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33歳弁護士、英語力を生かし、法律事務所から電機メーカーへ

33歳弁護士、英語力を生かし、法律事務所から電機メーカーへ

No.895
  • 現職

    一部上場 大手電機メーカー 法務・コンプライアンス部門   法務  (社内弁護士)

  • 前職

    法律事務所 国際部門   弁護士

川原 吉輝 氏 33歳 / 男性

学歴:早稲田大学 教育学部 社会科 社会科学専修 卒
慶應義塾大学大学院 法務研究科(法科大学院) 修了
弁護士
TOEIC 920点

[1] そもそも大学生もしくは、高校生の頃から、どんな職業・仕事に就きたいと考えていたか

高校生の頃は、どんな仕事に就きたいかという考えはありませんでした。
大学生になり、当時は就職氷河期で、就職活動が大変であり、また、就職した後も社内での競争が激しいだろうと悲観的な気持ちがありました。大学生の間は時間があるので、大学生のうちにがんばって、大勢の競争に巻き込まれないように生きていけたらいいなと考えていました。勉強に打ち込んで将来の職業に繋がるような分野がいいなと漠然と考えていました。

[2] 何をきっかけに、真剣に司法試験にチャレンジしようと腹を括ったのか

勉強の中でも、法学は司法試験という分かり易い目標があり、弁護士は収入が高そうだったので、目指そうと思いました。当時はまだ旧司法試験の時代で、司法試験は現代の “科挙” 試験だ、という恐怖心があり、1年くらいは司法試験を目指そうという気になりませんでした。しばらくは司法試験予備校の受講相談に行ったりして勉強も何もしていませんでした。

法科大学院制度が始まった頃であり、ある予備校の相談員から 「司法試験受けても受からないから、ちょうど法科大学院ができたから行った方がいいよ」 と勧められ、法科大学院に行くことにしました。今から考えると、このアドバイスを真に受けずに、真面目に旧司法試験の勉強をしておけばよかったと少し思っています。

[3] 合格後、どの様な活動の縁で、法律事務所に入所し、そこで、具体的にどんな業務内容・実務を経験したのか

法律事務所は2か所勤務しました。1か所目はひまわり求人求職ナビで応募した事務所です。
2か所目は修習時代にご縁のあった弁護士の所属する事務所です。どちらも企業法務を扱う事務所です。
1か所目では、訴訟を中心とした紛争を多く扱いました。契約書のチェックといった、いかにも企業法務、という仕事よりも紛争が多く、一般民事に近いところがあったと思います。
2か所目では、紛争はほとんどなく、契約書のチェックや顧問先からの法律相談といった一般企業法務を多く取り扱いました。会社法、労働法、知財、不動産、M&A、倒産などの多くの分野の仕事がありました。英語を使った仕事もありました。色々な分野の仕事ができた反面で、特段これといった専門分野は身につかなかったような気がします。

[4] なぜ、企業法務に転向しようと思うに至ったか?

2か所目の直属のパートナー弁護士の1人との仕事が嫌になったのが主因です。そのパートナーからは色々指示を出されましたが、納得できるものが少なく、その弁護士の理解不足、経験不足や問題の整理を自分でせずに、無駄なリサーチや検討をアソシエイトに振るだけの仕事スタイルに不満がたまっていきました。そのパートナーとの仕事では、「契約書のこれを直せ、ここをああしろ」 と指示を受けていましたが、その指示を受けて契約書を直しても、そのパートナーの趣味や知識不足に付き合っているだけで、いい仕事をしているようには全然思えませんでした。その時間がかさんでクライアントへのタイムチャージが膨らむことは私には不快でした。その弁護士の人間性や人となりも尊敬できず、事務所を辞めようと思いました。

法律事務所は既に2か所勤務していたので、3か所目は転職は難しいと思っていました。また、パートナー弁護士は、クライアント確保のストレスを抱えながら好き勝手やっている人種だと思っていたので、3か所目に行ってもまた同じようなことになると思いました。
企業法務の専門家と言われる弁護士が、顧問先のビジネスの内容がほとんどよく分からないのに偉そうなことを言って、だらだらと深夜まで時間を使ってあまり役に立ちそうもない成果物をクライアントに提供することも少なからずある現状を見て、少し幻滅したこともあります。企業法務弁護士はビジネスにも詳しいものだと思っていました。実際はそうではないと思います。

前向きな理由で言うと、ビジネスにより近い場で、営業や売り上げといった面を抜きにして、より直接的に自分の法律家としてのスキルが役立つ仕事が企業の法務部門ならできるのではないかと思い、企業への転職を考えました。

[5] (株)エリートネットワークには何がきっかけで登録したのか

「弁護士の転職」 で検索していたところ、キーワードでひっかかり、登録しました。

[6] 転職活動中の大変さ、それらを通じて学んだ事、気付いた事、こだわった事、逆にこだわりを捨てた事。また、後進の弁護士有資格者が転職する際の応援メッセージ

転職活動を始めようと思った最初の頃が大変でした。「企業へ行こうかな」 とふわっとした気持ちで考えていたため、具体的な志望企業がありませんでした。前職の法律事務所に比べると企業の方が収入が下がるケースが多く、そのような曖昧な状態で多くの企業の求人票を見ても、「聞いたことない会社だ」 とか 「給料安い」 とだけ考えて、少しも転職に前向きになれませんでした。
ただ、そんな中でも 「ここに行けたらいいな」 という企業が数社はあるので、少しでも応募をし始めると、数社だけでなく、色々他の企業も見てみようという気になりました。結局20社くらい応募しました。応募のタイミングは重要だと思いますが、まずは思い切って応募してみる行動は重要だと思いました。

こだわりとして、興味を持てない業種の会社には受けに行かないということがありました。あるヘッドハンターから、「ITベンチャーに行くべきだ。伸び盛りの業界で、会社の成長過程に参画でき、未知の問題のパイオニアになれる。将来の転職先にも困らない。」 という提案を受け、そのベンチャー企業は規模も大きく、給与も良かったため、非常に悩みました。ただ、そのベンチャー企業は、主な売り上げがスマホゲームでした。私は、スマホゲームは社会的害悪だという気持ちが根底にあったため、その企業ではがんばれないと思い、提案を拒否しました。それはそれで良かったと思っています。

[7] 一流メーカーの法務部でこれからやりたい・学びたい事及び、意気込み等

これまでは、「弁護士として」 腕を磨こうと思ってきました。これからは、「ビジネスマンとして」 腕を磨いていくつもりです。ビジネス直結の現場で会社の役に立つようがんばることが最高のスキルアップだと思っているので、精一杯会社のためにがんばりたいと思います。ただ、会社に頼りっ切りにならず、たとえ会社が急に倒産したとしても、自分の腕で食べていけるような企業法務の専門スキルを身につけていきたいと思っています。

今般の転職活動でのご支援に、改めて、御礼申します。

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