企業インタビュー

株式会社GSユアサ 企業インタビュー

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株式会社GSユアサは、自動車やバイク用のバッテリーやビルの非常用電源等に使用される二次電池のパイオニアとして、100年以上の歴史を持つメーカーです。今回は、人事部 人材グループでグループマネージャーを務める古谷 和則 (ふるたに かずのり) 氏に、グローバル市場で高いシェアを確立する鉛蓄電池や、エコカーの未来を支えるリチウムイオン電池事業について、また技術の蓄積を生かして常に新たな開発へのチャレンジを重ねる風土等についてお話を伺いました。(掲載開始日:2017年2月27日)

まず初めに貴社の歴史について、企業の成り立ちを踏まえてご説明頂けますでしょうか。


人事部 人材グループ
グループマネージャー 古谷 和則氏

株式会社GSユアサは、日本電池株式会社と株式会社ユアサコーポレーションが2004年に経営統合し、持株会社として株式会社ジーエス・ユアサコーポレーションを設立、その後、事業子会社として誕生した日本最大の二次電池 (※) メーカーです。

日本電池は1895年 (明治28年)、創業者の島津源蔵が日本で初めて鉛蓄電池の製造に成功したのを出発点に、1917年に日本電池株式会社を設立、“GS” のブランド名でグローバル市場に製品を提供してきました。

ユアサコーポレーションは1913年 (大正2年)、金属の電解科学に関する研究を始めた湯淺七左衛門が、1918年に設立した湯淺蓄電池製造株式会社をルーツとしています。その後、“YUASA” ブランドの蓄電池も、多くの国や地域で自動車・二輪車用バッテリーの代名詞として親しまれてきました。

電池・バッテリー業界で日本を代表する2社が一つになり、互いの持つ強みを活かし合っていることで、日本やアジアの車載用・産業用の二次電池市場をリード、さらには米国やヨーロッパ市場でも高いシェアを築くことができるようになりました。

※ 二次電池:乾電池など使い切りの 「一次電池」 に対して、自動車用バッテリーに使われる鉛蓄電池のように、充電を繰り返すことで長期間に亘って使用できる電池のこと。

貴社が現在、グローバル市場で展開されている電池事業のアウトラインをご説明ください。


「NASAの国際宇宙ステーション (ISS) で用いられているリチウムイオン電池です。2016年12月10日に種子島宇宙センターから打ち上げられた宇宙ステーション補給機 「こうのとり」 6号機によってISSに運ばれました。この「こうのとり」や、H2BロケットにもGSユアサのリチウムイオン電池が搭載されています。」

創業期から手掛ける基幹事業である自動車・二輪車用及び産業用の鉛蓄電池においては、国内シェアNo.1、世界市場でもトップクラスのシェアを確立しています。また、鉛蓄電池はフォークリフトや電動台車、無人搬送車 (AGV) 等、生産・物流拠点を支える電動車両にも搭載されています。
更に、国内シェアで約6割を占める電源システムや産業用電池の分野でも、ビルの非常用電源装置を豊富にラインアップする他、ATMや家庭用セキュリティシステム等のバックアップ電源として小型シール鉛蓄電池 (VRLA) を提供しています。

また、20年程前から参入しているリチウムイオン電池では、現在、環境対応車用の製品に注力し、戦略的な市場開拓に取り組んでいます。
複数の自動車メーカーと合弁会社を設立し、電気自動車 (EV)、ハイブリッド車 (HEV)、プラグインハイブリッド車 (PHEV) 用の電池を生産しています。また、航空機や人工衛星打ち上げ用ロケット、衛星や宇宙ステーション、潜水調査船の電源としてリチウムイオン電池を提供する他、電動車両を始めとする産業用にも幅広く製品を提供しています。

海外売上比率が高い電池事業において、グローバル市場での貴社製品の競争優位性はどのような点にあるのでしょうか。


京都本社内にある 「GSユアサ POWER GALLERY」

上段:乗用車に最適な性能&環境に配慮したカーバッテリー 「eco.R (エコ.アール) 」
下段:信頼性をさらに追求した大型車用高性能バッテリー 「PRODA NEO (プローダ・ネオ) 」

元々統合前から、エンドユーザーの目にも触れる車載用鉛蓄電池の世界では、アジア市場を中心として、“GS” や “YUASA” のバッテリーはその品質が高く評価され、根強いファンを獲得してきました。
100年に及ぶ技術の蓄積をベースとして、2016年9月時点では世界17ヵ国に37の拠点を展開し、品質の高い電池を安定的に市場に提供できる体制を確立していることが、最大の強みとなっています。

また、他社の追随を許さない品質の高さにプラスして、時代のニーズに応じて新たな製品をスピーディーに開発できる技術力を備えています。
例えば、アイドリングストップ車等、エンジンを始動する回数が多くバッテリーに負荷がかかる車両に対しても、圧倒的な長寿命を実現する専用バッテリーをいち早く開発しました。現在では更に開発を進め、アイドリングストップ車にも通常の車両にも搭載できる、高容量・ロングライフのバッテリーを提供しています。

今後は更に東南アジア各国やアフリカ、中東諸国にも自動車用の電池を拡販していく計画です。また、二輪の需要が継続して高まっているインドでは、新たに二輪用のラインアップを強化した車載用電池の合弁企業を現地の自動車メーカーと共に設立する等、戦略的なマーケティングを展開しています。
いずれの市場においても、品質よりも価格競争力を重視する製品とは一線を画し、品質重視で電池を選ぶ中間層以上の顧客層をターゲットとしています。

このように市場ニーズの変化に対して柔軟に対応しながら、品質の追求を軸としたブレのないものづくりを積み重ねていることが、GSユアサの競争力を生み出していると考えています。

鉛蓄電池は製品としての歴史も長く、世界には競合メーカーが存在する中で、なぜ貴社は製品の優位性を維持し続けることができるのでしょうか。


「料理で例えるなら、小さじ半分の隠し味のようなちょっとした違いで、全く違う電池が出来上がります。そのようなちょっとした部分のノウハウの蓄積が強みに繋がっているのです。」

電池は、内部の電気化学反応によってエネルギーを取り出す装置ですので、内部構造や電解液の添加物等に独自のきめ細かいノウハウが蓄積されています。そのため自社製の生産設備による温度や湿度も考慮した独自の製造技術を含めて、後発メーカーが弊社の電池の持つ能力や品質を完全にコピーすることは難しいと考えています。

その上で、蓄積した技術リソースを活かして常に新しい開発へのチャレンジを重ねていることが、一朝一夕には追いつけない競争力の維持に繋がっています。
GSユアサの研究開発部門には、「その気になれば電池を食べられるくらい、電池のことが好きです! (笑) 」 と言う技術者や、電池のことを語らせたら一晩中でも話せる技術者、夢の中にも電池が出てくるような技術者等、本当に電池が好きなメンバーが集まっています。開発部門では、一つのテーマを掘り下げては議論が白熱し、ミーティングが長時間に及ぶことも珍しくありません 。

そんな社員たちが、それぞれが持つ化学、電気、機械のバックグラウンドを活かし、次世代のエネルギーデバイスを世の中に送り出そうと、高いモチベーションで製品開発に取り組んでいます。一人ひとりが好きな仕事を楽しみながら互いに切磋琢磨していく環境は、弊社ならではの技術風土であり、かけがえのない資産でもあると思っています。

一方で、新規事業として位置付けておられるリチウムイオン電池事業の成長戦略について教えて下さい。


「日本を代表する完成車メーカーが満足する程の高い商品力と今後の開発力が、弊社の大きな強みです。」

高容量かつ小型軽量なリチウムイオン電池は、車載用の製品からスタートし、最近では積極的に産業用分野にも展開しています。

車載用電池に関しては、自動車メーカー等と合弁企業を設立し、環境対応車のタイプ別に戦略的な市場開拓に取り組んでいます。
三菱自動車工業 (株)、三菱商事 (株) との合弁企業である (株) リチウムエナジージャパンでは、電気自動車 (EV) 用と、家庭用コンセントで充電できるプラグインハイブリッド車 (PHEV) 用のリチウムイオン電池を生産しています。
本田技研工業 (株) との合弁企業である (株) ブルーエナジーでは、ハイブリッド車 (HEV) 用リチウムイオン電池を生産しています。

いずれの合弁企業も設立に際してGSユアサの出資比率が上回ること (弊社がマジョリティを持つこと) にこだわりましたので、三菱車・ホンダ車に限定されることなく世界の自動車メーカーへの製品の提供が可能となっています。これは、環境対応車のバッテリーが単なる自動車部品の域を超え、クルマの中枢を支える非常に重要なモジュールに進化していること、そして弊社のリチウムイオン電池の技術が、自動車業界・エコカーの未来を支える上で必要不可欠な存在となっていることの表れでもあります。

このような優位性を生かして、今後も継続して環境対応車用のリチウムイオン電池の可能性を追求していくと共に、オフィスビルのバックアップ用電源システム等、従来は鉛蓄電池が中心の市場であった産業分野の製品にも、順次リチウムイオン電池の用途を広げていく戦略を立てています。

古谷様は、これまで貴社でどのようなキャリアを積み重ねてこられたのでしょうか。

新卒ではインテリア関連の商社という全くの異業界に就職し、中途採用で日本電池 (当時) に入社しました。私は京都生まれの京都育ちで、京都で働きたい気持ちが強かったので、京都に古くから工場があり、自動車のバッテリー等を作っている日本電池のことは知っていました。

営業職を希望していましたが、弊社の営業拠点は東京にあったため、京都を離れたくないと思っていた私は一旦就職を諦めました。ところが、たまたま面接を担当した京都の工場の原価管理部門の担当者が私のことを気にかけてくれ、「工業簿記等の必要な知識は一から教えるから」 と入社を打診してくれたのです。実務経験がなく、簿記の資格も持っていない私に、そこまで言ってくれる会社があることに心を動かされて入社を決めました。

工場では小型電池事業部に籍を置き、中・小型の無停電電源装置や、ATMやホームセキュリティ機器の中の電源に使用される小型シール鉛蓄電池の原価管理に取り組みました。そこで私は、そもそも電池の材料にはどのようなものが使われ、会計的にどう仕分けるのか、といった原価管理の初歩から学んでいきました。

その後、東京の営業部門に異動されたと伺っています。東京でより幅広い業務に取り組まれたのでしょうか。


京都本社のエントランス前にある1917年 (大正6年) にアメリカから輸入された電気自動車 「デトロイト号」 前にて。
( (株) GSユアサ所有)

入社10年目に異動した東京支社では、小型鉛蓄電池の営業部門で引き続き原価管理を担当しながら、営業予算の編成や営業実績の管理を担当するようになりました。そして、2004年に日本電池とユアサコーポレーションが経営統合したのを機に、国際事業部の営業企画部門に異動となり、GSユアサがグローバル市場で扱う全ての製品の予算管理と業績管理を担当するようになりました。

また国際事業部では、安全保障貿易管理といった観点から、弊社の電池が武器等に転用されることがないよう輸出業務をチェックする目も養いました。さらに元々ライバル関係にあった日本電池とユアサコーポレーションとでは、海外営業のスタイルが大きく異なり、最適なマーケティング手法の確立に向けて、時間をかけて取り組む必要がありました。また各国の市場では、地域によって “GS” と “YUASA” の両ブランドが長年に亘って親しまれ、信頼を得ていました。ここで拙速にブランドを統一すると、競合他社にシェアを奪われる可能性があったため、現在も海外展開においては、地域によってブランドを使い分ける手法を選択しています。

このようなキャリアステップを経て、2013年の4月から京都本社に戻り、人事部で採用担当のグループマネージャーを務めています。

古谷様は、これからのGSユアサを支える人材の採用にどのように取り組んでいこうとお考えですか。


「自分が採用した新入社員がビシッとスーツを着て入社式に出席している姿や、入社後数年経って成長した姿を見ると嬉しくなります。苦労も多いですが、人事の仕事はとても楽しく、自分に合っていると感じています。」

新卒採用にも中途採用にも共通していますが、GSユアサの等身大の姿、社風をしっかり見て頂き、自分に合うと思える方に入社して頂きたいと考えています。

また、部門や職種を問わず、GSユアサで働く上で大切な資質は、自ら考えて行動し、成果を出せる自律型の人であることと、チームで進める仕事に対応できる組織人としての基本的なコミュニケーション力を備えていることです。

弊社は二次電池メーカーですので、化学系のバックグラウンドをお持ちの方には比較的良く認知されています。しかし、今後は電気や機械を専門とする方々にも、より積極的に電池事業の魅力を伝えていきたいと思います。
環境対応車に向けた電池開発では、クルマの動力機構とどのように連動するかといった視点が不可欠ですし、灯火類やエアコン、パワーウィンドウ等を制御する電源としての役割も重要です。電池の生産技術の更なる高度化も求められます。また、スマートグリッド時代の蓄エネルギーシステムにおいても、二次電池の果たす役割は非常に大きいです。
これらの次世代エネルギーデバイスの品質を高め続けるには、化学だけではなく電気工学や機械工学の知見を融合していかなければなりません。開発部門とも協力しながら、電気系や機械系のバックグラウンドを持つ皆さんが、弊社の電池事業でどのように知見を生かして活躍して頂けるのかを分かりやすく伝えていかなければならないと考えています。

現在、貴社で中途採用を強化されている部門や職種があればご教示下さい。

現在、技術系職種ではリチウムイオン電池の開発部門と生産技術部門に中途採用ニーズがあります。

リチウムイオン電池の開発は、弊社とドイツのボッシュ社との合弁企業において、次世代環境対応車に搭載するリチウムイオン電池の開発に参加して頂く方を主に想定しています。こちらでの業務はいわば5年以上先を見て取り組む息の長い開発ですので、必ずしも前職でリチウムイオン電池の開発に携わっていた方のみを求めている訳ではありません。専門は化学・電気・機械のいずれかで、電気化学反応に関する素養と開発業務の基礎的な経験があり、部門との面談を通じてニーズと経験が合致すれば、人物重視で採用しています。

生産技術部門の技術者につきましては、例えば家電メーカーの生産技術部門で経験を積まれたような方をイメージしています。電池市場のニーズの変化やそれに伴う製品の革新に際して、これまでとは異なる新たな発想で生産設備を開発・導入し、継続的に改善していく必要があります。変化への対応力に富む技術者の方を求めています。

また、事務系職種では、長期的な採用スタンスで経理部門スタッフも求めています。入社後に経験を積んで頂き、ゆくゆくはリーダー、更には一つの事業所全体の経理を任せるマネージャーとして活躍して頂くことを想定しています。従ってメーカーの経理部門で業務経験のある方、監査法人等で一定年数の経験を積まれた公認会計士の方、銀行の主計部門の出身者等で、弊社での新たなキャリアに興味を持たれる方がいらっしゃれば、是非お話ししたいと考えています。

最後に、貴社を志望する方や、潜在的な候補者にお伝えになりたいことがありましたらお願い致します。


京都本社 GALLERY内には、日本電池とユアサコーポレーションの歴史が書かれた年表も展示されている。

長い歴史を持つ企業同士が一つになって生まれたGSユアサですが、もともと似通っていた両社の 「風通しの良い社風」 が混ざり合い、根付いています。風通しの良さは異なる部門間にも、また上司と部下との間にもあり、組織や階層の違いを越えて気さくにものが言える雰囲気が醸成されています。
こうした社風を象徴するのが京都本社の社員食堂です。本社では見慣れた光景ですが、食堂には社長にも役員にも専用席や専用コーナーといったものはなく、一般の社員と同じテーブルで談笑しながら同じメニューのランチを食べています。毎年4月には、経営陣の顔をまだ良く覚えていない新入社員が、そうとは知らずに社長や役員の席の隣りに陣取り四方山話をしていた、といったことも見受けられます。

また、企業理念にある 「革新と成長」 は、日々の業務スタイルにも生きていると感じています。研究開発部門のメンバーはとにかく電池が好きで、日々意欲的にイノベーションに取り組んでいることについては既にお話ししました。新しいことへの挑戦を楽しむ風土に加えて、弊社には部門を問わず、“若手に大きな仕事を任せる” という風土があります。「入社1年目に、よくこんな重要な仕事を任せるなぁ!」 といった感想があちこちの部門で聞かれる会社でもあります。若手に仕事を任せる先輩社員は、「まぁ、もし失敗したら、あとは任せとけ」 といった自負があるとも言えるでしょう。こうした企業風土が、若手社員の成長を後押ししていることは間違いないと思っています。

これを読まれた皆さんの中から、GSユアサを次のキャリアステージに選ぶ方が出てこられて、各部門の一線で仕事に取り組んでおられる姿を目にする日を、今から楽しみにしています。

本日はお忙しい中、長時間に亘りご協力頂き、ありがとうございました。

株式会社GSユアサ
設立
2004年 6月 1日
資本金
100億円
従業員数
グループ連結 14710名
京都本社
京都府 京都市 南区 吉祥院西ノ庄猪之馬場町 1番地
東京支社
東京都 港区 芝公園 一丁目 7番 13号
代表取締役 取締役社長
村尾 修
事業内容
自動車用・産業用各種電池、電源システム、受変電設備、照明機器、紫外線応用機器、特機機器、その他電気機器の製造・販売
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
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