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証券会社のリテール営業マン、ネット企業への転職

証券会社のリテール営業マン、ネット企業への転職

No.757
  • 現職

    マザーズ上場 結婚式場・結婚準備の口コミサイト運営企業 法人営業職

  • 前職

    一部上場 日系証券会社 地方支店   リテール営業職

中居 紀彦 氏 25歳 / 男性

学歴:成城大学 経済学部 経営学科 卒
証券外務員一種
生命保険募集代理人 一般課程・専門課程・変額課程

・新卒での就職活動時代

「何故、貧しい人とお金持ちの人がいるんだろうか?」 小さい頃からの疑問だった。それは母子家庭で育った母親の貧しかった頃の話を聞いていたから。一方で、本当のお金持ちの存在を大学生の時に知った。成城学園前に住んでいたから。自然と金融業界を志望するようになり就職活動を迎えた。証券会社を志望した理由は [1]お金持ちの人と直接取引きができること [2]生保・損保と比較し自由度が高く、幅広い提案ができること。

あっさりと内定をもらい一部上場の証券会社に勤めることになった。
体感的だが、金融業界の入り口はとても広いと思う。理由として、採用人数が他の業界と比べ圧倒的に多いから。その中でも証券業界は大量に辞めていく人間がおり、学歴も一切関係ないので、とても内定をもらい易い。

・入社

入社してからの2ヶ月間は研修センターで経済全般に対する知識や考え方、また社会人におけるマナーを学んだ。研修の日々はとても充実していた。私は寮生活だったが、同期は色々な人がいて面白く、ご飯を食べに行ったり、飲みに行ったり、遊びに行ったりと今でも同期と連絡を取り合う。また、経済学に詳しい同期からは刺激をもらった。
そして研修を終え、配属先が決まった。私は大学入学を機に上京したのだが、地元に戻ることとなった。

証券会社に対してどういったイメージをお持ちだろうか? きっと多くの人間は 「株」 を連想するだろう。それもカッコ良い姿を。私もそういったイメージをしていたし、だからこそ配属初日は期待で胸が一杯だった。 「きっと先輩・上司はでっかい金額の株の売買をしている」 と。
だが、その期待は早々に裏切られた。伸びない収益、約定が決まらない現実、面前で罵倒する上司、雰囲気の悪い支店、その現実に圧倒され、「これが現実なんだ」 と思い知った。今でも配属初日の光景を鮮明に覚えているし、一生忘れることはないと思う。

証券営業はコンスタントに数字を出し続けることを求められる。いわゆるストイックな仕事だ。また、1〜3年目の社員は若手という括りで呼称されるのだが、主に新規開拓=飛び込み営業に従事する。この飛び込み営業が嫌で辞める人も多い。私は入社する以上は新規開拓を頑張ると腹を括っていたので抵抗はなかった。毎日最低100件以上電話 (多い時は300件) をし、見込みのお客様を作り、飛び込み営業をした。そして、配属から1週間後に初めてのお客様ができた。「同期の中で一番最初に開拓をする」 と決めていたからだ。また、2人目のお客様もすぐにできた。その頃には、日に焼けて顔が真っ黒になっていた。

だが、仕事に慣れてきた8月に支店同期の一人が辞めた。同期の退職第一号だった。彼は手数料稼ぎの現場に不満を抱えていた。また、その時期から少しずつ同期が辞める情報を耳にするようになった。私は2年目の7月中旬に退職したのだが、それまでの間に総合職・エリア営業職合計100人近く辞めたと思う。参考になるか分からないが、証券会社を辞める人間 (リテール営業) の共通する特性を挙げておく。

・辞める社員は優秀な人間か仕事ができない人間
多くの優秀な社員は辞めていった。理由を考えると証券のリテール営業は特殊な仕事だからだと思う。海外で採用された人間は3人いたのだが2ヶ月以内に2人辞めた。当たり前だが、仕事ができない人間は先輩・上司に詰められ辞めていく。よく証券会社=詰める文化と言うが、簡単に言うと上司・先輩にネチネチうるさく怒られるということである。机を蹴ったり、大声でヤクザみたいに怒鳴る人間もいる。

・お嬢様・お坊ちゃんタイプの人間
体育会系の人間が非常に多い。そういった環境が合わない人間は辞めていく。育ちが良い人、品の良い人と言うと分かり易いと思う。私の後輩は配属されて1週間後に辞めた。最短記録だそうです。

・バカになれない人間
電話営業では声が大きくないと怒られる。理由を聞くと、大声でセールスしたら数字が取れるからと言っていた。私は懐疑的だった。お客様の属性と商品の特性が合致し、お金の余力があり、論理的に商品説明さえすれば買って頂けると考えていたからです。

・純粋な手数料稼ぎに賛同できない人間
例えば、投信乗り換えが良い例。投信乗り換えとは、Aという投信を売却しBという投信を買い付けることで、手数料は株が約1%なのに対して投信乗り換えは約3%だ。つまり、株と比べ3倍もの手数料が手に入ることになる。メリットはほとんどありません。この投信乗り換えは今後規制が厳しくなっていくと思う。なぜなら日経新聞や日経ヴェリタス、金融庁からも指摘を受けているから。そして、証券会社の収益の大部分が投信乗り換えで成り立っており、(銀行もしています) 証券会社の置かれている環境はより厳しくなっていくと思う。

・そして、1年3ヶ月での退職

この仕事のやり甲斐は、 [1]お客様の大金を一本の電話で動かせること [2]リテール営業の特性上、好きなお客様ができること。 私はこの2点があったので頑張ってこれました。「この仕事には夢がある」 と言っている社員もいた。それは、たった一本の約定・たった一人のお客様で年次・役職関係なく一気に先輩社員を追い抜かせることがあるから。確かに、私自身も大きな約定を決めた時はとても気持ち良かった。

しかしながら、絶対できない数字を 「できます」 「やります」 と言わせる会社、例え白いモノでも上が黒と言ったら黒と言わなくちゃいけない組織、ストレスや過労で体調を壊す社員が多い環境、これらにずっと疑問を抱いていた。2年目社員になり1年間を振り返った際に、そういった環境に慣れてしまっている自分が恐ろしくなった。
また、内部のシステム変更や証券会社が置かれている状況を考えると、将来的にこの業界は先細ると考えた。そして、私はこの会社で仕事を続けてもこれ以上得るものがないと判断し、2ヶ月掛かり退職した。

・転職活動

精神衛生上、在籍しながらの転職活動が良いに決まっているが、私の場合は地方の支店ということもあり、また土日も仕事をする時があったので、一旦退職をせざるを得なかった。現に辞めていった先輩もそうだったから。退職し、新卒の時と同じくリクナビNEXTとマイナビ転職に登録した。だが、良い案件がなく、自分で情報収集するのにとても苦労しており、行きたい業界も漠然としていて日が経つにつれ不安になっていった。

そうしたタイミングで電話が掛かってきた。(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの杉本さんからだった。上京して転職活動をすると決めていたので、カウンセリングのアポを取った。実際に杉本さんにお会いしてみると温厚な方で、転職市場のこと、面接でのポイント、私という人間を深く掘り下げて理解して下さり、杉本さんにお世話になろうと思った。

しかしながら、私は内定が決まるのに3ヶ月も掛かった。本音では長くて2ヶ月以内には決まるだろうと踏んでいたし、こんなにも長い期間が掛かるとは想像もしていなかった。今振り返るとその理由が見えてきたので、いくつかのポイントに分けて説明したい。

[1] 「何故その業界なのか?」 「何故この仕事なのか?」
転職活動の軸ができていなかった。いわゆる自己分析です。軸で言うと、業界や仕事内容、規模感、将来のヴィジョンなど様々あると思うが明確でなかった。これがいけなかった。最初、ネット広告やコンサル、玩具メーカーなどを受けていた。それも 「なんとなく良さそう」 という感覚で。選考がなかなか進まず、杉本さんにもう一度じっくりカウンセリングをして頂き、ITベンチャーとソーシャルゲームを中心に受ける方針に絞った。自分が大切にしてきた価値観や考え、好きなこと、これからどう在りたいか? を中心に考えると良いと思います。

[2] 等身大の自分で面接をしていなかった。
本当にこれに尽きると思います。変な話だが、私は優等生を演じ過ぎたのかもしれない。自分自身をあまりにも着飾り過ぎて、私という人間が面接官に見えていないという指摘を杉本さんから受けた。「等身大の自分で」 「本音ベースで」 「ハキハキと」 杉本さんがいつも言われるこの3点を常に意識するようにしたら不思議と選考がスムーズに進むようになった。当たり前のことだが、若くして転職する人は 「元気さ」 も必要だと思う。私自身も25歳だし、今までのキャリアを生かすには浅過ぎるからだ。私は会社近くになったらテンションを高めて 「元気良く」 行くようにしていた。

[3] アウトプットができていなかった。
私はインプットはとても得意で、受ける業界の本は必ず購入し、インターネットで徹底的に調べ上げていた。しかし、上手く選考が進まない時は調べてきた内容を受け売りで言葉にしているだけのことが多かった。「自分の言葉で」 という助言をよく耳にすると思う。それは自分がその会社を見てどう感じ取り、どう考えたのか? だと思う。私はこれができていなかった。「感想」 と 「意見」 は全く違います。その後、意見をきちんと伝えるようにしたら上手くいくようになりました。

・転職活動を終えて

恥ずかしながら、私は転職エージェントというシステムがあること自体を全く知らず、新卒と同じく自力で転職しようと考えていました。しかし、ネット上の何らかのご縁で(株)エリートネットワークと出会い、杉本さんにお世話になろうと思いました。今ではその決断が本当に良かったと思っています。
職を変えるということは人生におけるターニングポイントだと思います。先日、テニスの錦織圭選手が全米オープンで日本人初の決勝進出を果たしました。それに伴いマイケル・チャンというコーチが注目されるようになりました。たった一人のコーチ (パートナー) でこんなにも結果が違うのです。
「誰と転職活動をするのか?」 これはとても重要なことです。私は転職カウンセラーの杉本さんにお世話になり本当に良かったですし、本当に感謝しています。時には厳しいことも言われましたが、全て自分のためでした。

杉本さんをはじめ(株)エリートネットワークの社員の皆様、本当にありがとうございました。

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