企業インタビュー

トランスコスモス株式会社 企業インタビュー

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上場企業のマーケティング・セールス・顧客サポート業務から、開発・設計業務を含む幅広いバックオフィス業務をアウトソーシングし、企業活動の「攻め」と「守り」をトータルに支援するトランスコスモス株式会社。今回は人事本部担当 兼 サービス推進本部人材マネジメント統括部担当の執行役員である名倉 英紀(なぐら ひでき)氏に取材。人と技術を「仕組み」で融合し、時代の変化の中で常に新しい価値を提供してきた同社ならではの強み、グローバル市場で拡大するアウトソーシングサービス、求める人物像などについてお話を伺いました。
(掲載開始日:2017年7月28日)

貴社は事業の原点を “people & technology” と位置付けておられます。初めにこの考え方についてご説明頂けますか。


人事本部担当
兼 サービス推進本部人材マネジメント統括部担当
執行役員 名倉 英紀氏

どれ程「技術」が進化しても、それらを使うのはいつも「人」です。トランスコスモス株式会社は創業以来、「人々がテクノロジーをどう活用するか」という部分を重視してサービスを提供してきました。

当社の前身である丸栄計算センター株式会社が設立されたのは1966年で、企業に大型汎用コンピュータが導入され始めた時代でした。専門性を要する大型コンピュータのパンチ入力(当時のデータ入力の主流)を行うプロのオペレータを養成してお客様企業に派遣し、業務を代行するデータエントリーの専門会社として、当社は事業をスタート。「コンピュータという新しいテクノロジーを当社の社員によっていかに使いこなすことができるか」という視点が、事業の出発点でした。

お客様企業に当社の社員が出向き、データエントリー業務を一括受託するスタイルを提案、お客様企業の社員よりも効率良く正確なデータ入力を期日までに確実に行うサービスが評価されました。その結果、大きな受注を獲得することができ、当社は大きく成長しました。

その後も継続して、オペレータがより作業しやすい入力マシンをコンピュータメーカーに提案するなど、業務の生産性向上に向けた工夫を積み重ねました。これが当社のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスの原型です。

その後、貴社は50年以上にわたってアウトソーシングサービスを進化させてこられました。

時代の変化、すなわちIT・インターネットの技術の進化がもたらすビジネススタイルの変化を先取りする形で、当社はサービスのあり方を段階的に進化・拡大させてきました。

1970年代にコンピュータのオンライン化が進展すると、それまで本社で集中処理していたデータが全国の拠点でも処理できるようになり、当社のオペレータも各支社・支店で入力業務を行うようになりました。
次に、パソコンが登場して企業に普及し始めると、建築業界でCADを用いた設計が行われるようになりました。それに伴い、当社はCADオペレータの養成に取り組みながら、建築業界のお客様の設計支援業務を受託するサービスを開始しました。

その後、一般社員が日常業務でパソコンを使うようになり、様々な業界の企業に情報システムが導入されていく中で、当社もより幅広い業界のお客様にBPOサービスを提供するようになっていきます。この過程で、パソコンの故障やソフトウェアの不具合などに専門スタッフが電話で対応するヘルプデスクといった新しいサービスにも進出しています。

次に大きな転機となったのが1990年代のインターネットの登場です。当社はいち早く、アメリカ合衆国・シリコンバレーからインターネットを閲覧するブラウザを日本に持ち込み、企業のWebサイトを制作してインターネット上での情報発信を支援する新サービスを展開しました。
更に、情報発信を販促につなげるインターネット広告の企画制作など、デジタルマーケティングサービスにも着手しました。この延長線上には、現在注力しているEC(電子商取引、インターネット通販)サービスがあります。

加えて、商品を販売した後の顧客サービスとして、コンタクトセンター(コールセンター)を運用するサービスも推進しました。
当社のコンタクトセンターは、当初は主にお客様企業の顧客の満足度向上とコスト削減など「守り」の機能を持つ組織でした。しかし現在では、センターに蓄積される顧客一人ひとりの声(ビッグデータ)を解析することで、新たなマーケティング戦略や新商品の開発に生かす「攻め」の機能も併せ持っています。電話によるオペレータの対応、スマートフォンなどの端末を通じた情報提供、AI(人工知能)を活用した自動応答など、エンドユーザーが最適なコミュニケーション手段を選べる新たな環境づくりに向けた取り組みを重ねています。

現在、貴社のサービスは企業活動のバックサイド/フロントサイドの両方でグローバル展開しておられるのが特徴です。

当社サービスのグローバル化は、まずバックオフィス業務のコストの最適化を目的として、オフショア拠点を活用することからスタートしています。人件費などで価格競争力のある海外のBPOセンターを活用することで、業務コストの削減を実現しました。
現在、お客様企業の人事・経理・総務といった間接業務の一部、或いはメーカーの開発・設計業務のアウトソーシングサービスを中国やベトナムのオフショア拠点を活用して提供しています。また、デジタルマーケティングの一環であるWeb制作業務についても、インドネシアやベトナムなどの拠点で対応し、グローバルBPOパートナーとしての優位性を確立しています。

企業活動のフロントサイドでは、日本商品を海外市場に売り出していくためのグローバルECのニーズがここ数年急速に高まっており、中国、韓国、更にはASEANといった市場でインターネットを通じてモノを売るための仕組みづくりを提案しています。
グローバルECには、国ごとに法律や税制が異なるため、ロジスティクス(商品の配送を支える物流)などに個別の難しさがあり、各国に拠点を持つ当社が現地にいるからこそ入手できる情報をお伝えし、お客様企業が円滑にECビジネス展開できるよう、サポートすることが重要です。当社は各国の有力なEC運営企業を買収あるいは資本提携する戦略を進め、販促のためのインターネット広告などのプロモーションからサイトの構築、販売後のコールセンターによるサポート、商品の配送まで、お客様企業のグローバルECをワンストップで支援しています。

こうした実績が評価され、当社は中国最大のインターネットショッピングモールであるアリババ(株)のTMALL(天猫)から最高位の「TMALL ゴールドパートナー賞」を2017年に受賞しました。具体的には、中国市場で商品を売り出したいがなかなか拡販が上手く行かず困っているお客様企業に対して、TMALLへの出店支援からオペレーション、倉庫・物流までのECワンストップサービスを提供しており好評を得ています。
中国で商戦が活発化する11月11日の「独身の日」のTMALLの取引総額は1兆8千億円を超え、その中で当社がサポートに関与した取引はおよそ2,200億円に上っています(いずれも2015年度の実績額)。


トランスコスモス(株)のアウトソーシングサービスの概要
(同社HP サービス・事業内容より引用)
拠点数171拠点(国内53拠点、海外30カ国・118拠点)
※2017年6月時点


アウトソーシングパートナーとしての貴社ならではの強みについてご説明下さい。

企業のバックオフィス業務のコスト削減につきましては、コンサルティング(課題解決に向けた助言のみ)だけでサービスが完結する会社も多い中、当社は仕組みを提案し、実際にBPOサービスを運用して結果を出すところまで責任を持つことを特長としています。また、人事・経理・総務から受発注・SCM(サプライチェーンマネジメント)、機械設計や組込開発、システム開発、ヘルプデスク、オフショアサービスなどの複数のサービスラインを持ち、ここまで幅広い業務のアウトソーシングに対応できる競合企業は、現在他には存在しないと考えています。

一方で企業活動のフロントサイドで売上拡大を支援するサービスについては、単一のサービスに強い競合企業、すなわちインターネット広告に強い企業、Webサイトの制作に長けた企業、ECに強い企業、コールセンターの運営経験が豊富な企業は存在します。しかし、当社はこれらのサービスを統合しトータルに提供できる強みを有しており、グローバル市場で唯一無二の存在であると自負しています。

例えばデジタルマーケティングでは、日本を代表するメーカーや航空会社がグローバルベースで開設する各国語のWebサイトの構築・運用を全面的に任せて頂いています。
その際には、各国の現地法人と密接に連携し、国ごとに異なる文化やビジネス慣習を踏まえながら、Webサイト上のコミュニケーションやサービスを最適化できる強みがあります。各現地法人のメンバーに権限を委譲するマネジメントが成功していることと、それぞれの国や地域でトップ集団に入る企業との戦略的M&Aや資本提携を行うことによって、スピーディにその国のビジネスノウハウを吸収し、当社のノウハウと融合できていることが強い競争力に繋がっています。

貴社が今後も引き続き成長していくための戦略の方向性についてお話し下さい。


「当社はメーカーではない業態であるにも関わらず、海外売上比率は12%を超えている数少ないサービス業で、海外事業の成長率も120%と特に好調です。」

今、当社が企業として中期的に目指している姿は “Global Digital Transformation Partner” です。あらゆる業界でデジタルビジネスへの転換が進められる中、デジタル技術を活用した新たなサービスを戦略的に提供することで、お客様企業の変革を支援していきます。
変革はバックオフィスの業務プロセス、マーケティングやセールスといったフロントサイドの双方で既に始まっています。当社はお客様企業の事業戦略にも関与しながら、成長をサポートできる “パートナー” となることを目指しています。

現在の中期経営計画では、企業のバックサイドに向けた「守り」のサービスは、“growth” をテーマとして絶えざる改善に取り組み、積極的に新しいテクノロジーを取り込んでサービスをより一層レベルアップさせていく考えです。
フロントサイドに向けた「攻め」のサービスは、“innovation” をテーマとして、既存のやり方にはとらわれない新しい発想でビジネスやサービスを構想し、価値を提供していきます。

売上計画につきましても、ここ数年は高めの目標を設定し、それぞれのサービスで2桁成長を目指してきました。これらの計画は、特に海外事業の売上が大きく伸張する形でほぼ達成することができています。更にこれからの3年間は、よりストレッチな目標に向かってグループ一丸でチャレンジしていくことになります。

今後の成長戦略についてもう少し詳しく教えて下さい。

個々のサービスでは、創業時からビジネスノウハウを蓄積しているBPOの更なるグローバル化は勿論のこと、Digital Marketing、EC、Contact Centerの頭文字を取った「DEC(デック)」として組織を統合して高度なサービスを提供し、ワンストップでのグローバル展開を加速していきます。

スマートフォンの急速な普及は顧客接点の捉え方を変えました。現在、業界を問わず多くの企業において、「スマホをどのように活用して売上拡大に結びつけるか」といった視点でのデジタル化に向けた対応が優先度の高い課題となっています。
当社もスマホを軸としたマーケティング手法の開発は、今後の企業成長に重要な意味を持つと考えています。そこで、ソーシャルメディアの運用会社との共同出資による新会社を設立し、ソーシャルメディア上で商取引が行えるような新しい仕組みづくりに向けた取り組みをスタートしています。

また、ビッグデータの分析にも引き続き注力していきますが、これは研究レベルではなく提供可能なサービスレベルで、お客様企業にメリットを提示していくことを目指しています。例えばAIの活用が叫ばれて久しい今、具体的にAIがどのように企業の収益創造に役立つのか示すことが重要です。
新しい技術を使って当社のデータサイエンティストがビッグデータを解析し、そこからどのようなトレンドを見出して新たなマーケティングにつなげることができるか、更には実際にどのようなサービスが運用できるのかをお見せすることが大切だと考えています。

名倉様は、これまで貴社でどのようにキャリアを積み重ねてこられたのでしょうか。


「人事= “守り” という考え方が根強く残っていた当社で、新たな試みを行ったり、これまでの制度を変更することは非常に大変で、日々変化へのチャレンジの連続でした。」

新卒で当社へ入社し、1980年代に当社の初期のサービスを生み出す現場をいくつか経験しました。1990年代には会社が株式上場を目指すタイミングで上場プロジェクトチームに参加し、組織が適正に利益を生み出す仕組みを整備したり、上場企業にふさわしい社内管理体制を考えたりと、初めて取り組む課題から多くのことを学びました。そして採用・人事に異動して10年余りというのが、私の今までのキャリアの概要です。

20代で経験したサービスの現場では、まだ世の中に「コールセンター」や「ヘルプデスク」などのサービスが存在しない時代に、一からサービスをつくり上げるという貴重な経験をすることができました。全てが手探りという状況の中、「とにかくやるしかなかった」と言えます(笑)。

世の中が変化し、ビジネスのスタイルが大きく変わるタイミングでは、企業のビジネスを支援する私たちにも変化への対応力が求められます。この経験を通じて、世の中がどんどん変わっているのだから、会社としても新しいサービスにチャレンジしなければならない、という感覚が身についたように思います。
創業者の奥田耕己や二代目社長の奥田昌孝をはじめとする経営陣が、このような姿勢を重視してリーダーシップを発揮してきた企業文化があり、「変化への迅速な対応」は当社社員のDNAの一つとして脈々と受け継がれていると感じています。

採用や人事を担当するようになってからも、新しい試みを始めたり、これまでの制度や仕組みを変えたり、チャレンジの連続だった気がします。
新卒採用に携わるようになると、学生の多くがこれまでの自分の経験の価値を知らず、それを就職活動で十分アピールできていないことに気が付きました。そこで、社会人として役立つ「考える力」「伝える力」への気付きを促す「就活塾」や、当社への採用を前提としない人材育成にフォーカスしたインターンシップをスタートし、現在に至るまで10数年にわたって継続しています。
また、制度面では、当社が海外展開を本格化することを視野に入れ、グローバル人事部を設立しました。そして日本から海外の現地法人へ人材がスムーズに異動できる人事制度を整備し、加えて、世界各国で社員が安心して働けるようリスク管理体制の構築にも取り組みました。

現在貴社では、どのような部門でどのような人材を求めておられますか。

既にお話ししましたように、当社は事業領域が非常に幅広く、国内・海外での事業拡大に伴って、現在は全部門全職種で経験者を必要としています。中でもデジタルマーケティングの分野は採用競合も多く、当社の強みであるワンストップでの事業展開をより多くの人に知ってもらうために、広報活動にも注力しています。

人材に求める行動特性につきましては、担当するサービスによって若干異なってきます。
企業のバックオフィスをサポートする職種であれば、お客様への誠実な対応やホスピタリティ、日々創意工夫して業務を改善していく姿勢が基本的な資質として求められます。
企業のフロントサイドで売上拡大に寄与するサービスに携わる方には、失敗を恐れずに新しいことに挑戦していく姿勢を重視しています。業務の内容がこれから大きく変わっていく部門も多く、変化に柔軟に対応できる方を必要としています。

実際、中途採用で入社して働いている方の出身業界は非常に幅広いため、代表的なロールモデルを提示しにくいのですが、何か一つ飛び抜けたスキルや経験を持っている方が多いと思います。例えば、ある業界にとことん精通している方、海外勤務の経験が豊富で非常に高い語学力を持つ方、特定の技術分野に強い方など、何らかのスペシャリティをお持ちの方々は、入社後に周囲のメンバーから信頼を得るのも早いと感じています。
IT企業ではありますが、EC領域ではインターネットと実店舗との融合を目指すオムニチャネル戦略も強化していますから、例えばリアル店舗でのコミュニケーションに秀でたアパレル業界などの経験者にも活躍して頂ける場があります。理系出身者には、技術職ではない職種でも専門的なバックグラウンドを生かして頂くことができる機会がたくさんあります。

最後に、貴社を志望する方や、潜在的な候補者へメッセージをお願い致します。


多様なサービスのパンフレットが並ぶ、本社1階受付前にて。

当社には19カ国の外国籍の社員が300名以上働いており、多様性に富んだ職場です。また、女性の働きやすい会社でもあり、2007年から女性の活躍推進に組織として取り組んでいます。女性社員の比率は全体の約42%、女性管理職も13%強となっています。結婚・出産を経験した社員がキャリアを継続するための時短勤務制度などの諸制度も整っており、育休後の復職率は95%を超えています。
第三者評価でも、2014年度の厚生労働省の「均等・両立推進企業表彰」において「東京労働局長奨励賞」を受賞している他、2016年に厚生労働大臣から女性の活躍推進に関する優良な企業として認定(えるぼし認定)され、最高位である3段階目のランクを取得、2017年3月にはくるみんマーク(※1)も取得しました。

事業軸に話を戻しますと、あらゆる業界でデジタル化が一気に進もうとしている今、お客様企業を取り巻くビジネス環境には大きな変化が起こりつつあり、そこに当社にとって数多くのチャンスが生まれています。
当社の企業規模、事業規模は非常に大きく、一人ひとりの社員がチャレンジを通じて業界やビジネスを変えるような影響力の大きい仕事に携わるという醍醐味を味わうことが可能です。実際、「ベンチャー企業ではできないスケールの大きい仕事にトランスコスモスの企業力を使って挑戦したい」という理由で当社に転じているベンチャー企業出身者も数多くいます。

特に今後3年間は、当社にとっても過去に経験したことのない変化と成長にチャレンジする期間になりますので、社員は短期間に極めて多様な経験を共有する時期になるはずです。変化の中に飛び込み、スピード感を持って成長したい方には、チャンスに溢れた環境があると言えるでしょう。
当社に関心を持って下さった方と、面接でお会いするのを楽しみにしています。

※1:「くるみんマーク」とは、子育て支援のための行動計画(一般事業主行動計画)に取り組み、実績が認められた事業主が、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けた証です。

本日はお忙しい中、長時間に亘りご協力頂き、ありがとうございました。

トランスコスモス株式会社
設立
1985年 6月 18日
創業
1966年 6月
資本金
290億 6,596万円
上場証券取引所
東証1部
従業員数
グループ:18,607名(国内:10,793名、海外:7,814名)
単体:9,525名
本社所在地
東京都 渋谷区 渋谷 3-25-18
代表取締役グループCEO ファウンダー
奥田 耕己
代表取締役会長兼CEO
船津 康次
代表取締役社長兼COO
奥田 昌孝
事業内容
コンタクトセンターサービス、ビジネスプロセスアウトソーシングサービス、デジタルマーケティングサービス、ECワンストップサービス
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
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