企業インタビュー

東京計器株式会社 企業インタビュー

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船舶港湾機器、油空圧機器、流体機器、防衛・通信機器から、印刷品質検査装置や防災設備、鉄道保線機器まで、幅広い製品分野で独自の強みを確立する東京計器株式会社。(東証一部上場)
今回は執行役員 人事総務部長の小堀 文男氏に、長い歴史を通じて蓄積された技術力や顧客からの信頼、生産拠点と企業文化、仕事のやりがいや人材に求める資質等についてお話を伺いました。(掲載開始日:2018年7月12日)

まず初めに貴社の沿革について、創業期の代表的な製品を交えてご説明頂けますでしょうか。


執行役員 人事総務部長 小堀 文男氏

ハイグレードな「オートパイロット PR-9000」。
『操舵機能の拡大・強化』、『安全性に対する徹底した配慮』と『信頼性向上と保守機能のインテリジェント化』の3点を基本コンセプトとして開発された。

1896年、創立者の和田嘉衛が東京・小石川で操業を開始した日本初の計器工場「和田計器製作所」が弊社のルーツです。
ちなみに、今では一般に使われる「計器」という言葉は、創立者の和田嘉衛が英語の “Measuring Instruments” を日本語に翻訳して創った造語です。

圧力計の製造からスタートし、その後、当時の軍需に応える形で羅針儀や測深儀といった航海計器の製作を手掛け、大日本帝国海軍の戦艦「三笠」の司令塔内にも弊社の羅針儀が搭載されていました。そして1902年、合名会社東京計器製作所に社名を変更しました。

1917年には株式会社東京計器製作所に改組しました。
また同年、光学計器部門を分離独立させ、三菱合資会社と共同で日本光学工業株式会社(現 株式会社ニコン)を設立、当初は和田が社長を兼務していました。

弊社の航海計器に関する技術力は非常に高く、1926年には日本初の船舶用オートパイロット(自動操舵装置)を開発しました。こちらは現在も国内外で高いシェアを持ち、船舶港湾機器の分野における弊社の主力製品の一つとなっています。

そして1930年、手狭になった本社・工場を東京・小石川から現在も本社を構える東京・蒲田に移転しました。ここを本拠地として、1949年には東京証券取引所に上場を果たしました。


その後、貴社はどのように製品分野を拡大してこられたのでしょうか。


「ポータブル超音波流量計 UFP-20」。
熱量測定機能(カロリーメータ)を搭載することによって、流量計測のみにとどまらずエネルギー管理にも威力を発揮する。

航海計器で事業の基盤を築き、次に航空計器の分野に進出しました。

航空計器は、主に防衛分野の製品で成長の礎を築いています。防衛省や重工業メーカーをクライアントとして、戦闘機用のレーダー警戒装置や観測用ヘリコプタの姿勢方位基準装置等を提供してきました。
民生用分野では、戦後初の「国産旅客機 YS-11」用の航法計器の開発に携わりました。防衛分野では、最先端のジャイロ技術を活かして護衛艦や潜水艦に搭載する慣性航法装置の提供も続けています。

1954年には油圧機器の製造を開始し、産業機械の動力源となる油圧パワーユニットや各種制御弁をはじめ、建設機械の無人施工を推進するラジコンシステム等を提供してきました。現在では、油圧機器全般で売上全体の約30%を占め、弊社の事業の大きな柱となっています。

流体機器事業では超音波やマイクロ波技術を応用した計測機器を提供しています。1963年に世界で初めて開発に成功した超音波流量計は国内上下水道および農業用水の分野でトップシェアを誇っています。
また、マイクロ波技術を応用した電波レベル計は河川水位の監視を通じて、水害対策に活用されているほか、民需市場では、化学工場のプロセス管理にも採用されています。

その他の分野では、鉄道保線に用いる超音波レール探傷車、印刷品質検査装置、立体駐車場等向けガス系消火設備等の市場にも幅広く展開しています。市場規模は小さいものの、社会基盤の安全・安心を守る重要な分野です。鉄道レール保線機器をはじめとして、ニッチトップの地位を築いています。

幅広い分野で高いシェアを確立する貴社の生産体制についてご説明下さい。


矢板工場(栃木県矢板市)

那須工場(栃木県那須郡那須町)

弊社では現在、栃木県内に4つの開発・生産拠点が稼働しています。

もともと蒲田の本社・工場で全ての製品を開発・製造していましたが、各事業の拡大に伴い、1968年に油圧機器の量産工場として栃木県佐野市に佐野工場を開設しました。翌年には矢板市に主に流体計測機器や船舶港湾機器、検査機器を生産する矢板工場を開設。

その後、防衛機器の生産拠点を開設するまでには、少し時間が掛かりました。なぜなら、ジャイロコンパス等の精密機器の製造には、地盤が強固で振動の影響を受けにくい工場用地が必要だったからです。飛行機による上空からの地質調査等も実施し、1973年、航空機用および地上用電子機器の専門工場として那須町に那須工場を開設しました。那須工場の地盤は砂利の層が厚いため地震の影響が少なく、東日本大震災の際にも那須工場の被害は比較的軽微で済みました。

そして1987年には、大型油圧システムの組み立て専門工場として田沼事業所を開設しました。

それぞれの工場で、カルチャーや風土の違いはございますか。


「小形電磁切換弁 DSVG-3シリーズ」。
これら油圧機器を量産している佐野工場は最も改善活動が活発で、那須工場や矢板工場は同工場の取り組みをモデルにして改善活動を推進している。

佐野工場(栃木県佐野市)

防衛機器には絶対的とも言うべき高いレベルの品質が求められますから、那須工場では、ものづくりのルールを厳格に守るという風土があり、品質に対する従業員の意識が非常に高い工場だと言えます。1つのユニットに対して幾重にも亘る試験を繰り返しながら生産するため、じっくりと腰を据えて作業することが求められます。

これに対して矢板工場は、多様な製品を扱うため、少量多品種生産に柔軟に対応できる一人屋台方式のセル生産を基本としています。異なる製品分野の取り組みを間近で見て、刺激を受けながら変革を進める風土で、前例にとらわれず常に改善に取り組んでいくカルチャーです。

佐野工場はバルブやポンプ等の各種油圧機器をラインで量産しています。量産ラインは改善の成果が目に見える数値で把握しやすいこともあって、4工場の中で最も改善活動に熱心であり、作業チームが一丸となって創意工夫を重ねるカルチャーが根付いています。

また、いずれの工場でも生産技術の高度化や製造現場の技能やノウハウの伝承に熱心に取り組んでいます。これらの技術資産を次世代に受け継いでいくことによって、クライアントニーズの変化に即応した製品の提供に繋げていく考えです。

2013年の社内カンパニー制の導入にはどのような狙いがあったのでしょうか。


「カンパニー制に移行し、カンパニー長に決定権を委ねたことで、速やかな意思決定が行えるように改革しました。」

旧態依然とした事業部制の下では、各事業部門の意思決定にスピード感が欠け、ビジネス環境の変化への対応力が低いと、かねてから指摘されていました。
そこで2013年、舶用機器システムカンパニー、油圧制御システムカンパニー、計測機器システムカンパニー、検査機器システムカンパニー、電子システムカンパニーからなる5つの社内カンパニーに改編しました。それぞれのカンパニーに大幅に権限を委譲して、スピーディーな意思決定の下にPDCAを回し、それぞれの製品分野ごとのシェア拡大を目指しました。

そして2015年には、防衛機器を扱っていた電子システムカンパニーから民需市場向け事業を独立させ、通信制御システムカンパニーを新設しました。防衛機器の開発で培った最先端技術を民需市場に展開していくことで、シナジー効果を生み出し、新製品開発に結びつけるのが狙いです。

社内カンパニー制への移行によって、事業ごとの意思決定スピードは上がりました。
とはいえビジネスの進め方については、急速に変化したというより船が針路を変更するようにゆっくり変わってきたという実感があります。各カンパニーが最速で個別最適を求めるだけではなく、カンパニー同士がシナジーを発揮して、東京計器グループ全体で成長していくことを目指しているため、時間を掛けて、今も変化を続けています。

今後の成長に向けた戦略の中で、グローバル展開についてはどのような施策を進めておられますか。

グローバル展開については、国内官需市場がメインとなる弊社の事業領域の特性上、これまで積極的な海外展開を図ってこなかったことから、海外ローカル市場の代理店開拓等においてスピード感が不足する傾向がありました。しかし中長期的には、海外売り上げの拡大を目標に掲げて継続的に取り組んでいます。

グローバル展開を加速させるため、弊社の社名を変更したこともあります。
1970年に変更した株式会社東京計器という社名を、1990年、社内公募により株式会社トキメックという社名に変更しました。しかし、「トキメック」は中国語で「東機美」という社名表記になることから、化粧品や美容関連メーカーと誤解されることもありました。「社名にTOKYOと入れることで高品質の代名詞であるMade in Japanを訴求することができ、グローバル展開にも有利」という経営判断もあり、2008年に東京計器株式会社という社名に戻しました。

現在、船舶港湾機器のアジア市場ニーズへの迅速な対応を担う拠点として韓国の釜山連絡事務所とシンガポール支店、油圧機器を扱う台北支店、計測機器を扱うベトナム支店を設けています。今後も継続して駐在事務所から支店化を進める等、アジア地域の拠点を拡充していく計画です。
これらの拠点に加えて、既に韓国のソウル、中国の上海、ベトナムのダナンにはグループ会社のネットワークを確立しています。
これらの地域で有力なローカル代理店等とのネットワークを強化し、さらなる販路の拡大とサービス体制の拡充を推進しています。

既存事業の強化や事業領域の拡大についての方針をお聞かせ下さい。


「画像式超音波レール探傷器 PRD-300」。
超音波技術を活用した鉄道レール保線機器で、国内トップシェアを誇る。

弊社の製品はライフサイクルが長いものが多く、サービス対応を行いたくても既に構成パーツの供給が無くなっていることも珍しくありません。そのような場合は、柔軟な対応力が必要とされます。こうした対応力の高さに弊社は一日の長があり、他社の追随を許さない強みとなっていて、クライアントからの信頼にも繋がっています。弊社がこれまで営々と培ってきた信頼という無形資産は、引き続き大切にしていかなければならないと思っています。

また、開発部門には各市場で研鑽してきた高周波技術、超音波技術、姿勢・位置演算技術、油圧制御技術等の要素技術の豊富な蓄積があり、製造部門には精密加工技術、少量多品種生産への対応力等、長年に亘って培ってきた生産技術等の資産があります。

今後、事業領域を拡大していく上では、従来からの強みであるこれらの技術に絶えざる改良を加えていくだけでなく、多様な分野の新しいテクノロジーを積極的に活用してイノベーションを生み出していかなければなりません。社内カンパニーの枠を越えて技術・製品・販路を横断的に組み合わせ、新しい領域に価値を提供していきたいと考えています。

貴社では現在、どのような職種で中途採用の人材を求めておられるのでしょうか。


「中途入社の社員が中心となって、工場改善に向けた取り組みを行う等、数多くの中途社員が活躍しています。」

職種としては、直近ではエンジニアと海外営業の採用ニーズが高まっています。エンジニアにつきましては特に電子回路設計、ソフトウェア開発、サービスエンジニアの経験者を募集しています。

中途採用でご入社頂く人材には、基本的に即戦力としてご活躍頂けることを期待しています。
そのため、電子回路設計、ソフトウェア開発ともに出身業界は不問ですが、各職種の実務経験は必須要件です。
サービスエンジニアについては、実際にアフターサービスの現場を監督した経験のある人材を求めています。カンパニーによって、電気工事士や電気工事施工管理技士といった資格が必要になる場合もあります。

ただ、即戦力とは言いながらも、実際に弊社の仕事をお任せするまでには、各カンパニーごとに異なる業界・クライアントの特性を理解し、その対応に求められるスタンスを身につけて頂く助走期間が必要だと考えています。柔軟な適応力をお持ちの方のほうが、弊社にフィットするでしょう。

海外営業につきましては、カンパニーによって求められる経験・スキルが大きく異なる場合があります。例えば油圧制御システムカンパニーでは、海外に一人で出張して商談ができるレベルの英語力が必要になります。このため、海外勤務の経験のある方や英語圏で生まれ育った方を想定しています。
一方、計測機器システムカンパニーのように、「入社時点での英語力が低くても、英語を用いた営業をしていく気合いがあればOK」と入社後のキャッチアップに重点を置くカンパニーもあります。

所属カンパニーを問わず、共通して求める人材像としては、まず、情熱と執念を持ち、最後までやり抜くタフな人材であること、未経験の世界に飛び込める行動力があること、そして、自分の頭で考え課題を解決しようとすることです。体力面だけではなくメンタル面でもタフであって欲しいと思っています。様々なプロジェクトの過程で、最後までやり抜く粘り強さは基本的な資質として求められてくると思います。

実際にどのようなスキルやスタンスを持った人材が貴社で活躍されていますか。


1930年に東京・小石川から東京・蒲田に移転した現在の本社・技術センター外観。

本社アトリウムにて。球体のオブジェは、彫刻家・井上武吉氏の作品「My sky hole」。

前職の中堅メーカーで海外営業をしていた方で、若手ながら海外市場の分析力、実践的なマーケティングスキルを持っている方が入社しています。
この方は弊社がこれまで培ってきたアプローチ方法とは異なる角度から海外市場の開拓を進め、既に何件か新規のクライアントを獲得しています。所属カンパニーはこの方に大きな権限を与え、この開拓手法を一つの営業モデルとして、新しい領域のクライアント獲得を推進していこうと考えています。中途採用の人材には、この方のように「新卒で弊社に入社して育ってきた人材には思いつかないような斬新な発想」を生み出して頂くことに期待している側面もあります。

技術系の職種では、前職で大手メーカーでの生産技術・生産管理の豊富な経験を持つ中堅社員で、現在は弊社の生産拠点の管理職として工程管理業務で活躍している方がいます。生産拠点の他の中途入社の社員とタッグを組んで、現場の改善活動にも積極的に取り組んでいます。
この方は工程管理チームで優れたリーダーシップを発揮しているだけではなく、若手エンジニアの教育等にも意欲的で、社内研修の講師も担当しています。もともと自分の仕事の幅を積極的に広げていきたいという志向を持っており、これも弊社が中途採用で入社する人材に求めている資質であると言えます。

また、中途入社ではありませんが、防衛機器を扱う電子システムカンパニーの営業部門では、2018年度から女性課長を登用しています。
この方は理系の出身で、防衛分野の製品に非常に詳しいため、エンジニアの同行無しでも商談が可能です。子育て中のワーキングマザーでもあり、限られた時間を有効に使うことに関して、とても高い意識を持って日々の仕事に取り組んでいます。クライアントも彼女の仕事ぶりを高く評価し、周囲の同僚も大いに刺激を受けています。女性だから、男性だから、といった発想ではなく、この方の能力が管理職としての役割にふさわしいという理由での人材配置になります。
勿論、文系出身で活躍している営業社員もいます。製品の特長や用途に自ら興味を持ち、積極的に学び続ける意欲のある営業社員には、クライアントも全幅の信頼を寄せて下さっています。

小堀様はご自身の経験から、貴社で技術系の仕事に携わるやりがいについてどのように感じておられますか。

私自身のエンジニア時代は、工場で戦闘機のレーダー警戒装置ユニットに組み込まれるマイクロ波デバイスの設計や製造技術を担当していました。

防衛機器は基本的にリードタイムが長く、製品によっては何年も掛けて仕様を検討しながら製造しますが、最終局面になるとどうしても想定外の問題が浮上するため、工程を遡って作り直すことも多くなり、納期的に厳しい状況に陥ることがよくありました。それでも品質面で妥協することはできませんから、どのような状況であっても最後までやり抜くことにエンジニアとして拘り、やりがいを覚える方は多いと思います。

特にエンドユーザーに納めるユニットを担当すると、自分の目の前でクライアントに喜んで頂く場面に立ち会うことができ、自分たちの技術力を評価されている実感を得られるという嬉しい経験もできます。「この状況でよく間に合いましたね。あなただからできるのですね」等のねぎらいの言葉は、大きな励みになりますし、このような体験を通じて、技術面だけではなく人間的にも成長していくエンジニアは多いと感じています。

最後に、貴社を志望する方や、潜在的な候補者へメッセージをお願い致します。


「幅広い経験を通じてキャリアを積み重ねることができる弊社の “エンジン” となって、一緒に働いて下さる方をお待ちしています。」

弊社はB to Bの製品を扱っていることから、一般的な知名度は決して高くはありません。しかし、それぞれの製品分野では各業界を支えるような重要な仕事に関わっています。

技術系職種も営業系職種も、基本的に少人数のチームで複数のプロジェクトに関わりますので、幅広い経験を通じてキャリアを積み重ねることができます。入社した方は全員、できれば定年まで弊社で働いて頂きたいと思っています。

弊社の事業に興味を持って頂けた方が入社して、新しいキャリアに挑戦している姿を今から楽しみにしています。

本日はお忙しい中、長時間に亘りご協力頂き、ありがとうございました。

東京計器株式会社
創立
明治29(1896)年5月1日
設立
昭和23(1948)年12月21日
資本金
72億 1759万 7300円
上場証券取引所
東証1部
従業員
約1,400 名(連結)
本社所在地
東京都 大田区 南蒲田 2-16-46
代表者 取締役社長
安藤 毅
事業内容
航空機搭載機器、船舶用航海機器、油圧制御機器、流体計測機器、放送関連機器、鉄道保線機器などの開発・製造・販売およびサービス
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
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