企業インタビュー

ヤフー株式会社 企業インタビュー

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月間556億PV (ページビュー) を超えるアクセスを誇る巨大ポータルサイト 「Yahoo! JAPAN」。運営企業であるヤフー株式会社は、新たな経営ビジョンと価値観を全社で共有し、社員が 「爆速」 のスピード感でプロジェクトを推進する中で、ベンチャースピリッツ溢れる組織に回帰しています。今回、人材採用室長の鈴木勇二氏に “新生ヤフー” が軸足を置く重点サービスと、そこで求められる人材像についてお聞きしました。

初めに貴社のポータル事業の 「現在」 についてご説明下さい。


ピープル・デベロップメント本部 人材採用室 室長 鈴木 勇二 氏

当社は 「ユーザーファースト」 の経営理念の下、 「課題解決エンジン」 というビジョンを掲げ、法人・個人のお客様がビジネスや生活の中で直面する大小様々な 「課題」 を解決する情報を入手したり、お客様の 「課題」 と 「答え」 を繋ぐことができるインターネットサービスを目指しています。
インターネット事業の世界には 「検索のGoogle」 「ショッピングのAmazon」 「オークションのeBay」 「決済のPayPal」 という米国発のNo.1ブランドがありますが、分かり易く言えば、これらと同等の機能・サービスを1社で提供出来るのがYahoo! JAPANなのです。

具体的なビジネス領域として注力しているのは 「eコマース事業」 と 「広告事業」 です。会社の経営目標として、「201×年までに営業利益を2倍にしよう」 「ネット通販の流通総額ナンバーワンになろう」 という2つの指標を掲げています。

注力されている 「eコマース事業」 と 「広告事業」 では、どのような戦略を展開していますか。

日本のeコマース率を上げ、消費全体を元気にすることに貢献するため、当社は2013年10月に 「eコマース革命」 と題するビジネス戦略を打ち出しました。
その一環で 「Yahoo!ショッピング」 のストア出店料を無料化し、個人の参加障壁を下げることでインターネット上の新たな流通市場の創出と活性化に取り組んでいます。この無料化施策は、当社のeコマース事業の収益基盤が広告収入に依拠することでもあり、「Yahoo!ショッピング」 をより多くの人にご利用頂ける “No.1メディア” へと育て、広告媒体としての価値向上を目指して、引き続きチャレンジを続けていきます。

また、元々当社が得意とする 「インターネット広告」 の企画提案力・コンサルティング力を高め、Yahoo! JAPANが蓄積するマルチビッグデータを活用した配信プラットフォーム等の技術力をより一層強化し、企業(広告主) の多様化するマーケティングニーズに対応できる体制を整えています。
先進技術を駆使した広告事業の本格展開に向け、ビッグデータのアクセス解析に活用できるタグマネジメント技術を持つ米国 BrightTag社、ビデオ広告の配信技術に優れる米国 Videology社との資本・業務提携、ビッグデータの分析及びコンサルティングサービスを専門に行う国内唯一の上場企業(株)ブレインパッドとの合弁会社設立等、戦略的アライアンスによる価値創造の布石を打っています。

新しいサービスを生み出している現場は今、どのような雰囲気ですか。


「課題解決」 「爆速」 「フォーカス」 「ワイルド」 というヤフー・バリューが記されているカード。

創業間もない頃の当社に見られた様な、現場の若手社員がプロジェクトを主導するスピード感を持った業務スタイルが戻ってきていると感じています。
と言うのも、新生ヤフーの 「課題解決エンジン」 というビジョンを実現させるため、経営トップは2013年に 「!」(びっくり) なサービスを生み出す、という目標を掲げました。そして企業の成長を一段と加速させていく目的で、社員全員が共有する社是 「ヤフー・バリュー」 を定めました。 「ヤフー・バリュー」 は、「課題解決」 「爆速」 「フォーカス」 「ワイルド」 という4つの軸で構成されています。社員一人ひとりは目の前の業務の中で、絶えず 「これってヤフー・バリューに沿っているだろうか?」 と自問自答しています。

すなわち、日頃から 「課題解決」 意識を持ち、世の中があっと驚く様なサービスを生み出すことを楽しんでいるか。業務は 「爆速」 のスピード感で推進しているか。あれもこれもと手を広げず、優先順位を明確にして重点項目に 「フォーカス」 しているか。迷った時は、より挑戦的で 「ワイルド」 な方向を選んでいるか、という価値基準です。

更にこの4つの軸は人事評価にもリンクさせました。つまり、社員の基本給の一定部分はヤフー・バリューをきちんと発揮できているかどうかによって決定する仕組みです。社長の宮坂は事ある毎に、「見逃し三振はするな。今までより10倍挑戦、5倍失敗、2倍成長」 と言っています。今や誰もが自然にビジョンや社是と重ね合わせてアグレッシブに業務に臨むようになっており、結果としてベンチャースピリッツ溢れる社風が復活してきました。

鈴木様は創業期の貴社に中途入社され、営業畑でキャリアを積まれてきたと伺いました。


「私自身は、この会社の 『働き手主導』 である点がとても好きです。」

前職では商業デベロッパーで不動産営業をしていました。リアルコマースで社会人修行を積む過程で、これからは必ず 「eコマース」 の時代が来ると確信し、2001年に当社に転職しました。
しかし当時の 「Yahoo!ショッピング」 の出店数はわずか40社程度 (笑)。
そこでまずは店舗を誘致する法人営業からスタートし、次にサイトに参画して頂いた店舗の売り上げアップのためのコンサルティング、またECサイト全体の販売促進活動にも企画立案段階から携わりました。

その後、パートナーソリューション本部という経営直轄の部署に異動し、当社の 「オープン化戦略」 に沿って、外部のパートナー企業と Yahoo! JAPANとの連携を実現していくソリューション営業に携わりました。
つまり、インターネットをビジネスに活用したい意向を持つ事業会社に対して当社から Yahoo! JAPANのインフラやツールを提供し、パートナー企業の本業のビジネスをインターネット上で展開して頂く中から win-win の関係を構築しようというアライアンス戦略です。銀行、メーカー、テレビ局、鉄道会社まで、あらゆる業界のリーディングカンパニーを訪問し、その企業のビジネス資産を当社の資産と融合することで、ユーザーに対して新しいサービスを創造するという仕事でした。

当時としては前例の少ない連携ビジネスを形にしていく上で、貴社の強みはどこにあるとお感じになりましたか。

当時、パートナーソリューション本部では私の上司はCOO (最高執行責任者) でしたので、意思決定が迅速でした。今日私が考えたことが早ければ翌日には “ミニ経営会議” にかけられ、とてもスピーディーに動くことができました。また、当時会社の重点戦略として 「オープン化」 を打ち出していたので、社内の様々な部署から協力が得られたことも心強かったですね。
誰でも簡単に動画コンテンツを作成できるビデオプラットフォームや、Yahoo!メールの仕組みを活かしたメール配信システムなど、パートナー企業や地方自治体と連携するための様々なツールを社内の各部署が次々に開発してくれ、我々はそれを提案の際に商材として積極的に活用することができました。戦略や経営方針が全社に浸透していたので迅速に社内協力が得られ、次々にアライアンスを成就させることができたと言えるでしょう。
「!」 なサービスを生み出す、という目標が明確化され、「ヤフー・バリュー」 が全社に浸透している現在もまた、社内全ての部門で現場への権限委譲が徹底され、社員がやりたい業務に対してすぐに経営判断が下されますので、若手が失敗を恐れずに動いていける環境が整ってきています。

貴社で新しいビジネスやサービスを創造する社員には、どんなメンタリティや行動が求められますか。


「私は1年半前に人材採用部門に異動しましたが、お話ししました様に、それまでは一貫して営業畑を歩いてきており、人事業務の経験は全くありません。 『採用とは営業活動である』 という経営トップの判断があり、自分でもびっくりするほどの大きな権限を任されています。」

一言で言えば 「ベンチャースピリット」 が求められます。Yahoo! JAPANという会社で何をやりたいのか、自分で考えて自ら率先して行動を起こせる人です。加えて4つの 「ヤフー・バリュー」 を備えているかどうかに尽きます。逆に自分は 「これがしたい」 という明確な意思のない方には厳しいかもしれません。

この会社は、我々社員が 「やりたい」 という気持ちが強ければ、その多くは実現可能であり、実現させてくれるチャンスをくれると実感しています。
自分でやりたいこと、成し遂げたいことがあり、自分の仕事の方向性を自分で決めていきたい人にはすごく居心地が良く、これほど刺激に富んだ職場はないと思いますよ。

鈴木様は貴社の中途採用における課題やニーズをどのように捉え、取り組まれていますか。


「現場への権限委譲を徹底的に進め、例えば新規サービスのリリース前の承認プロセスを従来の8段階から2段階に削減し、若手社員が自由な発想を生かして、失敗を恐れずに何度もチャレンジできる環境を風土・制度の両面から整備しています。」

注力する 「eコマース事業」 「広告事業」 の両部門において、引き続き優れた人材の採用ニーズがあります。

「Yahoo!ショッピング」 をメディアとして成長させ、広告事業を更に進化させていくために、フロントエンドのアプリケーション開発から、広告配信システム、ユーザー情報データベース等の大規模なバックエンドシステムの開発まで、開発系エンジニアの皆さんが経験を活かして活躍できる数多くのプロジェクトが動いています。
また、言語処理・画像処理・機械学習・音声認識等の要素技術を用いた検索技術をはじめとするコアプログラムの開発、マルチビッグデータの分析・研究や広告配信のための数理統計モデル等を作成するデータマイニング、更にはネットワークやサーバー等のYahoo! JAPANを支えるインフラの構築から運用まで、幅広い領域で専門性とチャレンジ精神を兼ね備えた人材を求めています。
また、「スマデバファースト」 を実現する上では、100を超えるYahoo! JAPANのサービスのスマートデバイス画面におけるユーザーの使い勝手 (UI) や心地よく楽しい経験 (UX) を実現するWebデザイナーの方々にも手腕を発揮して頂ける場があります。

ビジネス職 (営業職) については、インターネットを自社のマーケティングに最適な形で活用しようと模索する事業会社に対して、「Yahoo!ショッピング」 の媒体価値を効果的にプレゼンテーションして頂きます。また、最新のインターネット広告技術の深い理解に基づき、広告代理店や広告主のニーズに合わせてWebマーケティングのプランニングから広告企画の提案、効果検証・分析、改善提案に至るPDCAを回しながら、当社のブランドではなく自分の名前で長期間に亘って信頼関係を築いていける人材を次世代の経営幹部候補としてお迎えしたいと思っています。

中途採用のエンジニア職、デザイナー職、ビジネス職では、現在どのような人が活躍していますか。

職種を問わず、「ヤフー・バリュー」 を備えている方、ベンチャー企業を興された経験のある方や、前職で社内ベンチャー的な事業を任された、或いは新規事業の立ち上げに自ら手を上げて関わってきた、といった方々は、“10倍挑戦” することを競い合う当社の企業風土に合って短期間に着実な成果を上げ、達成感を得て成長していく人が多いと感じています。

エンジニア職の皆さんは、それぞれの現場でモチベーションが異なります。
開発チームでは、まだ世の中にない 「!」 なサービスを創出することにモチベーション高く取り組んで頂いていますし、ビッグデータを扱う部署では、Yahoo! JAPANというメディアに蓄積される膨大なマルチビッグデータを解析し、精度の高い広告配信プラットフォームを開発することに他では味わえないやり甲斐を覚える、という声を聞きます。
ネットワークエンジニアは、日本最大級のポータルサイトの増え続けるトラフィックを支えるために日々創意工夫を重ね、サーバーがダウンしたり、処理が遅れたりといった不具合でユーザーに迷惑をかけないことにプロとしての誇りを持って取り組んでいます。
スマートデバイスの UI/UX を磨き上げるデザイナーは、自分が手掛ける一つ一つのサービスと今後のYahoo! JAPANの成長を重ね合わせ、キャリアアップの手応えを得ることができるでしょう。

ビジネス職 (営業職) で活躍している人には二通りあります。
前職でもベンチャー精神を持って様々なプロジェクトを達成してきた人が、当社でも同様に大きな権限を任される環境の下で自分がやりたいことが更に実現できそうだと転職して来られるパターンです。もう一つは、前職は何かと制約の多い会社で、なかなか自己実現できなかったり、やりたいことを試みたら 「出る杭は打たれ」 てしまい、不遇の時期を過ごしてきたりで、その辛い思いをバネに当社での飛躍に賭けて入社された方々が成功しています。
また、経験を積まれた35歳以上の転職者には、マネジメントとしての素養も問われます。自分のチームの若手メンバーの 「才能と情熱を解き放つ」 ことができる “度量” や “器” のある転職者の方には、今後のミッションとして当社の新しい事業部門をお任せすることを想定しています。

最後に、貴社を志望する方や、潜在的な候補者へメッセージをお願い致します。


本社エントランスにて。

当社では選考に際して応募書類の学歴欄は全く見ていませんし、男女・年齢・国籍を一切問わない採用方針を採っています。
前職で何をやって来られたのか、職種ごとに当社が求める業務スキルをお持ちかどうか、そして当社が大切にする 「ヤフー・バリュー」 を備えた人であるかを観させて頂いています。
その結果、エンジニア職については中国や韓国出身者等を合計30名以上採用しています。外国人エンジニアの方々には、英語でのコミュニケーションさえできれば、敢えて日本語能力も問いません。あくまでもITスキルと 「ヤフー・バリュー」 が採用基準になっています。

「爆速」 で変わりつつある巨大なインターネットサービスをビジネスフィールドとして、ベンチャースピリッツ溢れる企業風土の中、仕事を任されて経験を積むことで得られるものは大きいと考えています。また、当社では業務経験の幅を広げることが人材の成長に繋がるとの考えから、2年間同じ部署を経験したら 「ジョブチェン」 にエントリーすることができます。
働き手が主体的にやりたい仕事を選び、キャリアを発展させていくことができ、いずれの職種も、人材として5年後、10年後の市場価値を飛躍的に向上させることが可能であると思います。

“新生ヤフー” に可能性を見出し、「ヤフー・バリュー」 に共感して頂けるベンチャースピリットを備えた方々との新たな出会いを楽しみにしています。

本日はお忙しい中、長時間に亘りご協力頂き、ありがとうございました。

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ヤフー株式会社
設立
1996年1月31日
資本金
8,450百万円
上場証券取引所
東証1部
従業員数
6,162名
本社
東京都千代田区紀尾井町1-3東京ガーデンテラス紀尾井町紀尾井タワー
代表取締役社長
宮坂 学
事業内容
インターネット上の広告事業、イーコマース事業、会員サービス事業、その他事業
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
職業紹介優良事業者認定マーク
当社は、全国に約28,000事業所ある人材紹介会社の中で、厚生労働省が審査し、 わずか40社しか選ばれない「職業紹介優良事業者」に認定されています。
※平成26年(第一回認定):全国で27社のみ、平成30年:全国で43社のみ(第二回認定)、令和2年:全国で39社のみ(第三回認定)、令和5年:全国で40社のみ(第四回認定)
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