企業インタビュー

シナジーマーケティング株式会社 企業インタビュー

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CRM (顧客関係管理) システムの提供を通して、4000社以上のマーケティング活動を支援する、シナジーマーケティング株式会社。独自のクラウドサービスで堅実な成長を続け、2007年にはJASDAQ上場、2010年には米大手セールスフォース・ドットコム社からの打診で業務提携を行うなど、業界のリーディングカンパニーとしての地位を築いています。 今回は、事業の原点や特徴、同社を取り巻く環境と今後の展望、そして、企業風土や求める人物像について伺いました。
【 谷井 等 氏 プロフィール 】
1972年、大阪で紳士服店を営む家に生まれ、"将来は自分の会社を作りたい"という志を持つ。 神戸大学経営学部在学時、阪神淡路大震災が発生。親友を失ったことをきっかけに、"やりたいことがあるなら今すぐやらなくては"と思うようになる。ほどなくして、日本で初めての学生ポータルサイトを開設。教科書販売なども手掛け、当時はまだ珍しかった学生起業家として注目される。
「君、この事業一生やるんか? 一生やれへんのやったら、人様に迷惑をかけるからやめなさい――」。とある起業家からの一言に納得し、大学生限りで会社を畳み、新卒でNTTに入社。安定した優良企業であると感じる一方で、ゆったりとしたペースに焦りを感じ、9か月で退職。しばらくして、実家の紳士服店で働きはじめる。赤字店舗を商品入替によって黒字化。更に、顧客データの活用によって売上を20%以上引き上げる。
NTT時代の同期とメーリングリストサービスを提供する会社を創業。紳士服店との二足の草鞋ながら、同分野で日本一となる。1999年のネットバブル時代、ベンチャーキャピタルからの出資を受けて株式会社化。上場を目指すこととなったが、世の中が見えてくるにつれ、迷いが生じる。アメリカの競合企業がYahoo! Inc.に買収されたのをきっかけに、大資本の傘下に入ってサービスの存続を優先させることを決断し、楽天(株)に売却。同時に、三木谷氏からの出資を受け、シナジーマーケティングの前身となる企業を設立。実家の紳士服店での経験から、顧客データの活用支援事業を始める。

まず始めに、貴社が手掛ける事業の概要をご説明頂けますでしょうか。


代表取締役社長 兼 CEO 谷井 等 氏

私達は、IT技術を用いて、クライアント企業様の販促活動 (マーケティング・コミュニケーション) のお手伝いをしている会社です。

“メールを送信した”、“この商品を購入した”、“アンケートへの回答があった”……、日々蓄積されるお客様とのコミュニケーションの履歴は、今や、企業が販促活動を行うにあたって最も重要な資産と言ってもいいでしょう。当社は、これらの膨大な顧客データを管理し、次の打ち手を導き出すことに専門特化したシステム (クラウドサービス) を提供しています。

ビッグデータという単語もなかった時代に、どうしてこの事業を手掛けようと思われたのですか。

この事業の原点は、実家の紳士服店で店を任されていた時の経験にあります。
売上アップのために様々な取組みを行う中で、飛び抜けて大きな効果が出たのが、顧客データの活用でした。
10時~21時まで開店している店でしたが、実際売上が上がるのは夜の3時間だけ。ですから、この時間帯をいかに効率良く使えるかが勝負です。お客様の少ない昼の時間帯に、店頭でパソコンに向かって一生懸命お客様とのコミュニケーション履歴のデータベースを作り、それを見ながらコツコツとメールを送ることを繰り返しました。

「ご注文のスーツが明日出来上がりますよ」 「ありがとう」 「そういえば、お買い上げ頂いたスーツによく似合うシャツが入荷しました」 「どんなん?」 「ブルーのストライプでボタンダウンの…」 「じゃあまあ、見るからとっといて」――。
これで、お取り置き一丁上がりです。スーツお渡しの時に一緒にお出しして、もしお買い上げ頂ければ、5分程度で追加販売ができたことになります。

こうしたメールを用いた販促で、売上は20%アップしました。一通100円はかかるダイレクトメールと違ってお金も殆どかかりませんし、その後の返信も頂きやすい。なんて幸せな方法なんだろうと思いました。そして、小さな街の洋服屋でもできたのだから、世の中の多くの会社でも使えるはずだと考えたのです。

貴社の製品やサービスが多くの企業から選ばれている理由は、どのような点にあるとお考えですか。 


「“やっと販促の話が通じる会社があった” と仰って頂けたこともありました。」

1つには、販促の現場の方々に寄り添ったご説明やご提案ができるということではないでしょうか。

ともすれば忘れられがちな事ですが、クライアント企業様が本当に求めているのは、“お客様がロイヤリティを高めてくれた”、“売上が上がった”、“業務が効率化されてコスト削減ができた” といった具体的な成果であって、システムの導入そのものではありません。

創業以来、私達が直接遣り取りさせて頂くのは、情報システム部門ではなく、マーケティング部・広報宣伝部・営業企画部などいわゆる “マーケティングの現場” の方々です。その方々にデータベースやクラウドの専門用語を並べ立てても噛み合いません。“私達のシステムを使って何ができるのか” というマーケティング企画の部分を丁寧にお話する必要があります。
特に営業スタイルに関しては、“IT企業と広告代理店を足して2で割った” ようなイメージかもしれませんね。

もう1つには、システムを提供する 『クラウドサービス事業』 に加えて、人的サービスを提供する 『エージェント事業』 も手掛けているということだと思います。

クライアント企業様に当社のシステムを使いこなしてPDCAを回して頂くのが理想的な形ではありますが、特にCRMに初めて触れたお客様の場合、「難しい」、「成果が出ているのかどうかよく分からない」 といった壁にぶつかってお困りになる場合もあります。ですから、マーケティング実務のアウトソーシングも請け負っております。折角導入して頂いたシステム、長く成果を出し続けて頂くのが当社の願いでもありますからね。

貴社が提供なさっているサービスについて、もう少し詳しくお聞かせ下さい。


広々とした大阪本社の執務風景。

2005年から提供している “Synergy!” という製品は、“顧客情報を一元管理することによって、新たな知見を見出せないか” という発想で作ったシステムです。この5年間ほど、私達は、それぞれのクライアント企業様に蓄積されていくデータから次の一手のヒントを導き出そうと努力を重ねてきました。

その結果、見出せることも勿論沢山ありましたが、1社で持つデータの量をいくら増やしても、一定レベル以上のことは分からないという限界も体験してきました。データは “幅” と “期間” という “面” で考えるべきもので、今後の動向を占うにあたって大切なのは “幅” の方です。
人の嗜好は刻々と変化していくものですから、何年も前のデータを膨大に抱えていても、殆ど役には立ちません。データは、食品と同様に、時間と共に劣化するものです。例えば、自動車会社様であれば、どれほど長期間に亘って詳細なデータを取ったとしても、蓄積されるのは自動車に関係する情報だけです。お客様の姿をストローの穴を通して見ているようなものだと言ってもいいかもしれません。

“お客様の姿を、何を着て、何を食べているかといった消費の嗜好性やライフスタイル全般まで含めて、もっと総合的に見ることができないか“ 。そんな発想で2011年の11月にリリースしたのが、次世代製品である “Synergy!360” と “iNSIGHTBOX” です。

次世代製品と既存製品との最大の違いは何でしょうか。

クライアント企業様1社だけではなく、当社がお手伝いさせて頂いている企業様のデータを横断的に解析した知見をご提供できるという点です。
勿論、顧客データは大変繊細な扱いを要するものですので、単純に統合することはありません。どれだけ元を辿っても個人の特定が不可能な状態にまで抽象化して活用します。

例えば、Aさんがあるメールマガジンのリンクをクリックしたとします。すると、『“何月何日何時何分”に、“ある行動履歴や属性を持った人” が、“リンクの直前にあるリード文、もしくはそれに含まれる単語” に興味を持った』 というデータが1件溜まります。

これを膨大な数集めていくと、“人と物・事との興味の距離感” が算出でき、“ある新商品を購入する可能性の高い順に並べ替えられた顧客リスト” や、“訴求したいターゲット群にアピールしやすい単語リスト” を作成することも可能です。各クライアント企業様に対して、より効果的なご支援ができるようになりました。

貴社のビジネスを取り巻く環境をどのように見ていらっしゃいますか。


代表取締役社長 兼 CEO 谷井 等 氏

マーケティング・コミュニケーションは、これまでの経験と勘に頼るスタイルから、データに基づいてPDCAを回すスタイルに変わり始めました。今がちょうどスタートの時期で、この先10年はマーケットは成長していくと見ています。

この潮流は、消費社会の成熟度が近しい日・米・欧で起きています。その次に伸びてくる東南アジアやASEAN諸国は、この状況を見ることができる分、比較的早めにCRMの取り組みに着手していくのではないでしょうか。そう遠くないタイミングで、東南アジアのマーケットも立ち上がってくると予想しています。

私達の会社も、マーケットの拡大と共に成長フェーズに乗ってきたと感じます。

海外展開についてはどのようにお考えですか。

日本国内だけに留まるつもりはありません。
当社の製品の “データを統計的に解析し、そこから何かを予見して提案を行っていく” という枠組みは、どのような言語であっても応用可能です。中国語のデータを入力すれば、中国語のキーワード提案が出てきます。ですから、製品のローカライズは難しくありません。

ただし、進出のタイミングについては、よく見極める必要があります。
中国や東南アジアに関しては、まだ、私達が提供するような丁寧なマーケティング・コミュニケーションを行わなくても、看板やTVCMの方が効果が上がる段階かもしれません。消費社会が成熟してきて、作ってもなかなか売れないという経済の一つの曲がり角に差し掛かった頃合いを狙って、存在感を発揮していきたいと思っています。
アメリカに関しては、日本よりも進んでいますから、安易に参入して勝てるマーケットではありません。先日、第1手として、マーケットリサーチを主とする子会社をアメリカに作りました。また、資本力がものを言いやすい分野ですので、現在の私達の体力を考え合わせて慎重に進めていきます。

企業風土や社員の皆様の特徴についてお聞かせ下さい。


社内ミーティングも頻繁に行われます。

手前味噌ですが、真面目で、お客様に喜んで頂けることを本当に大切にしているメンバーが揃っていると感じます。キャラクターとしては、“スマートなお人よし” といったところでしょうか。仕事の時間はきっちりと、プライベートも大切にしますが、冷淡ではなく、人に対して温かい方だと思います。先日も、中途入社の社員から 「思った以上にいい人が多かった」 という感想を聞きました (笑)

先進的な分野に取り組んでいる企業ではありますが、一般的にベンチャー企業という単語からイメージされるようなガツガツとした雰囲気ではありませんし、徹夜上等といったような無茶なワークスタイルでもありません。

ただ1点、包み隠さず申し上げているのは、現状、制度や仕組みが整備途上であり、個人の優秀さや才能への依存率が高い組織であるということです。メンバーそれぞれが充分に力を発揮できるように一所懸命取り組んでいる最中ですが、まだ追いついていないのが実情です。社員200名以上の上場企業ではありますが、しっかりとした仕組みを第一に求めていらっしゃる方にはフィットしないかもしれませんね。

中途採用にあたり、どのようなメンタリティの人物を求めていらっしゃいますか。


代表取締役社長 兼 CEO 谷井 等 氏

まず何よりも、当社の事業に興味を持った方、そして、当社で “Synergist!” と呼んでいる4項目 (※) に共感できる方と共に働きたいですね。
また、パフォーマンスを出すための環境を自ら作っていくという姿勢も重要だと感じています。

私はバックパック旅行が好きで、社長となった今も時間を作って身軽な旅に出ることがありますが、インドで渡し船を漕いでもらった17歳の少年が7カ国語を操ることに驚いたことがありました。国内の人を乗せるよりも、観光客を乗せた方が商売になるということで、学校にも行かず全くの独学で、船に乗せた外国人から毎日習って身に付けたそうです。

インドだけでなく、東南アジア全域にこのような方々がいて、夜明け前から真夜中まで働いている訳です。国際的な競争になった時に、「どんな研修体制がありますか」、「30歳の平均年収はいくらですか」 という質問ばかりが出るような姿勢では到底太刀打ちできません。 ともすると流されがちな無意識の受け身姿勢を脱し、能動的に環境を作り、周囲を巻き込んで行ける方を求めています。

※: Synergist! とは、「相手のことを常に考え、相手の喜びを求める」、「自ら考え行動して、結果を求めることが出来る」、「ポジティブ、ポジティブ、ポジティブ」、「感謝の気持ちと謙虚さをもつ」 の4要素と定義されている。
詳しくはこちらへ。Synergist! とは

最後に、貴社を志望する方、及び潜在的な候補者へのメッセージをお願いします。

私達の手掛けているビジネスは、マーケットとして最も新しい分野で、かつ、この成熟した日本の中で今後ますます重要性の高まってくる分野です。

勿論、仕事は簡単ではありません。私達も “こうすれば上手く行く” という答えを持っている訳ではなく、一人一人がクライアント企業様からお話を承ったり、データを睨みながら、経験と全知全能を注いで作った仮説を検証していくことの繰り返しです。

なかなか物が売れない時代に、どうしたら納得して購入して頂けるのか。一緒に、お客様の期待を越え続けるサービスを作っていきませんか? 当社の事業に興味を持ち、価値観に共感して頂ける方とお会いできることを楽しみにしています!

本日はお忙しい中、長時間に亘りご協力頂き、ありがとうございました。

この転職者を担当したカウンセラーに転職相談したい
シナジーマーケティング株式会社
創業
1997年9月
設立
2005年6月
資本金
100百万円
従業員数
324名
所在地
本社: 大阪府 大阪市 北区 堂島1-6-20 堂島アバンザ21F
東京支社: 東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー
代表者
代表取締役社長  田代 正雄
事業内容
・CRM関連製品ならびにサービスの企画・ソフト開発・提供
・CRM戦略構築支援ならびに各種CRM業務の代行
・各種オリジナルリサーチ業務
・広告、宣伝に関する企画、制作および広告代理店業
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
職業紹介優良事業者認定マーク
当社は、全国に約28,000事業所ある人材紹介会社の中で、厚生労働省が審査し、 わずか40社しか選ばれない「職業紹介優良事業者」に認定されています。
※平成26年(第一回認定):全国で27社のみ、平成30年:全国で43社のみ(第二回認定)、令和2年:全国で39社のみ(第三回認定)、令和5年:全国で40社のみ(第四回認定)
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