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行政書士、行政書士事務所から、念願の企業法務に転職

行政書士、行政書士事務所から、念願の企業法務に転職

No.831
  • 現職

    一部上場 総合電機メーカー系インターネット・サービスプロバイダー    法務部 法務担当

  • 前職

    食品メーカー 地方支店    法人営業職
    行政書士・社会保険労務士事務所 行政書士

南浦 二郎 氏 29歳 / 男性

学歴:中央大学 商学部 商業・貿易学科 卒
行政書士
ビジネス実務法務検定 2級

転職するに至った背景

私は大学卒業後、食品メーカーに法人営業職として就職しました。その食品メーカーで約5年半勤務して周りのスペシャリストと接しているうちに、専門的な知識や経験を持つことに魅力を感じ、徐々に自分の中でスペシャリストへの志向が強まっていきました。そしてある時行政書士試験に合格した友人から法律的なアドバイスをもらったことをきっかけに、自分も法律的な知識や経験を身に付けたいと強く感じ、行政書士試験にチャレンジすることにしました。

私は商学部出身で法律初学者でしたが、会社に勤めながらコツコツと試験勉強を続け、1年半後に合格することができました。その後行政書士として1年半経験を積んでいきましたが、戦略的な要素が強い企業法務への志向が強まったこと、違う分野の人たちとチームで仕事してみたいと思ったこと、将来的にも安定収入が見込め且つ転職市場で価値を高められる職に就きたいと思ったこと、以上の3つの理由から企業の法務担当になることを目指して転職活動することを決意しました。

転職活動から内定まで

行政書士から企業の法務担当への転職を決意しましたが、決して簡単ではないということは最初から理解していました。企業の法務の求人では一番にその経験が求められ、司法試験合格者や弁護士資格保持者でさえも事業会社での法務経験がない場合は書類選考で落ちてしまうことも多い。そんな現状はずっと前からのリサーチで重々承知していましたが、まずはチャレンジしてみないことには何も始まらないのでとにかく行動しようと思い、(株)エリートネットワークさんに登録して担当の転職カウンセラーの廣重さんと色々お話させて頂きました。

お蔭様で転職市場の状況や自分の立ち位置がリアルに把握できましたが、やはり少しでも望みのある法務部門の求人には全て応募してみるという方法を採るしかなく、廣重さんにピックアップしてもらった求人案件には全て応募してみました。24社応募して書類選考を通過したのはたったの4社という覚悟通りの厳しい結果でしたが、4社共いずれも優良企業だったので高いモチベーションで1次面接に向けた準備をすることできました。

そして(株)エリートネットワークさんの廣重さんに色々アドバイスを頂きながらしっかり対策をして面接に臨み、結果的には2社から内定を頂くことができました。しかも、そのうち1社は日本を代表する超大手メーカーのグループ会社で、自由且つ裁量のある職場環境があり、前職より150万円の年収増加が見込めるという、私の中ではこれ以上ない条件でしたので迷うことなくその企業への入社を決めました。

学んだこと・気付いたこと

まず転職エージェントに関してです。(株)エリートネットワークさんの他にも登録した転職エージェントはありますが、それぞれ対応は千差万別です。中にはあまり良い条件とは言えない求人案件を1件だけ紹介してその後連絡なしというエージェントもありました。(株)エリートネットワークさんのように細部にまで相談にのってくれて希望に沿った求人をコンスタントに紹介してくれるエージェントを信頼して重点的にお付き合いするのが良いと思います。実際(株)エリートネットワークさんが紹介して下さった求人案件にはいわゆるブラック企業的な求人は全くなく、どれも優良企業ばかりでした。

次に法務部門の求人全体に関してです。前述の通り法務の求人においては実務経験重視なので未経験や経験が少ない場合はそもそも応募資格にも満たないことも多いですが、ポテンシャル重視の企業やこれから新しく法務の部署を立ち上げる企業の求人 (ITベンチャー企業に多い) においてはそこまでのレベルで実務経験は問わないことも多いと感じたので、未経験や経験が少ない方でもどんどんチャレンジはしてみるべきだと思います。

続いて書類選考に関してです。法務部門の求人が実務経験重視とは言えベースとなる法的知識は不可欠なので、法律系の資格や学歴はもちろんプラスになるかと思います。私の場合は法学部ではなく商学部卒でしたが、行政書士資格とビジネス実務法務検定2級を取得していたので、ベースとなる法的知識はあるという評価は得ていたと思います。高得点合格や短期間合格の場合はその旨を職務経歴書に記載するとポテンシャル面も含めて評価が上がるかもしれません。

実務経験に関しては基本的に事業会社での法務経験を求められますが、法律系事務所での経験も考慮する企業も割と多かったです。私の場合、1年半の行政書士事務所の業務で、契約書の作成・株主総会議事録の作成・定款の変更といった企業法務も経験していたので、職務経歴書ではそれらを具体的に表すことを心掛けました。また、法務部門以外の勤務経験でも法務に活かせる経験・スキルは積極的にアピールするべきだと思います。私の場合は食品メーカーの法人営業で特注品の契約案件や債権回収なども経験していたので職務経歴書にしっかり記載しました。

最後に面接に関してです。書類選考を通過したということは、資格や経験面においては企業の求める最低レベルには達していたということが言えると思いますので、あとは主にポテンシャル勝負だと思います。特に実務経験が少ない人の場合は他の応募者よりも高くポテンシャルを評価してもらう必要があり、私もここに注力していくつか対策を練りました。

まず1つは想定される質問に対する回答を事前にノートなどにまとめておくというスタンダードな対策ですが、私の経験では 「どういう経緯で今回の転職を決意するに至ったのか」 を細かく聞かれることが多かったので、大学卒業以降の心境の変化や今後のキャリアプランについて、矛盾なく自分の言葉で説得力のある回答をできるように準備しました。私のように士業から一般企業へ転職する場合は特にここが重要かと思います。

もう1つは綿密な企業研究です。私が受けた企業では、その企業のサービスや方針に関して直に聞いてくることはあまりなかったですが、面接のやり取り全体で応募者がどれだけその企業について知っているかは見ていると思われるので、回答の節々やこちらからの質問にその企業に関する知識 (誰もが知っていることではなく、しっかり企業研究したからこそ得ることができた知識) を自然に織り交ぜると効果的かもしれません。

更にもう1つは、法務以外の経験を逆手に取って強みに変えるということです。私のように企業での法務経験がない人は実務経験という同じ土俵で戦っては経験者に勝てないため、別の切り口で攻める必要があると思います。そこで私は 「営業経験があるからこそ取引現場に沿う法務を実践できる」 という強みを面接でアピールしました。

実際問題、各企業において法務部門の考え方や思いが現場の実態に沿っていないということは大々にしてあり、特に新卒から法務一筋の人が大半の法務部門ではそこがネックになることが多いかと思います。私が入社を決めた企業も上記の強みを高く評価して頂き、役員の方からも 「現場が法務に求めることをよく理解しているね」 という言葉を頂けました。

おわりに

行政書士から企業の法務担当に転職するという例はあまりないと思います。実際に私の知っている行政書士にもそういう人はいません。そのため私も当初は 「本当にうまくいくだろうか?」 という不安だらけでした。しかし結果的には(株)エリートネットワークさん経由以外の選考も含めて内定が4社、最終面接まで突破が2社 (選考はこちらからお断りしました) という期待以上の結果を得ることができました。

今回の私の経験によって、行政書士試験合格者や現役行政書士の方に対して 「企業の法務担当に転職する」 という新たなキャリアプランを提示できたなら非常に嬉しく思います。世間で言われているように法務部門の採用は狭き門です。しかしだからこそ転職に成功して経験を積めば価値あるキャリアを積むことができるため、挑戦してみる価値は大いにあると思います。

法務に限らずですが 「企業が求める実務経験がない又は少ない」 「保有資格を希望の転職に活かす自信がない」 このような理由で希望の転職を諦めてしまうのは非常に勿体ないことだと改めて感じました。

最後に、(株)エリートネットワークさん、そしてご担当の転職カウンセラーの廣重さんには本当に感謝の気持ちで一杯です。勿論今回の転職は新たなスタートに過ぎないので、これから精一杯業務に励み法務経験を積み重ね、より理想とするキャリアプランを実現していきたいと思います。

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