企業インタビュー

株式会社コーチ・エィ 企業インタビュー

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企業向けコーチングサービスを提供する、株式会社コーチ・エィ。100名以上のプロコーチを擁する、世界でも類を見ない規模のコーチングファームとして、上場企業をはじめとする1500社以上への導入実績を誇っています。今回は、取締役社長の鈴木義幸氏、海外拠点の運営統括を行う取締役である栗本渉氏にお話を伺いました。 事業の現状や海外展開を含めた今後の見通し、コミュニケーション活発な社風にも迫ります。事業の更なる拡大に向けて積極採用中の同社。今 求める人物像とは…?

まず初めに、貴社のビジネスの概要についてお聞かせ下さい。


株式会社コーチ・エィ
取締役社長 鈴木 義幸 氏

当社は、アメリカで発祥した人材開発の手法である 「コーチング」 を用いて、クライアント企業様のリーダーシップ開発や組織開発のお手伝いをしている企業です。ビジョンや戦略の策定・風土の構築・中核人材の育成など、組織開発・人材開発上のテーマに対して、リーダーがより深く多面的な視点から考えられるように支援 (※1) しています。

提供しているサービスは大きく3つ。執行役員以上の方に対してコーチングを行う 「エグゼクティブ・コーチング」、管理職レベルの方にご参加頂くプログラム 「DCD (※2)」、そして 「リサーチ (※3)」 です。

当社のクライアント様の多くは大手企業様です。当初は研修という形式でサービスを提供していたこともあり、人事部門の方とのお付き合いが主でしたが、近年では、教育研修の範囲を超えるサービスラインナップの充実もあり、社長・役員・経営企画部門の方々とお話させて頂くことも増えてきました。

いわゆる大企業・上場企業の管理職以上の方々はもちろん、海外駐在員やPMI (※4) のリーダーの方、官公庁や病院でもコーチングによる人材開発や組織改革を実施する組織が増えてきています。書籍や、17万人の方々にお読み頂いているメールマガジン 『WEEKLY GLOBAL COACH』 などを切っ掛けとしたプル型のお問い合わせも少なくありませんが、会社としての強靭な体質を維持するためにも、自らお客様を新規開拓する姿勢にはこだわっています。

※1: 顧客が抱える課題に対して、直接的なアドバイスはしないのがコーチングの基本姿勢。扱う課題は似ていても、コンサルタントとは対極のアプローチと言える。

※2: サービス名 Driving Corporate Dynamism。参加者には、専任の1対1のコーチがつき、コーチングを受ける。これと並行して、自分のメンバー5名にコーチングを実施する。さらに、週に1度、電話会議クラスで半年~1年間にわたり、コーチ型コミュニケーションを学ぶ。大手企業において、数百名規模での導入実績あり。

※3: 扱うテーマは、合併企業の現在の風土、コミュニケ―ションのインフラ (社員同士がどの程度話し合えているか)、成果の出ている営業拠点とそうでない拠点の違い、リーダーの方針が隅々まで浸透するパイプラインの多寡など、多岐に亘る。

※4: Post Merger Integration。M&A実行後における統合プロセス・マネジメント。

ユニークな業態と感じますが、貴社の独自性について、今一度噛み砕いてご説明頂けますでしょうか。


オフィスには全社員の写真が飾られている。(真面目なポーズで一枚、自由なポーズでもう一枚!)

コーチング発祥の地であるアメリカをはじめ、一般的に言うところのコーチングとは、「個人を良くする」 ことを目指すスポーツ型のモデルだと思います。また、コーチの側も、ファームに所属して行うよりも、会計士・弁護士といったサムライ業のように独立して1人で自由に動きたいという志向の方が多いようです。それはそれでひとつの形ですが、“大企業をコーチングという手法を用いて本当に変えていく”、ということを単独のコーチで行うには限界があることもまた事実です。

私達が取り組んでいるのは 「コーチングを受ける方を介して、その後ろに存在する組織、つまり集団を良くする」 ということです。当社では“システミック・コーチング” と呼んでいますが、このようなモデルでコーチングをビジネスとして展開している企業は、私の知る限り、世界中でも当社だけだと思います。

これを実現するためには、大前提として、一定数以上のコーチを抱えておく必要があります。例えば、大企業の管理職300名の方にコーチングを受けて頂くプロジェクトでは、数十名体制のチームを編成する必要がありました。

もちろん、ファームという形にした場合、どうしても “このファームのコーチング” という一定の規律の範囲内でサービスを提供することになります。これを、窮屈だと感じるのではなく、“だからこそ一人ではできない大きな仕事ができる” と感じる人がメンバーとして集まり、現在の160名の陣容になっています。

コーチングの成果は、どのように測定なさるのですか。

成果の表し方には、大きく分けて4つの段階があります。「当社のコーチングを受けられた方ご自身がどう思ったのか」、「コーチングを受けられた方の行動がどのように変容したか」、「リーダーの行動によって、周囲の人の行動がどう変わったか」、「直接業績に連動する指標がどう変わったか」 です。
成果判定を行う指標は各企業様によって異なりますが、数としては、第二段階の 「リーダーの行動変容について、周囲のステークホルダーがどう捉えているか」 という点で評価される企業様が最も多いです。

成果測定にあたっては、コーチング研究所 (CRI : Coaching Research Institute) という別組織を設け、バックグラウンドで綿密にデータを採りながら、コーチングを進めています。例えば、部下のモチベーションと高い相関関係を示したのは、「部下のために時間をとっている」、「部下の話を最後まで口を挟まずに聞く」 といった項目でした。確かなデータがあれば、アドバイスも説得も必要ありません。ただ、データをお見せするだけで、「より良いリーダーシップを発揮するためのキーとなる行動」 についての共通認識が生まれるのです。

事実、当社のコーチングをお受け頂いたリーダーの方々のデータは、「ビジョンを発信するようになった」、「周囲からのフィードバックを、自分事として受け取るようになった」、「周囲ときちんと話をする時間を確保し始めた」 などの項目で高い変容率を示しました。

 商品やサービスの拡充の面で、注力なさっている事柄はありますか。

コーチングの対話の技術力を上げていくことは勿論ですが、 “当該組織におけるコミュニケーションやカルチャー、そこで交わされているヒューマンインタラクションを測定するツールの開発” にも力を入れています。人間、何が起こっているかさえ分かれば、後はいくらでも対策が打てるものだと思います。しかし、多くのリーダーは、非常に優秀であるにも拘わらず、大変情報が入りにくい状態に置かれています。周囲の方が意図的に伝えていないという状況でなくても、現場や顧客、在庫や他の役員の動向についてなど、課長から部長・役員・社長となるにつれて情報の絶対量はどうしても減ってきます。まして、“その方が発揮するリーダーシップを、周囲の方がどう見ているか” などという情報であれば尚更耳に入りにくいものです。

組織内の情報を取得するにあたっては、従来は360度のアセスメントや直接のインタビューなどを行ってきましたが、これを更にITを活用した仕組みとして進化させて、リアルタイムにリーダーにフィードバックできるようにしたいと考えています。

また、新サービスの開発という面では、世界中の組織マネジメント関連の文献を収集するリサーチスタッフを置き、ヨーロッパやアメリカで起こっていることをリアルタイムに把握しています。こういった材料にも触発されながら、より良いサービスの開発を進めています。

鈴木社長のご経歴と、貴社設立時の経緯についてお聞かせ下さい。


株式会社コーチ・エィ
取締役社長 鈴木 義幸 氏

私は、元々 “どうやって人に影響を与えていくか” というテーマへの関心が大きく、大学では社会心理学を学び、新卒で外資系広告代理店に就職しました。その後、当社会長の伊藤が関わっていたコミュニケーションのクラスに参加したことをきっかけに、マスではなく個人に影響を与える取り組みに面白さを感じ、臨床心理学を学ぶために退職してアメリカへ留学しました。

コーチングという手法に出会ったのは、日本に帰国した後でした。伊藤が米国版の 『Newsweek』 でコーチングの特集を見て興味を持ち、そこに載っていた トマス・レナード氏にコンタクトを取ったのです。そして、レナード氏が創立したコーチユニバーシティ社のプレジデントであるデーヴィッド・ゴールドスミス氏に来日して頂けることとなり、1996~97年にかけて、「コーチングとは一体何なのか」、「コーチングをビジネスとして行うとはどういうことか」 などの基本について学ばせて頂きました。そして、コーチユニバーシティ社とライセンス契約を結んで、そのノウハウを日本に展開するというモデルでスタートしたのが当社です。

伊藤は、アントレプレナー (起業家) 精神が強く、“何か新しいものはないか” と常に探しているような人間です。 『Newsweek』 を見て面白そうだと感じ、すぐに行動に移したその行動力は、今も全く変わっていません。

社内の雰囲気やコミュニケーションの状況は如何ですか。


明るく、コミュニケーションが活性化するように考えられたオフィス。

過度にコーチングの手法を意識したコミュニケーションを行っている訳ではありませんが、とにかくお互い話し合うという文化はありますね。コーチングの会社だから自然とそうなっていると言うよりは、“一定の自由度があって、明るく楽しい文化作り” を目指して試行錯誤を行った結果だと解釈しています。社員同士がコミュニケーションをとる機会がとにかく沢山起こるように、年間通した様々なイベント (※6) や、全社員160人への誕生祝い、オープンなスペースやカラフルな椅子などの環境設計にも配慮しています。

話す内容よりも、まずはとにかく沢山話すことが大切だと思っていますので、真面目な会社の方がご覧になったら 「仕事中にこんなに雑談していていいんですか?」 と思われるかもしれませんね (笑)。 しかし、当社としては、それは 「大アリ」 なのです。

※6: 忘年会などの基本の宴は勿論、オフィス近くの桜の名所千鳥ヶ淵での花見、グループ全体で2泊3日の真剣勝負を行うスポーツ大会なども。

求める人物像についてお聞かせ下さい。

ポイントは、「営業ができること」、「明るいこと」、「リーダーシップがあること」 の3点だと思っています。

当社は、創業の頃から営業職とコーチを分けていません。法人営業で新規開拓を行うためには、相手の状況についてヒアリングする能力が高くないと務まりません。営業ができるということは、つまり、その組織に対してコーチングができる、ということであると考えています。事実、当社で法人営業として活躍できているメンバーはコーチとしても高いレベルのサービスが提供できていますし、その逆も然りです。今後も、ここを分けるつもりはありません。

次の 「明るさ」 には様々な定義があると思いますが、それを生む要素の一つとして 「何か起こった時に人のせいにしない」 という姿勢があると思います。これは、責任を一人で背負い込むという意味ではなく、「自分の力で状況を変えられる」 信念があるということです。ですから、ご経歴云々の前に、お顔つきや物腰からポジティブな印象を受けるかどうかをとても重視しています。

最後にリーダーシップですが、これは言葉通り、“何か新しい分野を開拓したり、自分だけではなく周囲の仲間に影響を与えながら大きく集団を動かして行けるような方” ということです。リーダーの素養のある方が、コーチングを通して、更にリーダーシップを開発していくことが、一番理想的な形だと思っています。

今後の事業の展望についてお聞かせ下さい。

大きな戦略の一つは、海外にある日本企業の駐在員マーケットへの働きかけを強めていくことです。現在、海外拠点は4つありますが、今後5年間で、年間2~3か所のペースでオープンしていきたいと考えています。

並行して、お客様の範囲も広げて参ります。当社のサービスは、細部の文化的な違いはともかく、万国で展開し得るものだと考えていますので、日系企業に紐づいた方々に限定せず、現地企業の方々にも広くサービスを提供していきたいと思っています。

ありがとうございました。
   続きまして、海外拠点の運営統括を行う取締役である栗本様にお伺いします。

栗本様は、各海外拠点長からレポートを受けるお立場ですが、各国におけるビジネスの感触は如何でしょうか。


本社2階ギャラリーには数多くの商品が展示されている。

いま一番コーチングのニーズが強いと感じるのは、やはり中国です。欧米と比較して、ビジネスを急拡大しなくてはならないという圧力が強いこともあり、リーダーの必要性は大きいですね。先ほどの鈴木の説明とも重なりますが、コーチングとは、「こうすれば上手くいきますよ」 という枠付けではなく、「あなたはどうしたいのですか」 と多角的に掘り下げていくことによって思考の枠を外し、その企業にとっての唯一の解を引き出していくアプローチです。
他社事例の情報は、読んだり聞いたりすれば分かります。しかし、それを踏まえて進路を定めることに関するサポートは、他にはあまりないのではないでしょうか。そこで、私達にお声を掛けて頂けるのではないかと思っています。

当社の基本方針は、組織の上から変えていくということですので、コーチングの対象は、まずは幹部層の日本人駐在員の方になる場合が多いです。そこから、ナショナルスタッフの育成というテーマに行きつくことも多く、その解決にドライブをかけて欲しいというご依頼を受けると、セカンドレイヤーやサードレイヤーのナショナルスタッフへのサービスを展開することもあります。

実際コーチングを受けた現地駐在員の方々の感想として、どのようなものがありますか。

最も多いのは、「自分一人で取り組んでも、3年後にはできたかもしれない。しかし、コーチをつけたことでこの期間が半分になった」 などのスピードに関する評価です。

昇進なり異動なりでポジションの変更があった場合、一般にそこに馴染むまでの期間は1年とも1年半とも言われます。しかし、現実問題として、周囲の方々はそれほど待ってはくれないものです。
そこで、立ち上がりまでの期間を縮めるための一つの方法として、我々をお使い頂く訳です。“パフォーマンスを上げられるリーダーと、そうでないリーダーの振る舞いの違い” 、“部長と課長の役割の違い” など、普通に過ごしていたら考えずに通り過ぎてしまうような問いを投げ掛けていくことによって、新しい環境でもより迅速にリーダーシップを発揮して頂けるようになっていきます。

国内事業との違いはありますか。


本社2階ギャラリーにて

当社のサービスは、煎じ詰めれば “リーダーがいち早く変化に適応できるようにコーチする” ということですから、国内であっても海外であっても、基本の手法は変わりません。そういった意味では、グローバル展開し易いビジネスかもしれませんね。

勿論、現在のサービスは日本にフィットするように磨いてきたものですから、各国の文化にフィットするように、多少のカスタマイズをしていく必要はあります。各国のマネジャーの成熟度は、日本とはまた異なりますし、マネジャーに期待する内容も違います。リーダーに非常に明確な指導力が必要な国もあるでしょうし、ロジカルさよりも、人間臭さが必要な国もありますね。

海外案件には具体的にどのようなものがありますか。

アジアを中心として数が多いのは現地化に関するテーマですが、近年では、企業買収に伴う組織統合 (PMI : Post Merger Integration) 案件も増えてきました。カルチャーの違いという壁にぶつかりながら組織を統合していく訳ですが、この統合プロセスの推進リーダーの方をコーチさせて頂くことも多いです。場合によっては、そのリーダーの1階層下の多国籍の方々に対するコーチングを伴うプロジェクトに派生する場合もあります。

また、日本本社の方から、全世界の拠点の状況のリサーチをご依頼頂くこともあります。日本にいらっしゃると全世界の状況は掴みにくいですからね。この結果を、日本本社は勿論、各拠点長にもお伝えしています。

事例の具体的な内容については、当社が法人向けに開催しておりますグローバルリーダーズフォーラムでもお伝えしておりますので、是非ご参加下さい。

海外事業における栗本様のビジョンをお聞かせ下さい。

現在、まだ立ち上げの段階ですので、日本人の比率も高く、お客様も海外進出を図る日系企業様が中心です。しかし、将来的には、大手コンサルティングファームさんがほぼ世界のどこにでもサービスを提供できるように、私達も “世界のどこにいらっしゃるどんなリーダーに対しても、コーチングを提供できるファーム” でありたいと思っています。様々な人々にチャンスをもたらすことのできるリーダーを、世界中で育て・支援できる企業として存在するために、国籍を問わず、世界中で活躍できる人材に加わって欲しいですね。

最後に、貴社を志望する方、及び潜在的な候補者へのメッセージをお願いします。

コーチに必要な資質として、コミュニケーション力という単語を想像される方もいらっしゃるかもしれませんが、コーチとして活躍するためには “感じの良さ” や “穏やかに話を聞ける” ということだけでは充分ではありません。

「この人が傍にいると意欲が湧いてくる」、 「 “頑張らないと” という健全なプレッシャーが掛かる」、 「話をしていると、何かが前に進みそうな感覚がある」 などの前進を促すような刺激が与えられてこそ、コーチと言えるのだと思います。ビジョンや前向きさ、話を深堀りしていく探究心、そして、自分自身がどんどん変化していくことに興味のある人たちのもとで、クライアント様も成長圧力を感じるのではないでしょうか。

巷に溢れる 「○○さんは変わる必要がある」 「○○さんにはこうして欲しい」 といった類のコメントの多さ、気になりませんか? 人に変われと要求するよりも、まず自分や自分の影響力を変えることに興味がある方に、ぜひご応募頂きたいと思います。

本日はお忙しい中、長時間に亘りご協力頂き、ありがとうございました。

株式会社コーチ・エィ(COACH A Co., Ltd.)
設立
2001年10月
資本金
1億円
本社所在地
東京都 千代田区 九段南 2丁目 1-30
イタリア文化会館ビル 9階・10階
代表者
代表取締役会長  伊藤 守
取締役社長  鈴木 義幸
事業内容
企業向けコーチング・プログラムの提供
事業拠点
ニューヨーク、上海、香港、シンガポール、バンコク
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
職業紹介優良事業者認定マーク
当社は、全国に約20,000事業所ある人材紹介会社の中で、厚生労働省が審査し、 わずか43社しか選ばれない「職業紹介優良事業者」に認定されています。
※平成26年(第一回認定):全国で27社のみ、平成30年:全国で43社のみ
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