企業インタビュー

三菱電機株式会社 企業インタビュー

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「家電から宇宙まで」 という幅広い領域で、独自の戦略に基づいてグローバルにビジネスを展開する総合電機メーカー、三菱電機株式会社。今回は人事部採用グループマネージャーの高石 圭悟氏に、常により良いものを目指して変革に挑む同社の強み、創立100周年に向けた成長戦略、多様なバックグラウンドの人材を歓迎する社風、中途採用者に望むこと等についてお話を伺いました。

幅広い領域に亘る貴社の事業の全体像について、改めてご説明下さい。


人事部 採用グループマネージャー 高石 圭悟 氏

当社は、液晶テレビや冷蔵庫等に代表されるホームエレクトロニクス分野から、タービン発電機やエレベーター等の重電分野、FA機器を始めとする産業メカトロニクス分野、人工衛星や無線通信システム等の情報通信分野、パワーモジュール (半導体) 等の電子デバイス分野に至るまで、非常に幅広いフィールドで事業を展開しています。

それぞれの事業領域で確固たる強みを持った 『三菱電機製品』 を提供してきた歴史を持っているのも特徴です。現在、12の事業分野の中で国内・世界でトップクラスの製品群を数多く生み出しています。

三菱電機の製品が評価され、お客様に長く使って頂くためには、何よりも 「技術」 と 「品質」 そして 「信頼」 が重要だと思っています。各事業領域の中で蓄積される技術力、最先端の研究開発活動、品質管理からアフターサービスに至る一貫した体制の構築、そのどれが欠けてもお客様からの信頼は確保できません。常にお客様の課題に対して真摯に向き合い継続的に挑戦しつづけることが、三菱電機のミッションだと思っています。
1921年 (大正10年) 三菱造船株式会社の電機製作所を母体に当社はスタートしています。その後、高度経済成長、オイルショック、バブル経済とその崩壊、企業活動のグローバル化へと、激動する時代の中で一歩ずつ総合電機メーカーとして存在感を増してきた歴史の中で、先輩方の 『情熱』 が 『ビジネス』 となり、現在幅広い事業分野での成長を可能にしている、そんな感覚があります。

信頼を重視する “ものづくり企業” として、貴社はどのような考え方や姿勢を大切にしておられるのでしょうか。

三菱電機グループは、企業理念として、 “Changes for the Better” を掲げ、私たち社員一人ひとりは 「常により良いものを目指し、変革していく」 という共通の目標や姿勢を持って業務に臨んでいます。
多様な変化に挑戦するという意味で、 “Changes” と複数形にしており、また、一つの達成や成果に満足せず、絶えずより良いソリューションの提供を目指していこうとの意志を込めて、 “the Better” という比較級を使っています。
更に、経済・産業のグローバル化、社会的な環境意識の高まりを背景に、 「グローバル環境先進企業」 を目指して、全ての事業分野で世界を舞台に環境に配慮したビジネスの育成に取り組んでいます。また、経営戦略として 「成長性」 「収益性・効率性」 「健全性」 の3つを重視する 「バランス経営」 を推進し、強い経営体質を構築しながら持続可能な成長を実現していこうとしています。


「国内トップクラスのシェアを獲得し、世界市場でも5本の指に入るような製品を社会に送り出すことができるのも、会社の中に 『ものづくり』 を大切にする姿勢が脈々と受け継がれているからだと感じています。」

バランス経営を実現するために、当社では 「現場重視」 と 「連携重視」 という2つのフレームワークを設けています。
「現場重視」 の現場とは、ものづくりの現場と営業・サービスの現場を指します。即ち製造、品質、コスト、技術力、開発力、知財からなる 「ものづくり力」 を強化すると共に、お客様との接点である営業・サービスの競争力を強化していくことです。
「連携重視」 とは、インテグレーションやシナジーの追求のことで、 1)製造・販売部門間、 2)事業セグメント間、 3)事業・コーポレート間、 4)グローバル間の連携 (マザー工場(国内)と海外拠点など)、によって新しい価値を生み出そうというもの。これらを 「2現場 4連携」 と言って、社内の活動指針としています。

例えば、トータルセキュリティーソリューションディガードという商品があります。ビル施設管理システム、映像監視システム、情報セキュリティ-システムなど、様々な事業領域の中で生まれたシステムを融合させることで、ビル丸ごと一元管理しセキュリティーを強化するもの、また、自動車機器事業の中にも、一つの車の中に衛星や映像情報技術を利用したカーナビゲーションや通信技術を利用したETCなどがあり、様々な事業分野を越えたシナジーによって実現された商品があります。
お客様のニーズや課題を発掘する営業部門と複数の事業間の技術・ノウハウの連携があって、新たな付加価値を生み出すシナジーを創出しています。

こうした戦略や指針の下、企業理念である 「技術、サービス、創造力の向上を図り、活力とゆとりある社会の実現に貢献」 し、より素晴らしい明日を切り拓いていく。それが三菱電機らしい企業活動であると思っています。

経営理念や方針に沿って、貴社は今どのような戦略で更なる成長を目指しておられるのでしょうか。


「海外では電力システム等の社会インフラ事業の成長率が、特に高くなってきています。」

三菱電機グル-プは、 「強い事業をより強く」 を目指したVI戦略と、 「強い事業を核としたソリュ-ション事業を強化」 するAD戦略を基本とし、国内及びグローバル市場の事業を推進しています。
Victory(勝利) の先頭2文字から名付けたVI戦略では、強い事業をより強くしていくため、技術シナジーによる製品競争力の強化と、新たな 「強い事業」 の創出に継続的に取り組みます。
Advance(前進) の2文字を採ったAD戦略では、既存の強い事業を核とするソリューション事業を強化しつつ、培った経験をベースにITの活用と社内外の連携を図り、事業領域の一層の拡大を目指します。

グローバル事業の強化という視点では、全売上高に占める海外比率を40%に高めることを目標に、世界36カ国に94社、111拠点を展開しており、全ての事業分野でビジネス拡大の可能性を探っています。中でも中国市場及びアジア・中南米の新興国市場の強化を推進中で、これらの地域では、スマートコミュニティを実現する電力システム事業等の公共・エネルギー分野、FAシステムやエレベーター等の産業分野、自動車機器等の強化に積極的に取り組んでいきます。

毎年、多くのハイポテンシャルな新卒社員を採用している貴社で、中途採用者に期待することは何ですか。


「当社は生え抜き社員と中途社員で差がほとんどなく、評価や昇格基準も同水準です。」

背景としては、団塊世代社員の定年退職があります。当社の事業を取り巻く環境が多様化する中で多様なバックグラウンドを持つ人材を補強するニーズが生まれています。また従業員全体の年齢構成のバランスから、30歳から40歳前半の年代層の厚みを増す必要があると感じています。
非常に幅広い領域でグローバル事業を強化しているため、海外市場向けの製品の設計・開発経験や海外営業経験を活かして頂けるフィールドが数多くあると考えています。 「自分の経験は特殊な分野に偏っているから」 とか、 「特定の国や地域、市場特性に精通しているだけだから」 等とお考えの方々にも、その経験を活かして頂ける事業が必ずあると言えるでしょう。

当社執行役社長の言葉ですが、 「異種の知」 が集まることで、新たな企業成長が可能になると話しています。グローバルな事業拡大を推進する上で、様々な専門分野を持った人材から学び、多様性のある意見や知識を取り込み、融合することで、新たな価値を創造し続けられると考えています。
中途採用者の皆さんに期待するのも、正にこの 「異種の知」 によって当社に新たな刺激を与えてくれることに他ならないと言えると思います。
技術職、営業職を問わず中途入社の社員が多く活躍しています。中途入社であることを意識することなく、自分の経験・知識を発揮し、組織としてチ-ム一丸となって取り組む姿勢があれば、誰もが三菱電機の一員として溶け込むことができる環境があると思っています。
これまでのキャリアを活かし、当社の一員として長く働きたいと思って頂ける人で、経験・年齢によらず新たなスタートとしての謙虚な姿勢で当社の理念や風土、仕事の中で大切にしている行動規範等を積極的に吸収して頂ける方々が、入社後、短期間のうちに成果を上げ、活躍されていると感じています。

高石様は貴社の中途採用における課題やニーズをどのように捉え、取り組まれていますか。


「 『ものづくり』 を重視する会社であると同時に、 『人を大切にする会社』 であると実感しています。」

社員の満足度、所謂ES (Employee Satisfaction) を追求していることが、当社が新しい製品を生み出したり、より良いソリューションを提供したりする土壌になっており、これも、当社の長い歴史の中で培われた風土であると感じています。

私は入社以来、一貫して人事部門でキャリアを積んできました。本社を始め京都府、広島県の生産拠点で人事・総務の業務全般に携わってきましたが、新入社員の頃から上司や先輩に指導され、現在も実践し部下にも勧めている行動指針が一つあります。それは、 「一日デスクに座って仕事をするのではなく、常に現場へ行ってコミュニケ-ションを取る」 というものです。

入社一年目、本社人事部に配属になった私は、上司に命じられて全国各地の事業所を訪問しました。社会人の第一歩として、全国規模で様々な人との 「出会いの場」 を設けることができた訳です。一年目から築き始めた “現場との人脈” は、後になって、ある程度大きな仕事を任され、自分なりに考えた新しいアイデア等を形にする際に大いに役立ちました。

映像表示装置を製造する京都製作所に赴任してからも、毎日、午前と午後のコースを決めて生産現場を回ることから始めました。初めは 「一体誰が来たんだ?」 といった視線で迎えられるのですが、何度も通って話をしているうちに次第に人間関係ができていきます。今何に困っているのか、自身のキャリアアップのためにどう考えているのか、人事担当者として業務環境の改善にできることはないかと真剣に考えました。
コミュニケーションが取れるようになると、現場に顔を出すと多くの社員が声をかけてくれ、色々と相談を持ち掛けられるようになります。上司にも言えない悩みを打ち明けてくれる人もいて、20代の私にとって、それはとても嬉しい貴重な経験でした。

現場で人と会ってよく話を聞き、そこで得た情報を自分の中に蓄積していくと、人事の仕事に活かすことができます。社員一人ひとりキャリア観は異なるので、一概に 「こうなれば良いのでは」 という姿を示すことが全員の幸せではありません。だからこそ現場に出向いて一人ひとりと話すことが重要であり、その人のキャリア発展のためにできることを個別に考えていく。社員の悩みに共通項があれば、何らかの制度によって解決を図ることも可能です。
先輩方から学んだこうした行動・取り組みから、人を大切にする三菱電機のベースが出来てきているのではないかと思います。

最後に、貴社を志望する方や、潜在的な候補者へメッセージをお願い致します。


同社の幅広い事業領域を紹介しているパネルの前で。

中途入社した社員の話を聞いていると、全ての事業部に、新たに三菱電機の一員となった人材を 「柔軟に受け入れる体制」 があることが分かります。自ら当社の社風・仕事のスタイルに適応しようと努力して頂くことは当然必要ですが、 「当社ではこうやるんだ」 と従来のやり方を一方的に押しつけるのではなく、 「前の会社ではどういう仕事をやっていたの?」 とその人自身に興味を持って積極的にコミュニケーションを図り、新しいメンバーが持ち味を活かして活躍できる環境を作っていこうとする風土があります。
私自身の経験からも言えますが、自分の専門外のテーマで社内の誰かに相談を持ち掛けると、その相手はたとえ忙しい時期であっても必ず話を聞いてくれるし、的確なコメントを返してくれます。 「連携重視」 のチームワークがカルチャーとして根付いているからです。中途入社の皆さんも、どうぞオープンなマインドで各組織に飛び込んでいって欲しいと思っています。

最後になりますが、一人ひとりのやる気「情熱」をチ-ムとして「組織」で力を発揮する、それが三菱電機のスタイルです。

本日はお忙しい中、長時間に亘りご協力頂き、ありがとうございました。

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三菱電機株式会社
設立
1921年1月15日
資本金
175,820百万円
上場証券取引所
東証1部
従業員数
138,700名
本社所在地
東京都 千代田区 丸の内 2丁目 7-3 東京ビル
代表取締役 取締役社長
柵山 正樹
事業内容
総合電機メーカー(重電システム部門、産業メカトロニクス部門、情報通信システム部門、家庭電器部門、その他)
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
職業紹介優良事業者認定マーク
当社は、全国に約28,000事業所ある人材紹介会社の中で、厚生労働省が審査し、 わずか40社しか選ばれない「職業紹介優良事業者」に認定されています。
※平成26年(第一回認定):全国で27社のみ、平成30年:全国で43社のみ(第二回認定)、令和2年:全国で39社のみ(第三回認定)、令和5年:全国で40社のみ(第四回認定)
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