企業インタビュー

三井倉庫株式会社 企業インタビュー

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倉庫事業、港湾運送事業、海外事業という3つのビジネスを柱として、1909年の創業以来、時代の変遷の中で常にお客様のニーズに対応したサービスを提供し続けている三井倉庫株式会社。今回は、人事部長の寺田 幸弘氏にお話を伺い、100年を超える同社の沿革と事業の特徴、独自の優位性を確立する新しい物流サービスの展開、また社員に受け継がれる三井倉庫(株)のDNAや求める人材像等についてご説明頂きました。

初めに貴社の沿革を概観して頂き、事業の特徴をご説明下さい。


企業管理部門 人事部長 寺田 幸弘氏

当社は、三井銀行の倉庫部が独立し、1909年 (明治42年) 10月に東京・神戸・門司に事務所を設置して 「東神 (とうしん) 倉庫株式会社」 として事業をスタートしました。その後、1942年 (昭和17年) に社名を 「三井倉庫株式会社」 に改称しました。
事業の柱は大きく3つあり、まず、自社の倉庫にお客様の荷物をお預かりする 「倉庫事業」 、日本の港で輸出入貨物の受け渡しを取り扱う 「港湾運送事業」 、そして自社で船舶等は持たずに貿易・物流等を担う 「海外事業」 を展開してきました。

倉庫事業は、荷物を安全確実に保管する機能だけでなく、顧客企業のニーズに合わせて、在庫管理から検品・仕分け・包装、発送業務、受発注データの管理まで、物流全体を総合的にカバーするサービスを展開しています。
港湾運送業務は、従来は船にバラ積みされた荷物を沖仲士が担いで荷揚げするスタイルでしたが、米国のシーランド社が開発した鉄製コンテナの台頭によって、1965年(昭和40年)頃を境にコンテナ輸送へと変化していきます。当社は日本で初めてシーランド社と代理店契約を結んでおり、日本で最初にコンテナを扱った倉庫会社と言われています。
海外事業については、1972年 (昭和47年) に香港に合弁企業を出店し、ここを起点として、世界各地に海外拠点ネットワークを拡大して参りました。
そして1986年 (昭和61年) からは、個人のお客様向けの新事業として、トランクルームと引越サービスを開始しています。

更に2006年 (平成18年) から、顧客企業の物流の周辺にある様々な業務を代行するBPO (Business Process Outsourcing) サービスを、業界に先駆けて本格展開しました。2009年 (平成21年) には、お客様の物流業務の全部または一部を包括的に受託し、改善提案を積み重ねていく3PL (Third Party Logistics) サービスを本格的に開始しています。更に現在、BPO と 3PL を融合する形で、温度管理等の専門性の高いノウハウが求められる医薬品分野に於いて 「ヘルスケア物流」 に注力しています。

長い歴史を踏まえ、貴社は現在どのような戦略で市場優位性を確立されているのでしょうか。

倉庫業大手の事業モデルは基本的に似通ったものですが、競合企業間での安易な値下げ合戦を回避し、あくまでもサービスの内容、また取り扱う荷物の種類において当社独自の強みを発揮し、市場における優位性を確保してきたいと考え、取り組みを続けています。
そのため当社では、社員の誰もが 「お客様が求めておられる事は何か」 を一貫して追求してきました。今や物流業界の大きな潮流である BPO にしても、3PL にしても、お客様の潜在ニーズを営業担当者が一つ一つ発掘し、個別に提案を積み重ねる中から普遍的なニーズを掴み、他社よりも早い段階でのサービス化を実現しています。

例えば、ドキュメントイメージング事業に注力するグローバル企業において、図書館の蔵書や過去の新聞などを読み込み、データベース化する事業構想があるとの情報をキャッチし、 「形のない電子データをお預かりする」 と言う当時はまだなかった斬新なサービスの芽が生まれました。更には紙の情報をデータ入力する付帯業務にも参入しようとの発想から、お客様の業務を丸ごと代行する BPO サービスが誕生しました。


「当社では ”お客様の求めておられるもの” をいち早く察してサービスに繋げています。」

現在、BPO のメイン業務は 「書類保管」 であり、金融機関からサービス業まで、様々なカード発行に際して消費者が記入した申込書等を電子データ化すると共に、紙の書類を全て倉庫でお預かりしています。個人情報が満載のこれら保管書類は、法律が定める保管期限を過ぎたら、倉庫内の専用設備で粉砕・溶解処分することで情報資産の安全且つ適切な管理を徹底しています。このように顧客企業の本業に付帯し、人と時間、設備が必要になる周辺業務を代行しているのです。

3PL 事業については、自社の倉庫設備の使用を前提とせず、全国の物流事業者とフレキシブルに提携し、顧客企業に対して最適な物流サービスを提供するという発想で展開しています。三井倉庫(株)がこれまでに培ってきた信頼をベースに、幅広い業界の SCM (Supply Chain Management) を支えるロジスティクス業務を包括的に設計・提案・改善しています。
また、取り扱う荷物の種類による差別化戦略では、医薬品の物流を担うヘルスケア物流に注力しています。当社では、医薬品の中でも治験薬に特化した物流ネットワークの確立を目指しており、専用に開発した輸送容器 「Medi Cube」 による薬品ごとのきめ細かい温度管理や、医薬品専用の倉庫施設を活用し、輸入通関から全国各地にある病院等の治験施設への配送に至るまで、専門的なノウハウが求められる治験薬のサプライチェーン・マネジメントを支えています。既に治験薬物流における当社の実績は業界で認知され、製薬会社や CRO (医薬品開発業務受託機関) から業務を受託しています。

海外事業に関する戦略には、どのようなものがありますか。


「当社の事業をプラットフォーム化することにより、 ”行列のできる倉庫屋” を目指しています(笑)」

中国を含めた東南アジア各国には、まだまだ物流ビジネスの未開拓領域があり、これまでは都市と都市、すなわち “点と点” を結ぶ物流であったアジアパシフィック地域で、国ごとによりきめ細かい物流ネットワークを構築し、“面と面” を結ぶ物流を実現すべく、積極的な設備投資を実行しています。
当社は、既にタイ、インドネシア、マレーシアに自前の倉庫設備を持っていますが、更に現在、インドネシア (ジャカルタ他) 、タイ (バンコク近郊) 、中国 (上海) 、韓国 (釜山) に新しい物流施設を建設中です。現在、アジアパシフィック地域には幅広い業種の日系企業が進出を図っており、それぞれの地域の市場特性を踏まえた最適な物流ソリューションの提案が求められています。

また、当社はプラットフォーム型サービスの開発と展開に取り組んでおり、一連の直接投資によって、各地域の多様な物流機能をサービス基盤として活用し、将来的により多くのお客様が当社のサービスプラットフォームを進んでご利用頂けるようになる事を目指しています。

毎年コンスタントに新卒採用を実施され、且つ人材の定着率も高い貴社が、中途採用に注力される理由についてご説明下さい。

昨今は事業を取り巻く環境変化が速く、当社の人材ニーズも絶え間なく変化しています。その一例として、顧客企業のグローバル戦略に伴い、アジア市場における物流サービスの拡充が急務となっています。例えば海外で複数の物流施設を立ち上げるとなれば、企画・設計やベンダーコントロールを担う建設系の人材が必要になり、社内の人的リソースだけではどうしても限界があります。
また、スピード感を持ったグローバル拠点の運営のためには、特定の国や地域でのマネジメント経験を持った人材の中途採用ニーズが浮上するケースもあります。更に今後は、海外拠点のマネジメントを任せる事までを視野に入れ、各国ローカル人材の採用・育成にも注力していかなければなりません。

また当社では、組織の活力を高めて社員が常に新しい発想で仕事に取り組めるよう、継続的な組織改編を実施しています。新しい組織体制の下で業務が細分化され、仕事の専門性が高まると、各セクションで人材が不足がちとなり、新たな採用ニーズが発生します。
例えばヘルスケア物流の強化に伴って、医薬品の安全管理を始めとする専門的な業務を担う薬剤師等のスペシャリスト採用のニーズが高まるといった様に、事業・サービスの新しい局面ごとに、それまで社内にはなかった業務を担う人材が必要になってくる訳です。

貴社で活躍されている中途採用者には、どのような共通点がありますか。


明治33年頃に建設された小野浜倉庫 (神戸) で実際に使用されていた歴史ある鬼瓦。

いずれの人材も特定の業務において専門性を発揮するという期待役割に加えて、当社での将来的なキャリアを俯瞰した場合には、総合職として様々な業務に就いて手腕を発揮して頂く事も想定しています。ですから、“業務” で入社するのではなく、 「三井倉庫という会社に総合職の正社員として入社する」 という意識を持って頂きたいと思っています。

仮に、前職での海外勤務経験を買われて、当社の海外拠点の立ち上げメンバーとして抜擢され、赴任したグローバル人材がいたとします。彼は2年間の赴任期間に、その国の市場特性を踏まえた物流ネットワークを築き上げ、日本流の経営スタイルをローカルスタッフの間に根付かせ、若手の育成にも手腕を発揮して、拠点の経営を軌道に乗せる事に成功しました。
当社は、もちろんグローバルビジネスを動かす彼の手腕を高く評価致しますが、人事部としては、次は従業員への指導・育成を含む組織マネジメントの手腕を国内の大規模な物流拠点の運営に活かして欲しいと考えるかもしれません。その時、地方にある当社の倉庫に責任者として赴任して、ヘルメットを被って現場の指揮をとる仕事を彼はどのように受け止めるでしょうか。
自分は語学力を活かしてグローバルビジネスをやるために入社したのだから、国内業務はイヤだと後ろ向きに捉えるのか、それとも当社が収益を生み出す原点である倉庫の現場をどこまで改善できるか、自らの新しいキャリアへの挑戦を面白いと受け取れるか。当社に転職して早い段階から頭角を現し、且つ長期に亘ってキャリアを発展させていく人材は、勿論後者になります。

中途採用で入社し活躍されている方々の専門領域は多岐に亘りますし、各自性格や業務スタイルも人それぞれです。もう一つ共通点を挙げるとすれば、それは誰もが組織に融け込んで仕事をしていると言う事です。一見一匹狼のような雰囲気の高いスキルを持った人材でも、よく見ると周囲の人の話をよく聞き、組織の和をとても大切にして仕事をする姿勢を大切にしている事が分かります。
当社には 「自分が、自分が!」 と周囲を押しのけて主張するタイプはあまりおらず、社外・社内を問わず仕事で関わる人の気持ちを思いやり、人のことを深く考える社員が多いのです。そうしたカルチャーの中では、キャリア採用の人材であれば尚更、周囲の組織に融け込んで仕事をしていく姿勢は不可欠であると考えています。

寺田様は営業畑で長くキャリアを築いてこられたと伺いましたが、貴社の営業職に必要な資質についてどのようにお考えですか


「本船監督をしていた頃は、実際に自分でもヘルメットを被り、最前線の荷役の方々とコミュニケーションをとったり、大型貨物船の船長と折衝をする等、積極的に現場へ出向いていました。」

先に申し上げましたように、 「お客様が何を望んでおられるか」 を察知し、行動に移す能力はとても重要だと思っています。お客様自身がまだはっきりとは言葉に出来ないニーズを正確に掴み、こちらから先んじて解決策を提案していく事ですね。

当社の営業社員には、伝統的に 「お客様のために何が出来るか」 を考える姿勢が根付いている様に思います。私自身の20代を振り返ってみても、特にこれといって教育されたとか、先輩に厳しく叩き込まれたといった記憶はありませんが、気が付くと自然にそうした営業スタイルを実践していました。
30歳を目前にして、私は神戸支店から横浜支店に転勤になり、営業課で倉庫事業の営業を担当しながら、輸入貨物の本船監督業務に携わっていました。ウッドパルプという紙の原料をバラ積みした船の担当で、積み荷を安全且つ迅速に荷揚げして倉庫に入れ、各製紙会社にお届けするまでの港湾運送業務を監督する仕事です。ところがバラ積み船の場合、航海の途中で天候が荒れて船が揺れると、積み荷のウッドパルプが擦れてダメージを受け、一定量は紙の原料として使用不能になってしまいます。
私は、どうしたらこのダメージを最小化できるか、荷主である総合商社に成り代わって損傷の度合いをチェックしたり、船倉への荷積みの改善方法を提案したりしました。
これらの業務は、本来は荷主や船会社の領域ですが、そこまでやることが当社のこだわりであり、営業である私のセールスポイントでもあると考えていました。実際にダメージを受ける原料が全体の20%であったのが10%になれば、それだけ荷主さんである総合商社の販売量が増えることになり、結果としてお客様の収益向上に貢献する事も出来ました。

こうした営業スタイルは、当社では誰もがごく普通の事として日常的に実践しています。お客様が何を求めておられるのかを掴み、それに対して自分は何が出来るのかを考え、率先して実行に移す。これは三井倉庫(株)のDNAとして受け継がれている営業姿勢であり、行動原則でもあると思います。

寺田様は 「倉庫事業」 の面白さ、醍醐味はどのような所にあると思われますか。

自社のインフラを活用して、広がりを持って新しい事業やサービスを企画展開できる所は、倉庫会社ならではの可能性であり、面白さだと感じています。

物流プレイヤーには様々な業態があり、運送会社もあれば、船会社も、航空会社もあります。トラックや船舶、航空機を保有する会社の場合、どうしても自社の輸送手段を使って荷物を運ぶ業務を中心にソリューションを考えてしまいがちです。それに対して倉庫会社は、倉庫を中心にお客様の物流の仕組み全体をゼロベースから自由に設計することが可能です。荷物の保管はお手の物ですし、陸・海・空を組み合わせて運送することも、物流とは直接関わりのない顧客企業の周辺業務までも幅広く代行する事も出来ます。
色々なビジネスの可能性を追求し易い立ち位置にある所が大きな魅力であると思います。

それを改めて実感したのが、私が本社の営業部にいた入社18年目の頃です。当時はBPO の本格展開を控え、当社が様々な新サービスを形にしていた時期であり、我々営業部隊は、お客様のニーズを起点にあらゆる提案営業を積極的に展開していました。
私はそこで通販業務を企画提案する機会を得て、当社の倉庫を商品の配送センターとして使い、日本郵政様と提携して 「ゆうパック」 で戸別配送するプラットフォームを構築しました。当社はそれまで小麦やトウモロコシ等の食糧や化学品原料や食品原料等の単品で大量の貨物を扱うことが多かったため、一つ一つの商品サイズが小さく、種類も多い通販商品の仕分けや梱包のオペレーションを運用するのには想像を超える苦労がありました。
しかし、その時に通販用に改良を重ねた倉庫システムや現場で培った検品ノウハウは、その後、当社が提供する物流情報システム 「通販トータル支援システム」 を開発する礎となりました。

最後に、貴社を志望する方や、潜在的な候補者へメッセージをお願い致します。


「人との ”和” を大事にし、人のことを考えて働ける方を歓迎しています!」

人のことを慮る人が多い当社の社風を、別の言葉で表現すると、 「義理堅い人が多い会社」と言う事が出来るでしょう。自分から恩を売ることはありませんが、相手に何かして貰えたら、こちらも何かお返ししなければ、と思う人が多いです。
そのせいか、仕事においても、お客様に頼まれると採算を度外視した仕事を受けてきて、 「今回は儲からない仕事だけど、何とか頼む」 と社内に依頼する営業担当も少なくありません。いつもそうだと経営上は困った事ですが、私自身も多かれ少なかれ義理人情を大切にする営業マンでした。ただ、信用を重んじ、義理堅い付き合いを継続していると、長い目で見れば決してトータルでマイナスになることはありませんでした。また、私が30代の頃に付き合っていたお客様の多くは、今では企業の重要なポストに就いておられ、仕事上の直接のお付き合いが無くなった今でも、気軽に電話が来たり、たまに飲みに行ったりと、そうした人間関係は、自分にとって得難い財産であると感謝しています。

倉庫事業は、物流施設や情報システムの進化に支えられる装置産業の側面がありますが、現場を動かすのは常に ”人” であり、人間関係が重要な意味を持つ業界です。縁あって当社の一員となった方が、長期的な視野を持って総合職としてキャリアを発展させながら、人を思うプロとして、物流ビジネスの新しい可能性を拓いて頂ければと願っています。

本日はお忙しい中、長時間に亘りご協力頂き、ありがとうございました。

三井倉庫株式会社
設立
1909年 10月 11日
資本金
111億0,071万円
従業員数
830名
本社
東京都 港区 西新橋 3丁目 20番 1号
代表者
代表取締役社長 藤岡 圭
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
職業紹介優良事業者認定マーク
当社は、全国に約20,000事業所ある人材紹介会社の中で、厚生労働省が審査し、 わずか43社しか選ばれない「職業紹介優良事業者」に認定されています。
※平成26年(第一回認定):全国で27社のみ、平成30年:全国で43社のみ
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