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株式会社日本M&Aセンター 企業インタビューいろんな企業に、事業内容や社風、採用活動などについて、経営者や人事担当者に取材した声をまとめました。
(株)日本M&Aセンター 代表取締役会長 分林 保弘氏にお話を伺いました。 ![]() 株式会社日本M&Aセンター 代表取締役会長 分林 保弘氏 ―― まだM&A(Mergers and Acquisitions)という言葉が一般的でなかった時代に、(株)日本M&Aセンターを設立されたきっかけを教えて下さい。 これは、実は非常に単純です。前職のIT機器販売の日本オリベッティ(株)時代、(株)TKC〔※会計事務所と地方公共団体の2つの分野に専門特化した情報サービスを展開〕の会員募集の営業活動を、同社が請け負い、5年間で全国の約3000名の会計士・税理士の方を(株)TKCの会員になって頂いたんです。私はオリベッティの会計事務所部門の責任者をしていたのですが、当時、1000万円位する経営計画のシュミレーションシステムを、約800の会計事務所に納品させて頂きました。それが縁で会計事務所と密接なつながりができたんです。その後、そのシステムの創始者である税理士の方と一緒に会社を立ち上げました。 当時はちょうど高度成長期であり、地価が上がる、株価が上がる、という時代だったので、事業承継問題、特に相続税問題が取り沙汰され始めていました。これを解決しようと、日本事業承継コンサルタント協会という、会計士・税理士を500名以上集めた組織を作りました。私がその組織の常務理事に就き、名誉会長には当時の元大蔵省主税局長の塩崎 潤氏を迎えました。そこで事業承継問題を扱っているうちに、全国大手事務所の税理士の方々から「後継者がいない会社が増えてきた」という声が、頻繁に挙がってくるようになったんです。それを解決する手法としてM&Aに注目し、新たに立ち上げたのが(株)日本M&Aセンターです。 ![]() ―― 設立からこれまでの経緯をお聞かせ下さい。 全国の会計士・税理士や著名企業のオーナーから、1億5000万円の資本金を募りスタートしました。北海道~南九州まで、地域に根ざしたエリア会社を一斉に50社立ち上げました。各社と株式を持ち合い、協力してM&Aを行っていこうということで、日本M&Aセンターグループという組織を創り上げたのです。会計事務所をベースとした日本の中堅・中小企業専門のM&Aネットワークです。これが現在では200カ所以上に発展しています。
そうこうしているうちに、地方銀行協会から講演・研修のお声が掛かった。これが非常に好評だったんです。そこで全国金融M&A研究会を立ち上げた。当時、多くの第一地銀がこの組織に参加していたことがきっかけで各地域の金融機関とも強いつながりができ、現在に至っています。
![]() ――「事業承継」の為にM&Aに注目されたのは何故でしょうか。 事業承継問題=後継者問題です。当社を設立した18年前で、1家庭に生まれる子供の人数はおよそ1.4人でした。男女が1/2ずつと考え、事業を承継する可能性の高い男子はその半分の0.7人、そのうちおよそ半分が親の会社を継ぐと考えて、その割合は0.35人です。と言うことは、将来的に、約65%の企業には後継者がいない状況になると予想できました。現在、統計的に50%の企業に後継者がいないと言われていますが、あと10年後にはこの割合が70%になると言われています。 当社では中小企業の経営者を対象としたM&Aに関するセミナーを行っていますが、いつも満席状態です。先日も、都内のホテルで行った定員300名のセミナーに、400名超の申し込みを頂きました。後継者問題に直面されている経営者の方々は、本当に真剣そのものです。 ―― 御社が扱うM&A案件についてお聞かせ下さい。 買い手となる企業の6割程度は上場企業で、残りは各地域で元気のいい中堅の企業です。これらの企業は、事業内容が魅力的な中堅・中小企業を、新規事業のシーズとして捉えています。そして、売り手の殆どは、後継者がいない為M&Aを考えている企業で、そのうち95%は財務体質が健全な黒字企業です。当社が仲介するM&A案件は、社名も変えない、リストラもしない、現社長は合併後に会長等のポストに移る、といったものが殆どです。 ![]() ―― 御社の強み、同業他社との違いはどのような点でしょうか。 メガバンクや大手証券会社、世界的な金融機関の場合、大企業のM&Aやクロスボーダー案件を中心に扱います。それらのアドバイザリー案件の規模は、最低でも5000万~1億円以上で、大きいものでは5億円に及ぶものまであります。
また、M&A仲介の分野で、東証一部に上場している企業は当社だけですので、知名度と信頼性は抜群です。中堅の証券会社等も、当社と同様の業務を行っていますが、そういった会社も殆ど当社と提携しています。 当社の手数料体系は、多くの会計事務所や地銀、信用金庫等でそのまま使用されており、中堅・中小企業のM&Aにおける標準的な手数料モデルになっています。いわば、中小企業M&A仲介のスタンダードなのです。 ―― 何故、御社が業界のスタンダードになり得たのでしょうか。 まず、地方の金融機関の場合、必ずしも売り手・買い手が同じ地域にあるとは限りません。M&Aを成立させるためには、全国規模の広いネットワークを持っている必要があります。また、銀行や証券会社は、M&Aが本業ではありません。行員・社員には人事異動や転勤もありますし、ずっとM&Aの仕事にだけ携っていられる訳ではありませんので、ノウハウが蓄積されにくい。 当社では、地方銀行からこれまでに30名以上の出向者を受け入れています。一定期間トレーニングを受け、それぞれの会社へ戻っていくので、結果として当社のノウハウを全国規模で共有して頂いていることになるのです。 ![]() ―― 社員教育についてお聞かせ下さい。 新入社員は、入社後1年間はOJTです。会計事務所部門や法人部門等、各チャネルに分かれ、先輩トレーニーの下でトレーニングを積みます。株式評価や税金にまつわる事柄は、公認会計士や税理士が社内にいる為、勉強会等で学ぶことができます。全員が簿記2級以上を取得することはもちろん、ドラッカー等の経営理論についても勉強して頂きます。月に数回は何らかの形で研究会や勉強会が開かれていますね。また、契約書の作り方や調印式の執り行い方等、子細なことまでこの期間に身に付けます。
―― どのようなバックグラウンドを持つ方が入社されているのでしょうか。 やはり、金融機関出身者や会計士・税理士が多いのですが、総合商社やメーカーの出身者もいます。様々ですね。M&Aに関して未経験で当社にご入社される方の場合は、金融機関出身者が多いですが、リテールよりも法人営業の経験を持つ方のほうが当社にはマッチすると思います。また、10年以上M&Aに携っている様な、プロフェッショナルの方も採用しています。 ![]() ―― 御社の人材観、求める人物像について教えて下さい。 当社の仕事は、社会貢献という側面が非常に強い。我々が採用した人間は、「お客様に幸せを運ぶ青い鳥」だと思っています。社是に「自利利他」という言葉がありますが、これは「自分が利益を得るためには、まず他者の利益を得る」という考え方で、お客様に喜んで頂くことで、自分たちも喜ぶという考えです。近江商人の言葉で言うならば、「売り手よし、買い手よし、世間よし」という『三方よし』ですね。 キャラクターとしては、明朗で前向きな方、勉強好きな方、チャレンジ精神旺盛な方ですね。強い営業力と、そして何よりも、経営者と接するための高いコミュニケーション能力が求められます。 当社のお客様となる方は経営者です。売り手である企業の経営者は60歳以上の方が多いですし、買い手側でも上場企業の役員クラスと対応することが殆どなので、高度な財務・法務知識、分析能力等の論理性がもちろん必要です。それに加え、義理人情的なものも持っている方がいいですね。売り手となる中堅・中小企業の経営者の方にとって、自分が創った会社を売るということは、ある面においては、人生の一つの終結を迎えるようなものです。その時、経営者と同じ立場に立って一緒に泣ける方。まして、売り手と買い手は利害が異なる訳ですので、そういった方々を、理論的にも人間的な面においても説得できる人物でないと務まらない。よく言うのですが、クールヘッド&ウォームハートを、両方持ち合わせている様な人材が欲しいですね。どちらか一方ではダメなんです。 ![]() ―― 御社で働く魅力は、どのようなところにあるのでしょうか。 これまで長年にわたって築いてきたネットワークがあり、M&Aのファインディングの必要がないため、案件を見つけるためにひたすら電話を掛けまくる、というようなこともありません。そういった理由もあり、日付が変わっても会社に居残って働いているということは殆どありません。他の金融機関や監査法人から転職されてきた方には驚かれますね。 また、当社では、案件の担当者の変更は殆どありませんし、ロングレンジでM&Aに携ることが可能です。拠点も東京と大阪のみですし、転居を伴う異動は原則としてありません。社員は長い目で見て育てていきたいと考えています。 もう一つ、当社の大きな特徴として、社員はみんなM&Aが好きで、M&Aがやりたくて当社に集まってきているという点が挙げられます。人事異動でたまたまM&Aの部署に移って来た訳ではないのです。この点は、実は非常に大きなポイントです。根本的にM&Aに対する姿勢が違うのです。「数字が第一」という世界と、「企業の存続と発展に貢献したい」という組織とは、根本的に異なります。メガバンクから転職してきた社員が言うには、「お客様のプラスにならない仕事をしなくていい」のだそうです。銀行にいると四半期単位の数字に追われ、お客様が見えなくなりがちですが、(株)日本M&Aセンターでは売り手にも買い手にもその社員の方々にも喜んで貰える、こんなにいい仕事はないと言います。そういった評判を聞きつけて、中途入社してきた社員の前職の同僚が当社に転職してくることもしばしばあります。 社員の定着率も極めて高く、離職者は、年間で1人いるか、いないかです。また、新卒者やバックオフィスの社員も含めた、社員全体の平均年収は1050万円と、他の一部上場企業と比べても遜色はないのではないでしょうか。 ―― 3年後、5年後の御社のイメージについてお聞かせ下さい。 現在、統計的には12万社もの後継者不在の企業があると言われています。当社のM&A年間成約数はまだ100件未満ですので、今の数千倍規模の潜在的マーケットがあると考えられます。
将来的には、マーケティング会社やコンサルティング会社等、いろいろな業種の会社と共に、相乗効果のある企業グループを創り上げていきたいと思っています。マスコミ部門を持って経済誌を発行してもいいですし、一つの業界に精通したコンサルティング会社とコラボレーションしてもいいですね。色々なことが考えられますが、本業に相乗効果があるものがいいと考えています。そして、現在の「M&Aの仲介会社」というイメージに留まらず、「M&Aを核とした、中堅中小企業の総合的な経営戦略コンサルティンググループ」を創りあげていきたい。そのため、最近では企業再生にもかなり注力しています。これまでにも、民事再生企業等、十数社の再建実績があります。 ![]() ―― 最後に、採用に関するこだわりや御社を志望する候補者へのメッセージ等があれば、お願いします。 やはり、志が高くないといけません。経営者は永遠に勉強することになりますから。小さくまとまってしまっている方よりも、「経営者になりたい」「経営にかかわりたい」「経営の勉強をしたい」という方がいいですね。それと、お客様に喜んでもらうために仕事をする、という気持ちですね。 また、私自身、視察の為にお取引先をお連れして年に数回は海外に出掛けますが、社員にもどんどん海外旅行に行くように勧めています。世界を見ないと、これからの経営がどうなっていくのかを掴めない。例えば、3~4年前にはトルコの工場視察に行きましたが、日本ではまだ液晶テレビが出始めたばかりの頃に、トルコにあるフィリップスの工場では既に液晶テレビが大量に生産されていた。シャープがまだ亀山工場を作っている頃です。「まさか、トルコで」と思いますよね。そういった事実は、実際に自分の目で見ないとわからないと思うんです。広く世界を知って欲しいですね。 ―― 本日はお忙しい中、長時間に亘りご協力頂き、ありがとうございました。
※この記事の内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
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