることができました。

その後、転職活動も終盤に入り、最終的には2社からの内定を頂くことができました。どちらの企業に入社承諾するか、これまで以上に悩みましたが、最終的には元々のこだわりであった、入社してからの業務内容や新しいことに挑戦することができるか、といった観点で比較して決めました。正直、どちらの企業でも、これまでにない挑戦的な業務ができそうだと感じていましたが、入社を決めた企業は、前職とは業界が異なることから、専門性やスキルだけではない新しい経験ができそうだと感じたところが最終的な決め手でした。

次の転職先への意気込み

今回の転職活動を通じて、自分の希望を十分に叶えることのできる会社に入社することができました。また、本当に転職するのか、どの会社に転職するのかを選択するにあたり、現状で最も納得のいく選択ができたと感じています。今後は、新しい業界、会社での再スタートとなりますが、決断を下した時の気持ちを忘れず、前職の業務経験を活かしながら、新しいことへのチャレンジを続けていきたいと思っています。

転職活動を進めるにあたり、現在勤めている会社を去るのが心苦しい方もいらっしゃるかと思います。私の場合も、現状の会社の業績悪化はありましたが、今後それが回復する可能性もありましたし、5年間勤めた会社から退職することに少しの寂しさ・心残りがありました。もしかすると、定年まで勤めあげればとんでもない業績を達成するかもしれないですし、来年には会社がなくなる可能性もゼロではありません。ただ、実際どうなるかは誰にもわかりません。転職活動中、私は「現状で少しでも納得できる選択をする」ことを心がけていました。そうして下した決断であれば、たとえ良くない結末に終わっても納得して次に進めると考えていたからです。もし転職活動を始めるかどうか悩んでいる方がいらっしゃれば、まずは「自分にとって納得できる選択は何か」を考えることから活動をスタートしてみても良いかと思います。

最後に、転職活動を最後までサポート頂きました山本さん、エリートネットワークの皆さまに改めて厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

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