企業インタビュー

株式会社電通レイザーフィッシュ 企業インタビュー

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電通と、グローバルに展開する、フルサービス・デジタル・エージェンシーであるレイザーフィッシュ社とのジョイントベンチャー 電通レイザーフィッシュ。
今回は代表取締役社長 得丸 英俊氏に同社のビジネス内容や他の電通グループ会社との違い等についてお話を伺いました。

貴社が標榜しておられる 「デジタルエージェンシー」 とは、どのような企業体なのでしょうか。


東京大学 経済学部を卒業後、(株)電通へ入社。
2009年11月より当社の代表取締役社長に就任。

「デジタルエージェンシー」 とは、マーケティングとテクノロジーを融合させる形でクライアントの課題解決をする、デジタルの領域に特化した代理店を指します。

米国で 「デジタルエージェンシー」 と言われている代理店は、元々ダイレクトマーケティングや、CRMといったバックグランドを持っている企業が多いです。

逆に日本の場合は、デジタルメディアのセールスを軸に成長をしてきた代理店、いわゆる 「ネット専業代理店」 がデジタルマーケティングの領域では市場を牽引し、またウェブのインテグレーションを行なっている会社群は「制作会社」に束ねられてしまう事が多いため、日本にはまだ明確な 「デジタルエージェンシー」 が確立しているとは言い難いです。
当社では米国風の 「デジタルエージェンシー」 が、日本に存在しても良いのではないかと考え、自社を 「デジタルエージェンシー」 であると称しております。

貴社の手掛けるビジネスの内容についてお聞かせ下さい。

当社は先述の通り 「デジタルエージェンシー」 であり、デジタル領域全般に対して強みを持っています。
いわゆる 「トリプルメディア」 全体を俯瞰してクライアントの課題を解決する為の様々な提案をしております。

具体的には、デジタルの観点から見たコミュニケーション戦略の立案に始まり、システム開発まで含めた、ウェブサイトの構築、ペイドメディアに関するマーケティング、ソーシャルメディアの活用コンサル・運用等を手掛けており、上流のコンサルティング部分では、リサーチやデータ分析等も実施します。

「トリプルメディア」 とはどのようなものでしょうか。

「トリプルメディア」 とは、企業がWEBマーケティング戦略を立てる際に利用する、マーケティングチャネルを3つの枠組みに分けて整理したフレームワークの事です。

コーポレートサイトやブランドサイトなど、自社で保有するメディアを指す 「Owned Media」 、バナー広告や検索連動型広告など、利用するのに広告費を必要とするメディアを指す 「Paid Media」 、SNS等消費者が自由にコミュニケーションを取りうるメディアを指す 「Earned Media」 から構成されます。


元々当社は 「Owned Media」 のサービス提供から始まった会社です。
2007年にレイザーフィッシュ社とのジョイントベンチャーにより手掛ける領域を広げた結果、 「Paid Media」 つまりインターネット広告の領域も取り扱うようになりました。
この時、既に 「ネット専業代理店」 など競合となる企業が多く、他社と差別化を図る必要がありました。
そこで当社は、第三者配信など、米国では一般的に活用されているものの、日本ではあまり使われていなかったアドテクノロジーを研究し、活用する事で、この技術を必要とするクライアントを独自に開拓しました。

「Earned Media」 に於いては、ソーシャルメディアがマーケティングやコミュニケーションのツールとして注目され始めた2010年くらいに、Twitterをクライアントのキャンペーンに活用できないかという考えから始まりました。
そこから当社は、徐々に他のソーシャルメディアにも手を伸ばしましたが、その中でも特に、2011年に電通と業務提携したFacebookを非常に大事なツールだと捉えています。

業務提携とほぼ同時期に、Fecebookを中心としたソーシャルメディアを活用する為の専門のチームを立ち上げ、よりソーシャルに特化したコミュニケーションのプランニング、新しい形のサービス開発を行いました。
その結果、当社は昨年 「Preferred Marketing Developer」 という、日本初のFacebookが認定するマーケティングパートナーとして認定を受けました。
また、Fecebook以外にもGoogle+に於いて 「Google+ ページ サードパーティー管理ツール パートナー」 の認定を受ける事ができました。

当社はこれら三つの領域のビジネスを広げていく事により、マーケティングやコミュニケーションはそれぞれを切り離して考えるものではなく、デジタルによって統合的に利用方法をプランニングすべきだと考えています。
今後も、デジタルで集約されたマーケティングを様々なクライアントへ提供していきます。

電通グループ内には貴社同様、企業にマーケティングサービスを提供する会社も御座いますが、どのような違いがありますか。


一番の違いは、デジタル領域を主軸にしているか否か、という点にあります。
電通グループ内にある、他のマーケティング会社は、もともとノンデジタルの領域からスタートしていますが、当社は、創業以来デジタル領域のみにフォーカスしてマーケティングを行っています。
現在、企業のマーケティングコミュニケーション(販促活動)は、デジタルを活用していく方向へどんどんシフトしています。
その為、他の電通グループ会社も、クライアントの要望に応えているうちにデジタル領域も手掛けるようになり、当社のビジネスに近づいて来てしまったという背景があります。

ただ、逆に当社がノンデジタルの領域をやらないわけでもなく、デジタルの仕事からスタートして、課題解決のために、イベントのプロデュースやテレビCMを中心としたキャンペーンを実施するということも起きています。
デジタルネイティブであることを強みとして、領域にはとらわれずに、ソリューションを提供するというのが、当社のスタンスです。

また、Razorfishとのジョイントベンチャーであるという点もユニークです。
海外と連携してプロジェクトを推進したり、海外からの知見を日本に持ち込む事で、他社とは違ったソリューションをご提供できると思います。

数多くの企業のプロモーションを手掛けていらっしゃると思いますが、具体的な事例について教えて頂けますか。


復興支援活動の一環として、営業休止に追い込まれていたスパリゾートハワイアンズ様の情報発信も担当。
この時、当社はFacebookに於けるコミュニケーション設計や、運用をする際のコンサルティングを実施しました。

従来、企業や製品ブランドのデジタルマーケティング施策を支援する業務が中心でしたが、最近は、もう少し踏み込んで、企業がオンライン上で新しいサービスを開発する際に、サービス設計の頭から参画するということが起きてきています。

それらの中でも特徴的だった案件は、GEヘルスケア・ジャパン(株)様の健康や病気に関するコミュニティ作成ですね。
GEヘルスケア・ジャパン(株)様は、検査機器の提供により、人々の健康維持に貢献する事を理念として掲げている会社ですが、今後はオンライン上で 「健康」 についてより多くのユーザーと双方向の情報共有・コミュニケーションができる場を作りたいとお考えになり、当社へご相談にいらっしゃいました。
この案件を進めるにあたり、当社はサイトの構築業務を担当するのではなく、サービス設計の企画段階から、コミュニティが実際に立ち上がるまでプロジェクトの全体に携わりました。

また、富士重工業(株)様の 『SUBARU』 のブランディングも特徴的な案件でした。
昨今、国内では若年層の車離れが大きな課題となる中で、今までの販売プロモーションではなく、若年層に対して新しい形の企業ブランディングにチャレンジしようという事で、 『新世紀エヴァンゲリオン』 等のアニメを制作したGAINAXというアニメ制作会社とのコラボレーションを提案し、30分のアニメーションを制作しました。
これは大きな反響を呼び、アニメ情報誌やTV番組、オンラインメディア、ビジネスサイト、新聞、雑誌等といった幅広い媒体に取り上げられたり、Youtubeで月間の再生回数が日本で一位になったりと、ブランド認知の拡大に貢献する事ができたと自負しております。

※その他プロモーションについては、こちら

2009年に得丸社長が代表取締役へ就任されてから、どのような事に注力して取り組まれましたか?


今まではっきりと定まっていなかった会社のミッションを定め、更に行動規範を作りました。

私が定めたミッションは 「Experience Innovation」 です。
レイザーフィッシュ社は、自社のビジネスについて 「企業のビジネスを一緒に作っていく為のExperience(体験・経験)を創造する。」 と言っています。
デジタルというツールを使用する事により、企業とユーザーとが双方向のコミュニケーションを展開し、様々な体験ができるようになってきました。
その中で企業が 「Experience」 を創る・設計する事が大事であるという認識が米国では常識になっており、これを定着させたいと考えたからです。

また、電通グループでは、マーケティングやユーザーとのコミュニケーションを図る上で、「Innovation(革新)」 が重要視されています。 「Experience」 と共に、この言葉も定着させたいと考え、ミッションの中へ取り入れました。

当社の行動規範である 「Innovative、Productive、Respectable」 は、普段から私が重要だと感じている事をベースに作成しました。
この三つの中で、私が最も重要だと思っている言葉は 「Respectable」 です。
円滑に仕事を行っていく為には、能力のある人同士がコラボレーションし、互いにリスペクトし合いながら仕事を進めていく必要があるからです。
他者から尊敬され、周囲から 「貴方と仕事がしたい。」 と思われる人になる為には、常に自己研鑽をする必要があります。
その中で、自分に足りない能力や欠けている知識等を理解する事で、相手を敬う気持ちが芽生え、互いに啓発し合いながら仕事を進める事ができます。

今後も革新的なアウトプットと生産的な行動を基に、社員同士で互いに敬い合える人物となる為の努力を怠らず、業務を遂行していこうと思います。

現在、募集しておられる職種や、求める人物像についてお聞かせ下さい。

当社の業務領域が幅広いために、様々な職種で募集をしています。

アカウント担当、Webプロデューサー、プロジェクトマネージャー、メディアプランナー、エンジニア、グローバルアカウント担当、またビジネスが伸びているソーシャルメディアマーケティングチームの人材等、幅広く募集をしています。
これらの中でも特に注力している職種はエンジニアとグローバル案件に対応できる人材で、短期ではなく中長期的に採用活動を続けていこうとしています。

当社が担当しているビジネス領域は変化が激しい為、新しいコミュニケーション方法やマーケティングの在り方に対して興味・関心、それらを自分から学んでいこうとする姿勢が必要です。

そのような姿勢同様に、広い意味での 「クリエイティブマインド」 も重視しています。
ここでいう 「クリエイティブマインド」 とは、デザインやコピーライティングの力といったものではなく、日々のビジネスの中でも創意工夫をして、自分の仕事の価値を高めて行こうと考える気持ち/姿勢のことです。
ビジネスを仲間と一緒に構築していく事や、社内のコミュニケーションを円滑に図る為のアイディアなど、ビジネスのあらゆる局面でクリエイティビティは求められると思っています。

また、異文化や異分野に対する好奇心、リスペクトの気持ちを持っている事も重要です。
仕事をしていく際、クリエイティブディレクターがエンジニアと話をして新しいバリューを生み出す等、互いの垣根を越えてコラボレーションが必要となる場面が多くあります。
異文化や異分野に対して興味・関心を持ち、それをお互いにうまく活かそうというマインドは非常に大事ですね。

英語力については、どのくらい問われますか。

レイザーフィッシュ社や、シスターカンパニーと一緒に仕事をする専門の部門で働きたいという方に関しては、一定レベル以上のビジネス英語力が求められますが、その他の部門に関しては、日本の企業様を相手に日本語で仕事をする事が多い為、英語力は問いません。

とは言え、デジタルマーケティングに於ける最新の情報は、基本的に全て英語で発信されます。
そこにいち早く触れる事ができれば、ビジネスの幅をより広げられるので、英語はできるに越した事はありませんね。

最後に、貴社を志望する方、及び潜在的な候補者へのメッセージをお願いします。


当社は今、会社的にも、また業界的にも発展段階故、面白い時期だと思います。

先進国の中でも日本は、マーケティングやコミュニケーションの分野に於いて、デジタル化が遅れているといわれています。
しかしこれは日本にはたくさんの伸びしろがある、と捉える事もできます。

今後日本の企業がグローバルで活躍しようと思うならば、デジタルシフトについてもっと意識しなければならないし、グローバルのノウハウを取り入れて変化していく必要があります。
当社はグローバルと連携して業務を行う事ができる為、現在海外で何が起きているのか直にその目で確かめる事ができます。
その中で、日本の会社としてどのような施策を打ち出せば良いのか、クライアントに対してどのようなサービス展開をすれば良いのかを考え、提案していく事で業界全体に良い影響を与えていきたいと思っております。

クライアントと共にビジネスを変えていくというひたむきな情熱、新しい情報や知識等に対する飽くなき好奇心を持って、当社で仕事をしたいとお考えの方のご応募をお待ちしています。

本日はお忙しい中、長時間に亘りご協力頂き、ありがとうございました。

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株式会社電通レイザーフィッシュ(現:株式会社電通iX)
設立
2001年4月2日
資本金
4億円
本社所在地
東京都 中央区 築地 5-6-10 浜離宮パークサイドプレイス14F
代表取締役社長
得丸 英俊
事業内容
コミュニケーション戦略 、ソーシャルメディアマーケティング、メディアプランニング/SEM/SEO、UXデザイン、クリエーティブ、リサーチ&分析、システム/テクノロジー
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
職業紹介優良事業者認定マーク
当社は、全国に約28,000事業所ある人材紹介会社の中で、厚生労働省が審査し、 わずか40社しか選ばれない「職業紹介優良事業者」に認定されています。
※平成26年(第一回認定):全国で27社のみ、平成30年:全国で43社のみ(第二回認定)、令和2年:全国で39社のみ(第三回認定)、令和5年:全国で40社のみ(第四回認定)
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