企業インタビュー

タワーズワトソン株式会社 企業インタビュー

御社が展開されているコンサルティングの分野、事業内容について判り易く教えて下さい。


タワーズワトソン(株)
代表取締役社長  淡輪 敬三氏

当社は約130年の歴史を持ち、ワールドワイドで32カ国・105拠点で約7000名のスタッフから成る組織です。現在は主に「組織・人事」、「年金資産の運用」、「年金・退職金制度」、「保険」の4つの分野でコンサルティングを展開しています。

もともとのビジネスは、年金の評価・分析やプランを策定する年金数理(アクチュアリー)を起源としています。年金数理から出発し、組織における将来の不確定要素である人材の"お金(給与・退職金等)"に関わる部分の分析やソリューション提供へとビジネスが進化し、更にそこから派生して生まれたのが1つ目の「組織・人事」コンサルティングです。 "年金"から、組織全体の"給与"、給与を決定するための"評価や等級"、そして働く人の仕組みである"制度"へと組織の問題が繋がっているように、組織・人事コンサルティングは源流のビジネスが自然と進化し生まれてきた経緯があります。

2つ目の「年金資産の運用」(インベストメント)コンサルティングは、年金資産をどのように運用すれば良いかというお客様からの要望に対し、先述した将来の不確定要素や年金の評価・分析で培った専門性を活かし、アドバイスを提供しています。

3つ目の「年金・退職金制度」(戦略的ベネフィット)コンサルティングでは、主に企業の年金・退職金制度の設計・導入・変更におけるサポートを行います。 これは我々のビジネスの源流がそのまま進化を続けたものであり、近年では401k等を扱うようになりました。

そして最後に4つ目の「保険」コンサルティングですが、ワールドワイドではインベストメントより大きな規模で展開しているビジネスです。そもそも我々のビジネスの源流である年金を評価・分析するということ自体が保険会社の商品でもありますから、同じ分野での専門性を活かし保険会社に対して商品開発や商品の売り方等についてのアドバイスを提供しています。
これら4分野をコアな事業と位置づけ、東京オフィスでもこの4分野に注力しています。

近年は企業のどのような課題、もしくはどのような経営環境を改善するためのコンサルティングの要望が増えているのか、お聞かせ下さい。


『Watson Wyatt Review』

近年は企業の課題が「グローバル」というテーマに急速にシフトしています。例えば年金の運用や年金債務のコントロールといった、以前なら各拠点で自己完結した問題でも、現在は米国、欧州、アジア等の現地法人との連結を要する問題へと変化してきています。また、グローバルな人事体系構築や、海外現地法人での人材調達といったテーマも、昨今は非常に増えています。

これらに加え、今後は外国籍の人達に対し、自分達のことをどうやって上手く伝え、融和を図るかというコミュニケーションの問題も、日本企業がビジネスを組み立てる上で最も重要な課題となるでしょう。近い将来、日本は人口減少により国内マーケットは縮小を続け、日本企業はグローバルのマーケットを見据えた上でビジネスを組み立てる必要に迫られます。そのためには日本人だけでなく、様々な国籍の方と一緒に仕事をしなければなりません。その時初めて、これまでずっと変化に対して及び腰であった"日本の鎖国"が、真の意味で解かれることになるのではないでしょうか。

淡輪代表のコンサルティングに対する根本的な考え方についてお聞かせ下さい。

私は、コンサルティングとはお客様に"経験"を買って頂く仕事だと思っています。例えば自分達で未知のジャングルを開拓しなければならないという時に「何が一番必要か?」と問われれば、それは以前に同じような経験をした人が持つノウハウではないでしょうか。無論それを競合相手に求めることはできませんが、我々には過去に様々な企業と共に培った経験が蓄積されており、その経験を第三者という立場から、お客様の課題を解決するために濃密な形で提供するのです。従って新しい経験というのは、我々にとって非常に大切な資産となります。そのためか、これまでの歴史を振り返ると当社は、幸いなことに新しいことに挑戦する先端的な企業と一緒に仕事をすることが多かったように感じます。

御社で働く上で、大切な要素は何でしょうか?


組織には大切にしなければならない2つの"根っこ"となる要素があります。1つは「絶対にお客様を裏切らないこと」。そしてもう1つは「自分達の仲間を信じること」。この2つを守り抜くことができれば、先述した良い経験を積み重ね、本物のコンサルタントになることができると思います。

この"根っこ"となる要素に加え、しっかりと"地に足をつける"ということも非常に大切なことです。大手コンサルティング・ファームの場合、ブランドイメージやプライドが邪魔をして、お客様に対して自分を大きく見せようとしてしまうことが、しばしば起こります。そしてその結果、お客様を裏切ることになるのです。我々の仕事は経験を積むことにより価値が上がります。その価値は仕事を20~30年と続けることでのみ上がるものだと思いますので、等身大でなければずっと続けることは難しいのです。我々の組織は日本だけでなく、グローバルに見ても自分を大きく見せようとする人はおらず、しっかりと地に足をつけ、"等身大のコンサルティング"をしている健全な組織であるということも、また大きな特徴です。

一般的に御社では、非常にクオリティの高いコンサルティングを提供されていると見受けられますが、入社後の教育・育成、もしくはコンサルタント毎のクオリティのバラつきをなくすための施策についてお聞かせ下さい。

能力や特性は一人一人異なりますから、当社では個人毎異なるプロセスでお客様にとって役に立つ分野を探していきます。また当社では、これまでにビジネス経験のない新卒を育成した経験があります。その中でリーダーとなっている者が中心となり、どのような順番でどのような経験を学べば、その人なりの強みとなる分野を作ることができるかというマスタープランを作成し、それに合わせて個人毎順番を変えながら実務経験を積むようにしています。

もちろん、グローバルで様々な研修も行っています。研修ではコンサルティングのベーシックや、退職金、人事、運用等、各分野の専門スキルを学びます。特にアジアパシフィックにおいては、定期的に色々な国で研修が開催されています。

それに加え、当社では経験のある者が経験の浅い者に対して、アドバイスする仕組みが体系化されています。人を育てるということは、組織の底上げがなされるだけでなく、自分が現在担当している仕事を後輩に任せ、次の段階に挑戦することができるため組織にとってWIN-WINなのです。もともと我々のビジネスは、人を育てなければ次の段階に挑戦することができず、自分の市場価値が上がらない業態であるが故、人を育てるということが組織全体に浸透しているのです。

中途採用では候補者のどのようなパーソナリティや行動様式を重視されるのでしょうか?


中途採用では、次の3つのポイントを重視しています。1つ目は、"自立して自分の専門性を高めたい"という思いを持っていること。ある程度のレベルに達したら満足してしまうのではなく、例えて言うならば、下りのエスカレータで、絶えず落ちるスピード以上に上へ上へと駆け上っていくような"達成志向性"を持った方が好ましいですね。

2つ目は、"原因自分説"であることです。物事がうまくいかない時、原因他人説の方は問題の根本的な解決ができないだけでなく、周囲にまで悪い影響を与えます。逆に、原因自分説の方は圧倒的に成長のスピードが速いですね。

そして3つ目は、常に"安定"していることです。お客様を裏切らないということを全うするには自分自身の心身が安定していることが不可欠です。そのようなパーソナリティを見分けるには、仲間から信頼される"いい人"であるか、がポイントになります。当社は全世界共通で、チームワークを大切にし、仲間同士助け合う"いい人"が多い組織です。このような点もまた当社の誇れる部分です。

各コンサルティング分野で求められる専門性についてお聞かせ下さい。

「年金・退職金の制度設計」の分野では、専門的な知識・スキルを必要としますから同分野での経験と知識が求められます。年金数理の一定以上の経験と知識が備わっていることが望ましく、アクチュアリーもしくは将来有望なジュニアアクチュアリー(科目合格者)の方を求めています。

「年金資産の運用」の分野では、運用に対する強い興味と一定以上の知識が必要とされます。金融機関もしくは不動産金融分野で投資に関わった経験や、最低限投資に関わる"空気"を吸ったことがある方が望ましいですね。

「組織・人事」の分野では、人事経験者に限らず人という"生モノ"に対する興味や感受性が必要です。また、原理原則が通用しない一筋縄ではいかないような問題に対し、自ら勉強し解決した経験は、この世界で成功するための疑似体験に繋がるでしょう。
ただし、専門的なスキルや経験以前に、仕事への強いこだわりと美意識を持っていることが、全分野共通で求められます。

外資系コンサルティング・ファームと言うと、勤続年数が平均3~4年と聞きますが、御社に入社された方の平均勤続年数は何年位でしょうか?

当社の平均勤続年数は大体10年前後ですので、業界の中でもズバ抜けて長いと言えるのではないでしょうか。

我々のビジネスは経験の蓄積がモノを言います。突如現れた天才がバリューを出せる世界ではなく、チャレンジし続け、経験を積み重ねることが勝ちに繋がるのです。そのため余程のことがない限り社員を切るということもしません。この仕事は求められるスピード、品質、扱う対象の次元が常に高まり続けますから、それに対応するため、一生をかけてこの仕事をするんだという意気込みが必要ですね。

御社から見た、紹介会社としての(株)エリートネットワークの仕事ぶりを、どうお感じですか?


※左) タワーズワトソン(株)
  代表取締役社長  淡輪 敬三氏
※右) 弊社代表取締役社長
    松井 隆

当社のビジネスを良く理解し、候補者の方にしっかりと説明して頂けていると感じます。そのため的外れな候補者を推薦してこないため、当社の採用担当者も安心して次のステップに進めることができます。もちろん入社された方は、その後も活躍されていますよ。

我々のビジネスは特定の商品を作ったり、明確な業態があるわけではないので、理解するのに非常に難しいだろうなと思います。またビジネスの対象も日々変化しているため、求められる人材も時間と共に変化していきます。つまり今必要な人材が、1年後にも必要な人材であるとは限らないのです。そのため人材紹介会社の方には、如何に我々の「今」を理解して頂けるかが重要なポイントだと思っています。(株)エリートネットワークさんの場合、松井さんが我々の"feeling"をがっちりと掴んでいるという点が大きなアドバンテージですね。

最後に、これからタワーズワトソン(株)にアプライされる方にメッセージをお願いします。

「本来あるべきプロフェッショナルにとって、最も魅力的な会社にしたい」 「日本企業の中で最も尊敬されるプロフェッショナルから成る組織にしたい」というのが我々の強い願いです。それを実現するために、健全な上昇志向を持ち、仲間と刺激し合える存在となって頂ける方に入社頂けたら嬉しいですね。我々は"絶対にお客様を裏切らない"、"仲間を信じる"、"下りのエスカレーターを絶えず上り続ける"方にとって、最高の場を提供できるよう、絶えず努力を続けています。

本日はお忙しい中、長時間に亘りご協力頂き、ありがとうございました。

「2008年のインタビュー第一回目となった今回は、タワーズワトソン(株)代表取締役社長 淡輪 敬三氏と、弊社代表取締役社長 松井 隆との対談形式で作成させて頂きました。」

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タワーズワトソン株式会社
従業員数
全世界 40,000人
代表者
代表取締役社長 大海 太郎
事業内容
●ベネフィット
退職給付、福利厚生制度の設計、ワーク・ライフ・バランス施策、就業規則作成
●リスク・コンサルティング&ソフトウェア
保険コンサルティング、ソフトウェア・ソリューション、リスクマネジメント
●インベストメント
資産運用コンサルティング
●タレント・リワード セグメント
・経営者報酬部門
経営者報酬(役員報酬)
・組織人事部門
グローバル人材マネジメント、人事制度改革、報酬設計
・データ・サーベイ部門
グローバル報酬調査、生計費調査、グローバル従業員意識調査、コミュニケーションおよび変革支援
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
職業紹介優良事業者認定マーク
当社は、全国に約28,000事業所ある人材紹介会社の中で、厚生労働省が審査し、 わずか40社しか選ばれない「職業紹介優良事業者」に認定されています。
※平成26年(第一回認定):全国で27社のみ、平成30年:全国で43社のみ(第二回認定)、令和2年:全国で39社のみ(第三回認定)、令和5年:全国で40社のみ(第四回認定)
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